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出社回帰で転職を迷ったら。残りたい理由も考える【30代からの転職】

出社回帰を告げられて、転職が頭をよぎる。とはいえ、今の仕事が嫌いになったわけではない。お迎えの時間も、家族で分担してきた日々の段取りもある中で、「出社するか、辞めるか」と急に迫られるのは、しんどいですよね。私は、残りたい理由も含めて考えてよいと思っています。

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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」第413回の内容をもとに、働き方が変わるときの転職について考えます。

出社したくない、という話ではないんですよね

withworkにも、出社回帰をきっかけに転職を考えたという相談が、毎日のように届いています。それだけ、仕事と生活の両方に関わる切実なテーマなのだと感じます。

お話を聞くと、出社そのものが嫌いな方ばかりではないんです。同じ場所で仕事をする意義も感じているし、顔を合わせるからこそ話せることもある。ただ、それが毎日となると、今の暮らしでは現実的ではない。その間で悩んでいる方がいらっしゃいます。

通勤の往復が加わるだけで、お迎えに間に合わなくなる。朝、子どもを送り出す時間との両立が難しくなる。家族に頼むとしても、その人にも仕事がある。リモート勤務を前提に、何とか組み立ててきた一日がありますよね。出社日数が変わるというのは、その段取りを家族ごと変えることでもあります。

番組に寄せられたのも、仕事に面白さを感じ、長く働きたいと思っていた会社で、リモート勤務の縮小や組織の変化が重なった方からの相談でした。子どもの生活にも変化がある時期で、自分の仕事まで変えてよいのか迷っている。単に楽な働き方を求めている話ではありませんでした。

もう一つ、相談の中で感じるのは、出社の回数だけが問題になっているわけではない、ということです。

たとえば、みんなで議論する日や、チームで何かをつくるために集まる日なら、納得して出社できる。一方で、仕事の中身やチームの事情にかかわらず、一律に出社することになった。その理由も十分に分からない。そうなると、働き方の不便さに加えて、会社への不信感につながることもあります。

会社は、私たちがどう働いてきたかを見てくれていたのだろうか。家庭と仕事を両立するための事情を、話してもよいのだろうか。そう感じている方もいるんですよね。

もちろん、出社を増やす側にも、解決したい課題があるのだと思います。だから、説明を聞く前から「社員を信頼していない会社だ」と決めつける必要はありません。ただ、その目的や事情を伝え合えるかは、これからも一緒に働きたいと思えるかに関わる、大切な部分だと思っています。

まずは、「何のために出社を増やすのか」「どの業務や場面で、対面であることが必要なのか」を聞いてみる。そのうえで、自分にはどこまで対応できて、何が難しいのかを話す。「出社が嫌です」ではなく、「この仕事にはこう関わりたい。ただ、毎日の出社になると、この時間の調整が難しい」という話ができると、互いの事情を具体的に考えやすくなります。

この会社で、どこまで頑張っていきたいか

出社には意味がある。今の会社も好き。仕事にも、まだやりたいことがある。それでも、毎日通うのは難しい。だからこそ、すごく悩むんですよね。

私は、その「残りたい」という気持ちも、ちゃんと扱いたいと思っています。転職の相談に来たからといって、今の会社を離れる理由だけを探さなくてよいんです。

任されている仕事のどこが面白いのか。これから関わりたい事業があるのか。一緒に働く人の、何を信頼しているのか。今の会社に残りたい理由を少し具体的にしてみると、働き方をどこまで調整してでも続けたいのか、考えやすくなると思います。

同時に、会社への感謝と、これからも働き続けられるかどうかは分けてよいですね。お世話になった会社だからといって、生活が成り立たなくなる条件まで引き受けなければならないわけではありません。逆に、周囲が転職すると聞いたから、自分も動かなければならないわけでもない。

ここは頭の中だけで考えていると、気持ちが行ったり来たりします。嫌だった説明を思い出すと辞めたくなるけれど、好きな同僚と話すとやっぱり残りたくなる。それだけ大事なものが、両方にあるのだと思います。

そんなときは、次のことを手元に書いてみてください。番組の対話と日々の相談をもとに、判断するための問いとして整理しました。

  • 今の会社で続けたい仕事、成し遂げたいことは何か。それは、この会社だからこそできることか。
  • 出社が増えると、一日のどこが成り立たなくなるか。家族も含め、無理なく続けられる範囲はどこまでか。
  • 会社と相談できることは何か。曜日、出退勤の時間、出社の目的に合わせた運用など、まだ確かめていない余地はあるか。

たとえば、出社する曜日があらかじめ決まれば調整できる人もいれば、曜日が決まっても通勤時間の長さから難しい人もいるでしょう。「週何日までなら大丈夫」という線も、家庭によって違います。ほかの人ができているかより、自分たちが続けられるかで考えてよいと思います。

会社に相談するときは、制度の名前だけでなく、実際の運用を確かめたいですね。所属チームも一律なのか、いつから変わるのか、個別に相談できる窓口があるのか。調整を検討してもらえるなら、いつ頃答えが分かるのか。まだ可能性がある話と、決まっている話は分けておいたほうが、暮らしの見通しも立てやすくなります。

これは、何とかして出社できるように頑張りましょう、という話ではありません。話した結果、どうしても両立が難しいと分かることもある。その場合にまで、自分の工夫が足りなかったと思う必要はないんです。

まだ結論が出ていなくても、withworkに登録して、今の仕事と働き方を相談することができます。今の会社の好きなところも、納得できなかったところも、どちらも聞かせてください。

リモートで働ける、その先で何をしたいか

もし転職を考えるなら、必要な働き方は、きちんと伝えて構いません。お迎えがあることや、出社できる範囲を、内定が出るまで隠しておく必要はないと思っています。

ただ、リモートや在宅勤務ができることだけで次の会社を選ぶのが、必ずしも正解ではありません。

出社回帰は、転職を考え始めたきっかけです。その先で、どんな仕事をしたいのか。これまで積んできた経験をどう生かしたいのか。何を成し遂げたいのか。どんな人たちと働きたいのか。そこも、きっとあるはずなんですよね。

働く場所の条件が合っていても、仕事にやりがいを感じられなかったり、仕事の進め方や人への向き合い方に違和感があったりすれば、別のしんどさが生まれるかもしれません。一方で、魅力的な仕事だからといって、家族の誰かが無理をし続ける働き方を選べば、長く続けるのは難しいと思います。

だから、仕事内容と働き方は、別々に合否をつけるだけではなく、一緒に見てほしいんです。

たとえば、取り組みたい仕事があり、会うことが必要な日は集まり、それ以外は自分で働く場所を選べる。そういう形なら納得できる人もいるでしょう。通勤が短くなれば、今より出社日が増えても暮らしに合う人もいるかもしれません。もちろん、住む場所や家庭の事情から、リモート勤務が欠かせない人もいます。どれが立派な選択か、という話ではないですよね。

求人票を見るときも、「リモート可」の一言を、自分の一日に置き換えて確かめたいところです。チームは実際にどのくらい出社しているのか。集まるのは何のためか。会議はどの時間帯に多いのか。子育て中のメンバーは、どんな役割を担い、どう働いているのか。制度があることと、自分が無理なく使えることは同じとは限りません。

番組でも、リモート勤務だけを理由に会社を選んだ後、その会社の方針が変わったらどうするのか、という話をしています。今の制度が将来も変わらないとは限りませんし、面接でそれを保証してもらうことも難しいでしょう。

だからこそ、現在の働き方を確認するのに加えて、会社が働き方をどう考えているかも知りたいと思います。制度を変える際には、何を大事に判断するのか。社員の事情を聞き、調整する余地があるのか。その姿勢は、今後何かが変わったときにも関わってきます。

ほかの会社の話を聞いた結果、今の会社でもう少し頑張りたいと思うかもしれません。反対に、別の場所なら、仕事で叶えたいことと生活を両立できそうだと気づくかもしれない。外の選択肢を知ることは、今の会社を辞めると決めることとは違います。

私は、出社するかしないかの二択だけで、この迷いを急いで片づけたくありません。この会社と、どこまで一緒に頑張っていきたいのか。そのために調整できることと、どうしても譲れないことは何なのか。丁寧に話しながら、咀嚼していく時間も必要だと思っています。

やりたいことと、持続可能な働き方。その両方に納得できる選択を、一緒に考えていけたらと思います。


今の会社に残りたい気持ちも、働き方が変わる不安もある。その両方を聞かせてください。必要な条件を整理し、ほかにどんな選択肢があるか、一緒に考えます。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。