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【転職相談】40代で内定2社。スタートアップか整った会社か、選考中の違和感をどう読む?

この記事は、withworkに実際に寄せられたご相談内容をもとに、プライバシー保護のため個人が特定される情報を変更・複数の事例を組み合わせて構成しています。特定の個人へのインタビューではありません。

内定先を比べるとき、多くの方は年収や仕事内容、働き方の制度を並べて比べます。けれど、実はもう一つ、見落とされがちな判断材料があります。それは「選考の進め方そのもの」です。連絡の早さ、書類の出し方、面談の日程の組み方。そこには、入社後にその会社でどう働くことになるのかが、少しずつ表れています。選考中に感じた小さな違和感は軽視できません。

今回は、40代で2社から内定を得て、成長性の高いスタートアップと、整った会社のどちらを選ぶかで迷っている方のご相談をもとに考えます。

お悩み

【読者の相談内容】

・プロフィール:44歳・ITベンチャーの管理部門責任者/年収900万円/子ども:小学3年生の息子
・相談テーマ:アップサイドの大きいアーリー期のスタートアップと、組織の整った成長企業。どちらも条件は同等で、決めきれない

今の会社には「管理部門責任者」として入社しましたが、入社してみると担当は現場の作業が中心で、時間外・休日の会議も当たり前でした。入社前の説明と実態が大きく違い、年収も前職より下げて入社していたため、転職活動を始めました。週末は子どもの習い事の付き添いがあり、平日の夕食は家族でとりたいと考えています。そうした家族の時間も、今の働き方では取れていません。

結果的に、2社から内定をいただきました。

  • A社(数千名規模のIT企業):提示年収960万円。等級制度や評価の仕組みが整っていて、フルフレックスも制度として明示されている。社員の方々は誠実で、選考の最初から最後まで印象がよかった。ただ、昇給については、大きな上振れは期待しにくい
  • B社(アーリー期のスタートアップ):提示年収は同じく960万円。代表直下の「一人目のビジネス職」で、昇給の予算が厚く、数年後の年収はA社を大きく上回る可能性がある。事業の伸びも明らかに見える。ただ、こちらの問い合わせに対して企業からの返事が遅かったり、休日に面接を打診されたりと企業の体制に不安を感じている

正直、20代だったら迷わずB社に飛び込んでいたと思います。でも今は、信頼できる会社で家庭と両立させながら働いていきたい気持ちもあります。条件はほぼ同じで、どちらにも魅力があり、最後は何を基準に決めればいいのでしょうか。

キャリアアドバイザーからの回答

前回の転職で思わぬミスマッチを経験しながら、もう一度しっかり選考を受け、2社から評価を得られたこと、本当にお疲れさまでした。同じ失敗を繰り返したくないという慎重さは、大切なものです。

そのうえで、条件が同等の2社を比べるときに役立つ3つの視点をお伝えします。

① 選考の進め方は、その会社の「働き方の予告編」

選考中のやりとりには、その会社の仕事の進め方が表れます。問い合わせ対応に対する返信が何のフォローもなく遅れることや休日の選考を打診されるといったことは、スタートアップの人手不足を考えれば理解できる面もあります。ただ、裏を返せば「入社後は、こうした整っていない部分を自分が整える役回りになる」ということでもあります。前回のミスマッチが「時間外・休日の会議も当たり前」という働き方だったなら、なおさら注意が必要です。一方で、選考体験が最初から最後まで丁寧だった会社は、社内でも同じ丁寧さで仕事が進んでいる可能性が高いと言えます。選考中に感じた違和感と好印象を、それぞれ書き出して並べてみてください。

以前、「オファー内容を口頭だけで伝えられ、承諾を迫られたことがある」という方のお話も聞いたことがありますが、口頭のオファーだけで承諾を決めるのは避けましょう。会社は働く人に労働条件を明示する義務があり、賃金や仕事内容などは書面などで示すことになっています(厚生労働省)。条件を書面で確認してから回答するのが基本です。

二つの内定先の印象を書き出して見比べる、父親のイメージ

② 「20代なら飛び込んでいた」という感覚は、大切な判断材料

「若い頃なら選んでいた」という感覚を、後ろ向きな迷いと捉える必要はありません。40代の転職では、合わなかったときに「1〜2年で次へ」と動き直すコストが、20代よりずっと大きくなります。転職回数が増えるほど、次の選考で早期離職を懸念されやすくなるからです。加えて、子どもの生活リズムや家族の時間も、簡単には組み替えられません。アップサイドの大きさは魅力ですが、それは「数年間しっかり働き続けられたら」という前提の上に成り立っています。その前提が崩れるリスクがどれくらいあるかを、まず見積もってみましょう。

リスクを見積もるには、制度が整っているかどうかだけでなく、入社後に実際どう働くことになるのかを、選考の段階で確かめておくことが欠かせません。配属予定部署の残業時間の聞き方など、前回の転職の反省を次の会社選びに活かす方法は、こちらの記事で紹介しています。

【転職相談】リモートもフレックスもあるのに終わらない夜。2度目の転職で「実態」を見極める

▶ 選考中の違和感も、withworkのキャリアアドバイザーにLINE相談する

③ 「自分を使い合える関係」があるかを確かめる

条件が同じなら、最後に効いてくるのは、入社後に一緒に働く人との関係です。「この人たちとなら、お互いの強みと弱みを理解したうえで、うまく役割を分け合える」と思えるかどうか。面接で「自分という個人へのニーズ」を具体的に感じられたかどうかも大切です。逆に、会社の事業には価値を感じても、その仕事に自分自身が強い興味を持てないなら、数年単位で走り続けるのは難しくなります。オファー面談や追加の面談で、配属先の上長と「入社後に任せたいこと」「自分に期待していること」を率直に話してみてください。

④ 判断の解像度を上げるための質問

最後に、ご自身に問いかけてみてほしい質問を挙げます。

  • B社で「選考中に感じた違和感」が入社後も続いたら、週末の習い事の付き添いや平日の家族の夕食は守れそうか
  • B社のアップサイドは、何年働き続けたら実現しそうか。その年数を、40代の自分と家族の生活は無理なく走り切れそうか
  • A社を選ばない理由があるとしたら、それは何か。具体的に挙げられないなら、気持ちはすでに決まっていないか

⑤ 意思決定でやってしまいがちな失敗

よくある失敗を3つ挙げます。1つ目は「選考フローの全体像を最初に確認しない」ことです。最終面接の直前になってリファレンスチェックや信用調査があるとわかり、準備の負担から選考を辞退した、という方もいます。最初の段階で「内定までに何があるか」を確認しておけば、慌てずに済みます。2つ目は「下げてしまった現在の年収を基準に交渉する」ことです。前回の転職で年収を下げていた場合は、その経緯を説明したうえで、前職の水準を基準に希望を伝えてみましょう。ポジションによっては、前職の水準を超えることは難しいかもしれませんが、その場合はどのような成果を出したらご自身の希望する年収水準に届くのかを確認し、理解した上で意思決定をするようにしましょう。3つ目は「応募の数を優先して、手当たり次第に応募してしまう」ことです。過去にほかの経路で応募した履歴が残っていて、本当に受けたい会社にあとから応募できなかった、というケースもあります。応募先は、一社ずつ納得したうえで選びましょう。

家族で夕食を囲む、父親と息子と母親のイメージ

まとめ:条件が同じなら、選考中に感じた「違和感」と「好印象」を信じる

条件が同等の2社で迷ったとき、決め手は求人票や条件の比較表の中にはないかもしれません。選考の進め方、面接官の誠実さ、自分個人へのニーズの感じ方。選考中に受け取ったそうしたサインは、入社後の働き方を映す予告編です。

前回のミスマッチを経験した今だからこそ、「若い頃ならこっち」という感覚と、「今の自分と家族に合うのはこっち」という感覚の両方に耳を傾けてみてください。そうして選んだ会社なら、長く納得して働き続けられるはずです。

\ 選考中の"違和感"も、一緒に言葉にしませんか /

withworkでは、求人を紹介するだけでなく、選考フローの事前確認、企業ごとの働き方の実態の確認、オファー後の意思決定の整理まで、キャリアアドバイザーが一人ひとりに伴走しています。

「前の転職で入社後のギャップに苦しんだ」「条件が同じ2社で、最後の決め手が見つからない」——そうお考えのワーキングペアレンツの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事のライター

高野 莉江(たかの りえ)

XTalent株式会社 withwork リクルーティングアドバイザー(RA)。キャリアコンサルタント資格保有。美容機器メーカーでの営業を経て、医療系人材紹介会社で両面型コンサルタント業務・中途採用に従事。IT企業での人事・人材紹介事業の新規立ち上げを経験後、フリーランスとして複数企業の人事支援に携わり、ワーキングペアレンツ向け転職サービス「withwork」を運営するXTalentに参画。現在は企業側の採用交渉や市場データ分析を通じ、ワーキングペアレンツの転職市場のリアルを把握している。自身も1児の母として育児と仕事の両立に奮闘する当事者でもある。実体験に基づく「リアルな両立の視点」と採用市場に関する専門的な知見を掛け合わせ、子育て世代が自分らしく働ける社会の実現を目指し情報発信を行っている。