公開日

【転職相談】リモートもフレックスもあるのに終わらない夜。2度目の転職で「実態」を見極める

この記事は、withworkに実際に寄せられたご相談内容をもとに、プライバシー保護のため個人が特定される情報を変更・複数の事例を組み合わせて構成しています。特定の個人へのインタビューではありません。

「リモートワーク可」「フレックスタイム制あり」。子育てをしながら転職先を探すとき、多くの方がまず確認する条件です。けれど、制度がそろっている会社に入ったはずなのに、なぜか家族と過ごす時間が増えない——そんな経験はありませんか?

特に、一度転職を経験している方ほど「前回は何を基準に選んだのか」「なぜ今回もうまくいかなかったのか」という問いに向き合うことになります。今回は、2度目の転職で内定を2社から得た方のご相談をもとに、働き方の"実態"をどう見極めるかを考えます。

お悩み

【読者の相談内容】

・プロフィール:36歳・Web系企業の営業企画(数値管理・業務設計)/年収640万円/子ども:小学2年生の娘1人
・相談テーマ:制度は整っているのに両立できていない。2度目の転職で、同じ失敗を繰り返さない選び方を知りたい

3年前、私は「家庭と仕事を両立したい」と考えて転職活動を始めました。ところが最後の最後で、成長できそうな環境を優先して今の会社を選びました。「今のうちにキャリアを積んでおかないと」という焦りがあったからです。

今の会社はリモートもフレックスも自由に使えます。それでも、夕方に学童のお迎えで一度抜け、夕食とお風呂を済ませて子どもが寝たあと、またPCを開く毎日です。日付が変わる頃まで仕事をすることも珍しくありません。チームでは退職者が続いていて、「このままでは家族の時間がなくなる」と感じて再び転職活動をしました。

夕方の学童のお迎えの場面のイメージ

その結果、2社から内定をいただきました。

  • A社(医療・介護系サービスの事業会社):提示年収650万円。週2日出社。事業内容に強く共感でき、面接で会った社員の方々も落ち着いた雰囲気。ただ、成長スピードという点では今の会社より緩やかに見える
  • B社(急成長中のIT企業):提示年収700万円。リモート中心で、仕事内容の幅も広く面白そう。ただ、面接での話しぶりから、今の会社と同じくらい忙しそうな印象も受けた

前回「成長」を選んで両立が崩れたので、今回はA社に気持ちが傾いています。でも、また「成長を諦めた」と後悔するのではないかという不安もあります。前回の反省を活かすには、何を基準に決めればいいのでしょうか。

キャリアアドバイザーからの回答

2度目の転職活動、お疲れさまでした。前回の選択を振り返り、「なぜ両立が崩れたのか」をご自身で言葉にできている時点で、今回の意思決定はすでに一歩前に進んでいます。

そのうえで、ここでは「制度」と「実態」を分けて見る視点と、前回の判断の振り返り方についてお伝えします。

①リモートとフレックスは「時間の長さ」を解決しない

子どもが寝たあとにPCに向かう夜のイメージ

リモートやフレックスは「いつ・どこで働くか」を柔軟にする制度で、「どれだけ働くか」を減らしてくれるわけではありません。むしろ柔軟に抜けられるぶん、夜に仕事を持ち越しやすくなる、という声もよく聞きます。お迎えのために中抜けして夜に戻る働き方が続いているなら、見直すべきは制度の有無ではなく、業務量とチームの人員体制です。内定先を比べるときは「制度があるか」ではなく、「その制度を使った人が、結果として何時に仕事を終えているか」を確かめましょう。

②残業時間は「全社平均」ではなく「配属予定部署の直近」で聞く

求人票や会社説明で出てくる残業時間は、全社平均であることがほとんどです。部署によって忙しさはまったく違います。オファー面談の場で「配属予定の部署の、直近半年の平均残業時間」を聞いてみてください。実際にこう尋ねて、部署単位の数字を出してもらった方がいます。数字を持ち帰ると、「なんとなく忙しそう」という印象が判断材料に変わります。

③前回の決め手を疑う——「成長か両立か」は二択ではない

前回の転職で、最後に「成長」を選んだこと自体は間違いではありません。問題は、成長と両立を天秤にかけて片方を捨てる形で決めたことにあります。今回A社を選ぶとしても、それは「成長を諦める」ことではありません。「長く続けられる環境で着実に経験を積む」という別の成長の形です。3〜5年後にどんなスキルを持っていたいかを先に決めると、「成長」の中身が具体的になり、二択の迷いが小さくなります。

「年収か気持ちか」「成長か両立か」など、複数内定での判断軸に迷ったときの整理の仕方は、こちらの記事でもまとめています。

【転職相談】36歳・年収650万のワーママが直面。「条件が良い内定先」を選べない本当の理由とは?

④判断の解像度を上げるための質問

最後に、ご自身に問いかけてみてほしい質問を挙げます。

  • A社とB社、それぞれの配属部署で「夕方に抜けた人が夜に仕事を再開している」のは日常的なことか、例外的なことか
  • 年収50万円の差は、今の「子どもが寝たあとの2〜3時間」と引き換えにしてもよい金額か
  • 3年前の自分が今の自分を見たら、どちらの会社を選んでほしいと言うか

⑤意思決定でやってしまいがちな失敗

よくある失敗を3つ挙げます。1つ目は「決め切る前に現職へ退職を切り出してしまう」ことです。内定承諾より先に上司へ伝えると、行き先が決まっていない不安定な状態が生まれます。退職を伝えるのは、承諾の意思を内定先に伝えてからが原則です。2つ目は「職場訪問や面接官の雰囲気だけで気持ちが大きく揺れる」ことです。前回の転職でも、現場を見に行ったことで8対2だった気持ちが5対5になった、という方がいました。雰囲気は大切な判断材料ですが、①②の"数字の実態"とセットで見ることが欠かせません。3つ目は「年収の"承諾ライン"と"理想ライン"を分けずに交渉する」ことです。「この金額なら承諾できる」と「この金額なら迷わず決められる」を事前に分けてアドバイザーに伝えておくと、条件交渉がぐっとスムーズになります。

まとめ:「制度があるか」ではなく「その制度が活用されているか」で選ぶ

「制度はあるのに、なぜか定時に終われない」——そんな実態と制度のギャップに、2度目の転職で気づく方は少なくありません。

2度目の転職で大切なのは、前回うまくいかなかった理由を「会社選びの失敗」で片づけず、「何を見落としていたか」まで分解することです。今回のケースで見落としていたのは、制度の有無ではなく、その制度のもとでの実際の働き方でした。

A社とB社のどちらを選ぶにしても、配属部署の残業の実態、夕方以降の働き方、年収差と家族の時間の交換比率。この3つを確かめたうえで決めた答えなら、3年後の自分も納得できるはずです。

\ "制度"の先にある、本当の働き方まで一緒に確かめます /

withworkでは、求人を紹介するだけでなく、配属予定部署の残業時間や働き方の実態の確認、オファー面談での条件のすり合わせまで、キャリアアドバイザーが一人ひとりに伴走しています。

「リモートもフレックスもあるのに、なぜか家族の時間が取れない」「前回の転職と同じ失敗をしたくない」——そうお考えのワーキングペアレンツの方は、ぜひ一度ご相談ください。

\ ご登録はこちら /

この記事のライター

高野 莉江(たかの りえ)

XTalent株式会社 withwork リクルーティングアドバイザー(RA)。キャリアコンサルタント資格保有。美容機器メーカーでの営業を経て、医療系人材紹介会社で両面型コンサルタント業務・中途採用に従事。IT企業での人事・人材紹介事業の新規立ち上げを経験後、フリーランスとして複数企業の人事支援に携わり、ワーキングペアレンツ向け転職サービス「withwork」を運営するXTalentに参画。現在は企業側の採用交渉や市場データ分析を通じ、ワーキングペアレンツの転職市場のリアルを把握している。自身も1児の母として育児と仕事の両立に奮闘する当事者でもある。実体験に基づく「リアルな両立の視点」と採用市場に関する専門的な知見を掛け合わせ、子育て世代が自分らしく働ける社会の実現を目指し情報発信を行っている。