時短勤務でキャリアアップを諦めそうなとき【30代からの転職】

時短勤務では、キャリアアップを諦めるしかないのだろうか。仕事に戻れたことはありがたい。でも、任される仕事や、この先の経験を考えると、どこか不完全燃焼な気持ちがある。私は、そのもやもやを「子育て中だから仕方がない」で片づけたくないと思っています。
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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」第401回(大木さんのキャリアストーリー前編)の内容をもとに、時短勤務とキャリアのこれからについて考えます。
大木さんのキャリアストーリーは前後編で配信しています。この記事は前編の文字起こしをもとにしています。後編もあわせてお聴きいただけます。
働けている。でも、思うようには働けていない
番組では、withworkコンサルタントの大木さんが、出産後に時短勤務で復職した経験を話しています。仕事そのものにはやりがいがあり、勤務日や担当業務も調整してもらっていた。それでも、もっと仕事に関わりたい思いと、働ける時間との間で悩んでいたそうです。
以前の仕事では、お客様の都合に合わせて、夕方以降に対応する場面もありました。自分にはお迎えの時間があり、最後まで関わりたくても、予定を合わせることが難しい。会社に配慮してもらえることと、自分が納得して仕事を続けられることは、必ずしも同じではなかったんですね。
この話で私が大切だと思うのは、大木さんが仕事を頑張りたくなくなったわけではない、ということです。むしろ、やりたい気持ちがあるから苦しい。
家庭を大切にするなら、仕事はほどほどにする。そういう選択が自分に合っている人もいます。でも、それしか選べないと思っている人もいる。その二つは、分けて考えたいんです。
今は無理をせず、働ける範囲で続けたい。そう思う時期があってよい。一方で、もう少し任されたい、経験を積みたいと思うなら、その気持ちまで抑えなくてもよいと思います。
日々の相談でも、時短勤務への物足りなさや歯がゆさを感じて、フルタイムに戻したいというお話をいただきます。もちろん、時短勤務が良くないということではありません。時短を選んで気持ちよく働ける人もいれば、もう少し仕事に時間を使いたい人もいる。
自分にとって、ご機嫌に働けるのはどんな状態なのか。そこを言葉にできていることのほうが大事だと、私は思います。周囲から見て無理のない働き方でも、自分はずっと不完全燃焼かもしれない。その感覚は、大切にしてよいんですよね。
足りないのは時間なのか、任され方なのか
時短勤務でキャリアアップを考えると、まずフルタイムに戻らなければ、と考えるかもしれません。でも、時間を延ばせば解決するのかは、仕事の中身によって違いますよね。
夕方以降の対応が欠かせない仕事なのか。チーム内で担当を分ければ、今の時間でも責任を持てる仕事があるのか。希望を伝えていないために、負担を減らす配慮だけが先に進んでいるのか。
どれに当てはまるかを、外から決めつけることはできません。だから、まず自分がどこに不完全燃焼を感じているのかを、仕事の場面に戻して考えてみたいと思います。
番組の話をもとに、職場やエージェントに相談する前のメモを作るなら、こんな問いが使えます。
- もう少し任されたい仕事、これから経験したい仕事は何か。
- 今それが難しいのは、勤務時間、担当の分け方、評価のされ方のどこに理由がありそうか。
- 今の時間で担えることと、周囲との調整が必要なことは何か。
たとえば「時短でも評価してほしい」と伝えるだけでは、自分も相手も、何を変えればよいか分かりにくいと思います。「この業務ではこういう改善をしてきた。次はこの仕事を担当したい。そのために、夕方の対応だけ相談したい」と、貢献できることと必要な調整を一緒に話せると、相談が具体的になります。
これは、家庭の事情を伝えるために、何か特別な実績を証明しなければならないという意味ではありません。自分が取り組みたい仕事を、相手にも知ってもらうためです。
こうした言語化を、一人でやるのは難しいんですよね。自分では当たり前だと思っている経験が、別の会社では求められていることもあります。withworkに登録して、これまでの経験と働き方を相談するところから、一緒に整理していけたらと思います。
今の会社で難しいことが、どこでも難しいとは限らない
大木さんは、今の仕事が嫌になったから、別の仕事に移ったわけではありませんでした。人の役に立ちたい思いを持ちながら、自分が大切にしたいことと重なる仕事を探し、異なる業界へと進んでいます。
この経験を、そのまま全員に勧めることはできません。業界や職種を変えれば、学び直すこともあるし、求められる経験も変わります。転職すれば必ず働き方が改善するわけでもありません。
ただ、今の会社で見えている選択肢が、自分に選べるすべてだとは限らない。そのことは、知っておいてほしいなと思います。
特に、一度確かめてみてほしいのが「フルタイムに戻ると、たくさん残業しなければならない」という前提です。今の職場で、それが当たり前になっていると、どうしてもそう考えますよね。でも、フルタイムで働くことと、長い残業をすることは、同じではありません。
会社によって、日々の仕事の組み立て方は違います。残業を前提に業務が回っている職場もあれば、定時の中で終えることを大切にしている職場もある。職種やチーム、繁忙期によっても変わるので、会社名や制度の説明だけで判断するのは難しいと思います。
だから、ほかの会社と話すときには、配属予定のチームの一日を聞いてみてください。普段は何時頃に仕事を終えているのか。夕方以降の会議や急な対応はどのくらいあるのか。忙しい時期はどう助け合っているのか。残業が少ないという説明も、その中身を具体的に聞けると、自分の暮らしと合わせて考えられます。
リモート勤務やフレックスが使えることで、通勤や始業時刻を調整し、フルタイムを選びやすくなる人もいるでしょう。もちろん、誰にでも可能だということではありません。ただ、今の職場の「当たり前」だけで、最初から選択肢を閉じなくてもよいと思うんです。
求人を探すときも、「時短勤務が可能か」だけでなく、その働き方でどんな仕事を任せてもらえるかを確かめたいですね。勤務時間に応じて期待する役割をどう決めるのか。仕事の成果をどう評価するのか。勤務時間に制約のある人が、実際にどんな仕事を担っているのか。制度の有無だけでは見えない部分です。
自分にとってのキャリアアップも、少し具体的にしておくとよさそうです。役職に就きたいのか。専門性を深めたいのか。お客様に最後まで関わりたいのか。年収を上げたいのか。そのうえで、家庭の生活を維持するために必要な条件を一緒に確かめる。
今より長く働くことだけが、答えとは限りません。時短のまま任される仕事を変えたいのか、無理なくフルタイムで働ける環境を探したいのか。いろいろな会社を知りながら、自分が何に物足りなさを感じ、どう働きたいのかを見つめ直す。選択肢を見てから気づく気持ちがあってもよいと思います。
番組の終盤で大木さんは、時短とフルタイムのどちらがよいかではなく、本人や家族が望んで選べているかを大事にしていました。私も、そこだと思います。誰かから見て立派な働き方より、自分が納得して選べていること。そのための選択肢を、一緒に増やしていきたいですね。
時短勤務を続けたい気持ちも、仕事でもう一歩進みたい気持ちも、そのまま聞かせてください。これまでの経験をどう生かせるか、必要な働き方と合わせて考えます。
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