【転職相談】育休中の転職で内定2社。「想像しやすい会社」と「挑戦したい会社」どちらを選ぶ?

この記事は、withworkに実際に寄せられたご相談内容をもとに、プライバシー保護のため個人が特定される情報を変更・複数の事例を組み合わせて構成しています。特定の個人へのインタビューではありません。
育休中に転職活動をして、復職せずに新しい会社へ移る——そんな選択をする方が、ここ数年で確実に増えています。けれど、内定が出たあとに「本当にこの会社でやっていけるだろうか・・・」と迷いが深まるのも、育休中の転職ならではです。仕事から1年近く離れているうえに、入社直後は保育園の慣らし保育や、子どもの急な発熱が待っています。
特に迷いやすいのが、「今の仕事に近くて入社後を想像しやすい会社」と、「ずっとやりたかったけれど期待値が高く、少し背伸びが必要な会社」の比較です。今回は、育休中に2社から内定を得た方のご相談をもとに、育休明けの転職先の選び方を考えます。
お悩み
【読者の相談内容】
・プロフィール:30歳・Web広告代理店勤務(育休中)/年収460万円/子ども:生後10か月の娘(4月から保育園に入園予定)
・相談テーマ:育休中に内定が2社出た。入社後の姿を想像しやすい会社と、挑戦したいが期待値の高い会社、どちらを選べばいいかわからない
今の会社は残業が月45時間を超えることが当たり前で、時短勤務を使っている人も一人もいません。このままでは子育てと両立できないと考え、妊娠中から転職の相談を始め、育休中に本格的に活動しました。保育園の4月入園が決まり、2社から内定をいただきました。
- A社(EC企業のマーケティング部門):ずっと希望していた事業会社。組織が成熟していて成長環境は魅力的。ただ、リーダー候補として期待されていて、育休明けの自分に務まるか不安がある。週半分程度の出社で、通勤は片道50分ほど
- B社(デジタルマーケティング支援会社):今と同じクライアントワーク。業務の進め方がほぼ同じで、フルリモート。子育て中の社員との面談では入社後の働き方を具体的に聞けて、とても想像しやすかった。ただ、クライアントワークゆえに忙しくなりやすく、今と同じ状況にならないか心配

最初はずっとA社が第一志望でした。ところが、B社の面談で入社後の姿がはっきり見えたぶん、A社の「不透明さ」が気になり始めました。子どもが風邪をひいて通院が続き、じっくり考える時間も取れないまま、回答期限が迫っています。育休明けの自分は、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
キャリアアドバイザーからの回答
育休中に、子育てをしながら転職活動を進め、2社から内定を得られたこと、本当にお疲れさまでした。お子さんの体調不良と回答期限が重なるのは、とても苦しい状況だと思います。
育休中の転職では、「仕事から離れている不安」が判断に大きく影響しがちです。その不安と、会社そのものの比較を分けて考えるために、3つの視点をお伝えします。
① 「想像しやすい」は「自分に合っている」とは限らない
B社の入社後が想像しやすいのは、今の仕事と進め方がほぼ同じだからです。一方でA社の話がぼんやりして見えるのは、業務の進め方そのものが今と違うからかもしれません。今の職場を物差しにして新しい会社を理解しようとすると、違う部分がそのまま「不安」に見えてしまいます。その場合に必要なのは、不安だから避けることではなく、解像度の差を埋めることです。A社に「入社後3か月で期待される役割」「困ったときに誰に相談できるか」「一人で背負う責任の範囲」を具体的に聞いてみてください。実際に、追加の面談で配属先のマネージャーと直接話し、「今の職場とは前提となる考え方が違う」と理解できたことで、迷いが晴れた方もいます。
② 育休明けの「期待値への不安」は、入社の段取りで小さくできる
1年近く仕事から離れていると、「すぐに期待に応えられるだろうか」と感じるのは自然なことです。その不安は、会社を選び直さなくても、入社の段取りで小さくできる場合があります。たとえば、4月に入園して慣らし保育を終えたあと、最初の1か月は短時間や週数日の勤務で始め、翌月からフルタイムに移る、といった形です。実際に、入社前の1か月を短時間の契約で働き、段階的にフルタイムへ移った方もいます。短時間の契約で始める場合は、その勤務時間で保育園の就労の条件を満たせるかも、自治体に確認しておきましょう。ご自身の生活と照らし合わせて、無理のない範囲で企業やキャリアアドバイザーに相談してみましょう。
③ 「なぜ転職するのか」の原点に戻る
迷いが深くなったときは、転職を決めたそもそもの理由に立ち返ってみてください。今回の出発点は、「長時間労働が当たり前で、子育てと両立できる道が見えない」ことでした。B社は業務の差が小さく、すぐに力を発揮できるという大きな利点があります。ただ、懸念として挙げている「クライアントワークゆえの忙しさ」は、今の職場から抜け出したい理由と同じ構造です。入社後の働きやすさだけでなく、「3年後、どちらの会社なら今と同じ悩みを抱えずにいられるか」で比べてみると、判断の軸がはっきりします。
④ 判断の解像度を上げるための質問
最後に、ご自身に問いかけてみてほしい質問を挙げます。
- A社の出社頻度は、通勤時間と保育園のお迎えの時間を合わせても回るか。お迎えに間に合わない日は、パートナーや家族と分担できるか
- A社に感じている不安は「会社や仕事の中身」への不安か、それとも「育休明けの自分」への不安か
- B社に入った3年後、残業が今と同じ水準に戻っていたら、それでも後悔しないか

⑤ 育休中の転職でやってしまいがちな失敗
よくある失敗を3つ挙げます。1つ目は「子どもの体調不良と回答期限が重なり、焦って決めてしまう」ことです。育休中は、子どもの通院や看病で考える時間が削られがちです。十分に検討できていないときは、理由を添えて回答期限の延長を相談してみましょう。数日の延長に応じてもらえることは少なくありません。2つ目は「直近の年収を、説明なしにそのまま伝える」ことです。妊娠中の休職などで直近の給与が下がっている場合は、「本来の年収」と「下がった理由」をあわせて伝えると、条件の提示がずれにくくなります。3つ目は「一度復職しないと辞められない」と思い込むことです。周りにそうした人がいると、自分もそうしなければと考えがちですが、育休中に退職して転職すること自体は可能です。ただし、育児休業給付金は退職日までで支給が終わります。保育園の継続に必要な書類の扱いは自治体によって異なるため、退職や入社の時期を決める前に、お住まいの自治体の窓口と現職の規定を確認しておきましょう。
育休中の方の入園の条件や、転職するときに必要な手続きなど、状況ごとの保育園の注意点は、こちらの記事でも整理しています。
【転職相談】転職先が決まっていないのに保育園の申し込みが迫る。入園と入社をどう決める?
まとめ:「想像しやすさ」ではなく「転職の原点」で選ぶ
育休中の転職では、仕事から離れている不安が、「わかりやすい選択肢」へ気持ちを引き寄せがちです。けれど、入社後の姿が想像しやすいことと、その会社が自分に合っていることは別の話です。
挑戦したい会社への不安は、質問と入社の段取りで小さくできます。転職を決めた原点に立ち返り、3年後の自分が同じ悩みを抱えずにいられる会社を選べば、育休明けの新しいスタートにも納得できるはずです。
\ 育休中の転職、「復職か転職か」から一緒に考えます /
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