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上司と価値観が合わない。転職してもいい?【30代からの転職】

上司と価値観が合わない。転職したほうがいいのかもしれないけれど、仕事自体は好きだし、会社まで嫌いになったわけではない。だからこそ、簡単には決められないんですよね。私は、上司との相性だけでなく、その状況に会社がどう向き合っているかも見てほしいと思っています。

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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」第414回の内容をもとに、上司との関係に悩んだときの選択肢について考えます。

「あの人さえいなければ」と思うとき

番組に寄せられた相談では、上司が変わってから、コミュニケーションの取り方が合わず、日々の仕事がつらくなった状況が語られています。相手の能力は尊敬している。それでも、一緒に働くのは苦しい。そんな迷いでした。

優秀な人だから、自分が合わせられないのが悪いのか。ほかにやりたい仕事があるわけでもないのに、転職してよいのか。相手を一方的に嫌いになれないからこそ、余計に判断が難しくなることもあると思います。

でも、仕事ができることと、人を追い詰めずに一緒に働けることは、同じではありません。相手に学べる部分があるからといって、自分が感じている負担まで、なかったことにしなくてよいんです。

まずは「価値観が違う」という言葉を、仕事の中の具体的な場面に戻してみたいですね。

意見が違うと、話を最後まで聞いてもらえないのか。優先順位を相談したいのに、全部やるよう求められるのか。家庭の予定に合わせて調整しようとすると、仕事への姿勢を疑われるのか。これらは整理のための例ですが、何が起きているかによって、必要な対応は変わります。

自分の性格を直せば済む話なのかと悩む前に、何に困っているのかを言葉にしてみる。誰かに相談するときも、そのほうが状況を共有しやすくなります。

上司との問題に、会社はどう向き合っているか

番組で大切にしていたのは、その上司を選び、評価しているのも会社だ、という視点でした。

私も、上司と合わないという相談をよく受けます。特に難しいのは、新しく来た上司に、会社が大きな役割を任せている場合です。単に自分の上司が替わっただけでなく、その人のやり方に合わせて、会社全体が変わっていく。そんな組織の変化として感じることもあると思います。

以前は現場で話し合って決めていたことが、上から決まるようになった。何を評価するか、どう仕事を進めるかが変わってきた。これは考えるための例ですが、もし違和感が周囲にも広がっているなら、「あの人とだけ合わない」で片づけると、見えなくなるものがあります。

会社がこれから向かおうとしている方向と、自分が大切にしたい働き方や仕事観が離れてきたのかもしれない。上司個人への好き嫌いと、その人を通して見えてきた会社への違和感は、少し分けて考えたいですね。

もちろん、一人の上司と合わないだけで、会社全体が自分に合わないと決まるわけではありません。別のチームに移れば、今の仕事や会社の好きなところを残しながら働けるかもしれない。相談を受けて、仕事の進め方を調整してくれることもあると思います。

ただ、「異動できる制度がある」と「実際に異動できそう」は別の話です。時期も受け入れ先も分からないまま待ち続けるのは、つらいですよね。どこまで話が進んでいるのか、いつ確認できるのかを具体的に知りたいところです。

一方で、困っている状況を伝えても、話を聞いてもらえない。本人が何とか合わせるしかないと言われる。そういう対応が続くのであれば、上司との相性だけでなく、会社が人をどう扱うかへの違和感なのかもしれません。

考えを整理するときは、次のことを書き出してみてください。番組の対話をもとにした確認のための問いです。

  • 困っているのは、どんな場面で起きる、どんな言動か。
  • 安心して相談できる人や窓口はあるか。相談済みなら、具体的な対応はあったか。
  • 異動や担当変更で、続けたい仕事を続けられる見込みはあるか。

相談しにくい相手に、無理に直接話す必要はありません。社内への相談も、転職を考えるための必須条件ではないと思っています。

仕事や家庭のことを考える余裕まで削られているなら、我慢を重ねる前に、社外の人にも話してみてください。withworkに登録して、今の状況から転職を考えることもできます。自分の中で結論を出してから来ていただく場所ではありません。

辞めると決める前に、外を見てもいい

転職活動を始めたら、辞めなければならない。そう考えると、最初の一歩がとても重くなります。でも、ほかの会社を知ることと、今の会社を辞めることは、別々に考えてよいと思います。

今の仕事の、どんな部分は続けたいのか。これまでに積んだ経験を、別の場所でも生かせるのか。求人を見たり、人と話したりしながら確かめるうちに、今の会社に残る理由がはっきりすることもあるでしょう。

逆に、「こういう働き方や、仕事の進め方もあるのか」と、ほかの選択肢が見えてくるかもしれません。次にやりたいことを立派な言葉にできていなくても、そこから始めて構いません。

今の会社だけを見ていると、どこに行っても同じなのか、自分が合わせられていないだけなのか、分からなくなることがあります。いくつかの会社で実際に働く人と話し、仕事の進め方を比べると、自分の現状を少し離れたところから見られると思うんです。

比べて初めて、今の職場にも大切にしたいものがあると気づくかもしれない。もう少しここで頑張ろうと思えるなら、それも一つの答えです。一方で、ほかの環境を知ったことで、今の状況を我慢し続けなくてもよいと思えることもあるでしょう。

ただ、上司が嫌だから別の会社へ、というだけでは、次の職場で同じことが起きないかは分かりません。面接でも、そのままでは、自分が求めている環境が相手に伝わりにくいですよね。

無理にきれいな転職理由をつくるより、何に困っていて、どういう仕事の進め方なら力を発揮できるかを考えてみる。たとえば、仕事の優先順位が変わったときに、理由を共有し、担当者と調整できる環境を求めているのかもしれません。「どういう人が嫌か」から「どう一緒に仕事をしたいか」に話を進めると、次の会社に確かめたいことも見えてきます。

次の会社では、相手が感じのよい人かどうかだけでなく、一緒に仕事をする場面を想像できるとよいですね。たとえば、意見が分かれたときはどう決めるのか。仕事が重なったとき、優先順位を誰と相談するのか。入社後に上司になる人と、具体的な仕事の進め方を話してみる。家庭との両立に必要な条件も、その会話の中で確かめておきたいところです。

私は、転職したいと思ったきっかけと、その先で叶えたいことを分けて考えるのが大事だと思っています。上司との関係がきっかけだったとしても、次の職場でどんな貢献をしたいか、どんな経験を重ねたいかは、また別に考えられます。

今のつらさを、面接で印象のよい言葉に変えることから始めなくてもよいんです。まずは自分がどういう状況にいて、何を変えたいのかを知る。会社に残るにしても、離れるにしても、納得して働ける場所を選ぶために、外の視点を使ってほしいなと思います。


「仕事は好きなのに、上司が合わない」。そういう話からで構いません。今の会社でできそうなことと、転職で変えたいことを、一緒に整理しましょう。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。