2026.9.18

【転職相談】「役職が上がるほど、少年野球の応援に行けなくなる」——42歳パパが複数内定で直面した、出世と家庭の線引き

この記事は、withworkに実際に寄せられたご相談内容をもとに、プライバシー保護のため個人が特定される情報を変更・複数の事例を組み合わせて構成しています。特定の個人へのインタビューではありません。

複数の内定を前に、条件の良さと、家庭で過ごせる時間の見通しとの間で揺れる方は少なくありません。

特に、役職やポジションが上がるほど、平日夜の会議や出張、突発対応が増える傾向があるため、「出世する」という選択が、そのまま「子どもと過ごす時間が減る」という選択に直結しがちです。

今回は、複数内定のうち役職も年収も一番高い会社ではなく、家庭との両立をイメージしやすい会社に気持ちが傾いている子育てパパの相談事例をもとに、「出世と家庭、どこで線引きするか」を整理します。

お悩み

【読者の相談内容】

・プロフィール:42歳・Web業界勤務(勤続7年)/年収980万円/子ども8歳・3歳(小学生と保育園)
・相談テーマ:役職が上がるほど家庭の時間が削られそうな内定と、役職は上がらないが家庭との両立をイメージしやすい内定、どちらを選ぶべきか迷っている

Webマーケティングの領域で10年以上、大規模な予算のマネジメントや新規事業の立ち上げに携わってきました。今回の転職活動では、ありがたいことにほぼ同時期に3社から内定をいただいたのですが、条件と気持ちが一致せず悩んでいます。

  • A社(大手IT企業):マネージャー候補としての採用で年収1280万円。待遇も安定性も申し分ないが、平日夜の会議や出張も今より増えそうな気配がある
  • B社(急成長中のIT企業):年収1150万円。事業の伸びしろは感じるが、勢いのある会社だから、という以上の決め手がまだ見つかっていない
  • C社(D2C系スタートアップ):メンバー職として年収900万円。ミッションに一番共感していて気持ちは固まりつつあるが、A社・B社より年収が250万円以上低く、役職も上がらない

A社・B社・C社の内定通知書

正直に言うと、C社に決めたい気持ちがほぼ固まっています。上の子(8歳)が今年から少年野球を始めたばかりで、平日夜の練習や土曜の試合にどれだけ顔を出せるかも、実は大きな判断材料になっています。

ただ、せっかくマネージャーのオファーをいただいたのに、それを断って家庭を優先するのは、キャリアとして後ろ向きな選択なのではないかとも思ってしまいます。パートナーにどう説明すべきかも悩んでいます。

キャリアアドバイザーからの回答

ご相談ありがとうございます。まず、性質の異なる3社から同時に内定をいただいたこと自体、これまでのご経験と、選考で出会った方々への向き合い方がしっかり評価された証拠です。ここまで本当にお疲れさまでした。

そのうえで、今回のお悩みには、役職が上がるタイミングで子育て世帯の多くがぶつかる、共通した構造があります。順番に整理していきましょう。

①「役職を断ること」は、キャリアの後退ではない

マネージャーのオファーを断ることに「もったいない」という感覚を持つのは自然です。ただ、役職は「今しかもらえないもの」ではありません。

一方で、お子さんが少年野球に熱中している今の時期は、二度と戻ってきません。「今、この役職を受けるかどうか」ではなく、「この数年、家庭にどれだけ時間を割きたいか」という時間軸で考え直すと、判断の重みが変わってきます。役職は数年後にまた巡ってくる可能性がありますが、子どもと過ごせる時期には限りがあります。

②「役職が上がる」=「稼働が増える」の中身を具体的に確認する

A社のマネージャー職を懸念しているとのことですが、「なんとなく忙しくなりそう」で止めず、具体的に確認してみることをおすすめします。

平日夜の会議は週に何回発生しそうか、出張の頻度はどのくらいか、実際にマネージャー職に就いている社員は土日の呼び出し対応がどの程度あるか。曖昧な不安のままにせず、面接や条件確認の場で率直に聞いてみると、思ったより融通が利くケースも、想像以上に厳しいケースも、どちらもあります。

③パートナーへの「説明」と「説得」は違う

パートナー様への説明に悩んでいらっしゃるとのことですが、大事なのは「役職を辞退することを正当化する」ことではなく、「なぜその選択をしたいのか、自分の言葉で共有する」ことです。年収や役職という数字だけを並べて理解を求めようとすると、どうしても分が悪く見えてしまいます。

そうではなく、「なぜC社なのか」「この数年、家庭とどう向き合いたいのか」「土日の少年野球にはこれまで通り顔を出したいという気持ち」までをセットで話す時間を、意図的につくることをおすすめします。多くの方が、この対話を先延ばしにしたまま承諾期限を迎えてしまい、直前になって慌てて結論だけを伝える、という失敗をしています。

④判断の解像度を上げるための質問

役職と家庭の間で迷ったときは、以下を自分に問いかけてみてください。

  • 面接や説明を聞いていて、自分が一番前のめりになっていたのはどの会社だったか
  • 1年後、少年野球の応援に一度も顔を出せなかったとしたら、それでも「良い選択だった」と思えそうか
  • それぞれの会社で、平日夜の会議頻度や土日の対応可能性を具体的に確認できているか。子どもの行事・習い事にどれだけ参加できそうか、想像できているか

条件を一度脇に置いて考えることで、自分が本当に大事にしたい軸が見えてくることがあります。

⑤意思決定でやってしまいがちな失敗

複数内定が出たときは、次のような失敗もよく見られます。「各社への志望度をぼかして伝えた結果、後になって『話が違う』と齟齬が生じてしまう」「家族との対話を先延ばしにして、承諾期限の直前に慌てて相談する」「役職や年収の高さに気を取られ、平日夜の稼働や出張頻度など生活リズムに直結する要素を十分に比較できていない」。事前に知っておくだけで、防げるものも多いです。

まとめ:内定が出る前に「譲れない軸」をプロと整理しよう

複数内定が出たときに「家庭か、出世(年収)か」で迷ってしまう原因の多くは、内定が出てから考え始めてしまうことにあります。

納得のいく転職活動をするためには、選考が進む前の段階から「自分にとって何が一番大切なのか」「家族とどう過ごしたいのか」という判断基準をあらかじめ言語化しておくことが大切です。

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「内定をもらった後に、家庭との両立で後悔したくない」「出世や年収だけでなく、自分たち家族に合ったワークライフバランスを見つけたい」「面接を受ける前に、仕事と家庭の優先順位をすり合わせておきたい」——そうお考えのワーキングペアレンツの方は、ぜひ一度、選考前のキャリア相談にお越しください。

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この記事のライター

高野 莉江(たかの りえ)

XTalent株式会社 withwork リクルーティングアドバイザー(RA)。キャリアコンサルタント資格保有。美容機器メーカーでの営業を経て、医療系人材紹介会社で両面型コンサルタント業務・中途採用に従事。IT企業での人事・人材紹介事業の新規立ち上げを経験後、フリーランスとして複数企業の人事支援に携わり、ワーキングペアレンツ向け転職サービス「withwork」を運営するXTalentに参画。現在は企業側の採用交渉や市場データ分析を通じ、ワーキングペアレンツの転職市場のリアルを把握している。自身も1児の母として育児と仕事の両立に奮闘する当事者でもある。実体験に基づく「リアルな両立の視点」と採用市場に関する専門的な知見を掛け合わせ、子育て世代が自分らしく働ける社会の実現を目指し情報発信を行っている。