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転職を決める前に

子育て中、何のために働くのだろう。私はこの仕事を続けたい?

仕事を辞めたいわけではない。働くことは好きだし、これまで積んできた経験も大切にしたい。

それでも、一日を終えて子どもの顔を見たとき、今日の時間の使い方はこれでよかったのだろうか、と考えてしまう。もう少し話を聞きたかった。その時間を使って、自分は何をしていたのだろう。

私は、子どもと過ごせなかった時間を、毎日特別な成果で埋め合わせなくてもいいと思っています。ただ、今の仕事に引っかかるものがあるなら、それまで押し込めなくていい。働くことへの後ろめたさと、この仕事を続けたいかという問いは、少し分けて考えてみたいです。

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このコラムでは、代表の上原が、キャリアと家庭の間で生まれる迷いについて考えます。今回は、家族との時間が大切だからこそ、仕事に使う時間にも納得したくなる気持ちについてです。

働く時間に、毎日立派な理由はいらない

生活を支えるために働いている。それも大切な理由です。仕事で誰かと話すことが、自分にとって必要な時間になっていることもあると思います。

いつも成長できたり、誰かに感謝されたりする日ばかりではありません。思うように進まない日もあるし、ただ目の前のことを片づけて終わる日もある。

そんな日があったからといって、子どもを預けて働いたことまで間違いになるわけではないですよね。

子どもに誇れる仕事がしたい。その思いは大切にしたいです。でも、「子どもに説明できるほど立派な仕事でなければ、働いてはいけない」と自分を追い込む必要はないと思います。

一方で、前は気にならなかった仕事の進め方に、違和感を持つようになることもある。目的が分からない会議に時間を使った後、自分はこれをするために急いで子どもを送り出してきたのか、と立ち止まる。

もしその感覚が続くなら、自分のやる気がなくなったと決める前に、何に引っかかっているのかを聞いてみたいです。仕事から離れたいのか。それとも、本当はもっと納得できる仕事がしたいのか。見た目には同じ疲れた表情でも、考えたいことは違うはずです。

「やりがいがない」を、もう少し具体的にしてみる

やりがいのある仕事を探そうとすると、会社の知名度や事業の社会的な意義に目が向くかもしれません。それも一つの手がかりですが、私がまず聞きたいのは、もっと日々の仕事に近い話です。

最近、自分が関わってよかったと思えたのは、どんな場面だったでしょうか。

大きな成果でなくて構いません。説明を工夫したら相手に伝わった。自分の提案が、少しだけ形になった。難しかった仕事を、誰かと相談して前へ進められた。例えばそういう場面です。

withworkの2024年の意識調査でも、働きがいを一言で尋ねるのではなく、仕事の面白さ、職場の人間関係、役に立てている実感などを分けて聞いています。下の図は、その5つの観点について、回答者が振り返った転職前後の変化をまとめたものです。

転職後に改善した「働きがい」。達成感・満足感、没頭、人間関係、面白さ、役立つ実感という5つの評価項目の変化を示した調査図版。

引用元:XTalent株式会社「転職後のキャリアとライフに関する意識調査・中編」(2024年)。画像は原図のまま掲載。タップすると拡大できます。

調査は2024年5月21日〜6月5日実施。同年3月までにwithworkを通じて転職・入社した男女が対象で、有効回答は120名。各項目を5段階で評価しています。回答者による振り返りであり、転職だけが変化の原因であることや、誰もが同じ結果を得られることを示すものではありません。

私がここで考えたいのは、転職すれば働きがいが上がる、という話ではありません。自分にとって足りていないのは何なのか。この5つの観点を、今の仕事を振り返る手がかりにできると思います。

仕事内容は面白いのに、一緒に進める人との間で力を使い切っているのかもしれない。周りの人は好きだけれど、自分で判断する場面がほとんどなく、経験を使えていないのかもしれない。

同じ「やりがいがない」でも、変えたいことは違いますよね。

一日の中で、もう少し時間を使いたかった仕事と、できれば減らしたかった負担を、一つずつ思い出してみてください。そこに、今の仕事を続けるにしても、別の仕事を探すにしても、持っておきたい手がかりがあると思います。

子どもに話して聞かせるためではなく、まず自分が納得するために。どんな相手と、どんな仕事をした日は、忙しくてもやってよかったと思えたのか。そういう話から、私は聞いてみたいです。

仕事を変えたいのか、仕事との付き合い方を変えたいのか

仕事内容は好きなのに、疲れ切っていて楽しめないのであれば、新しいやりがいを探す前に、仕事量や時間の使い方を変える余地を考えたいです。いま以上の挑戦を足すことが答えとは限りません。

反対に、生活は回っているけれど、この先も同じ仕事を続けることに納得できないなら、取り組みたい仕事を今の職場で持てるか、確かめてみる意味があります。

例えば、先ほど振り返った「もう少し時間を使いたかった仕事」を、今より多く担当できないか。希望を伝えたら変わりそうなのか、組織の役割上、そもそも難しいのか。その違いが分かると、転職で何を変えたいかも、少しはっきりしてきます。

そのとき気をつけたいのは、今の物足りなさの反動で、やりがいだけを優先しすぎないことです。

同じ意識調査の働き方の変化を扱った前編では、勤務時間が変わった方から、取り組みたい仕事に時間を使えるようになったという声がある一方、残業や家族への負担が増したという声も寄せられています。全員に同じ変化が起きたわけではありません。

仕事に本気になれることと、その仕事を続けられる暮らしであること。転職先では、両方を確かめたいです。

必要な収入やお迎えの時間は、やりたい仕事が見つかったからといって消えるものではありません。どんな役割を期待されるのかを聞くときには、そのチームが普段どう仕事を進めているのかも聞いてみる。繁忙期の働き方まで知ったうえで、自分の生活と合わせて考えられるといいですね。

withworkでは、働ける時間や場所だけでなく、これまでのどんな仕事に手応えがあったのかも一緒に整理したいと思っています。自分では当たり前だった経験に、次の会社で求められる力があるかもしれない。その可能性も、今の暮らしを守るための条件と一緒に考えます。

子どもとの時間を増やしたいから、仕事のペースを落としたい。そういう選択もある。限られた時間を使うからこそ、仕事にも本気で向き合いたい。そういう気持ちもある。

どちらかに気持ちをそろえてから、相談しなくてもいいと思うんです。子どもと過ごしたい気持ちも、仕事で力を発揮したい気持ちもある。そのまま話していただけたらと思います。


働く時間を減らしたいのか、仕事の中身を変えたいのか、まだ自分でも分からない。そんなところからでも、withworkでお話を聞かせてください。いきなり次の会社を決めるのではなく、残したい仕事と、変えたい日常から一緒に考えましょう。

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仕事のどこに手応えを感じるかをもう少し広く考えたい方は、仕事のやりがいについて整理した記事も参考にしてください。

調査出典:XTalent株式会社「転職後のキャリアとライフに関する意識調査」前編・中編。2024年5月21日〜6月5日実施、同年3月までにwithworkを通じて転職・入社した男女120名が回答。本文では働きがいの図版・設問と、勤務時間に変化があった方の公開回答を参照しています。一般の働く親全体を代表する調査ではなく、転職による改善を保証するものでもありません。

もう少し誰かと整理してみたい方は、転職を決めていなくても、転職エージェントに相談だけしていい理由もあわせてお読みください。

この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。