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転職エージェントに本音を話せない人へ【30代からの転職】

転職エージェントには、本音をどこまで話してよいのでしょうか。紹介された求人に気が進まないのに、せっかく探してくれたからと言い出せない。家庭の事情を伝えると、仕事への意欲まで低く見られそうでためらう。そんな話こそ、相談の中に置いてほしいと私は思っています。

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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」の第402回「『この人に話したい』と思われる存在へ」から、コンサルタントの大木さんが大切にしている相談のあり方を取り上げます。

本音を話せないのは、相談する人だけの問題ではない

本音を話せないという悩みを聞くと、私はむしろ、エージェント側、業界側の責任ではないかと思うんです。仕事への意欲が低いと思われないように、家庭の事情を小さく話す。紹介してもらった手前、違和感を言わずにおく。そんな気遣いをさせているなら、まず私たちの側が考えなければいけない。

私がお話を伺うときも、「こんなことを上原さんにお話しするのは心苦しいのですが」「情けない話なのですが」と、何度も前置きをされることがあります。でも、聞いてみると、私には少しもおかしな話ではないんですよね。ご家庭の事情も、ご自身の正直な気持ちも、これからの仕事を考えるうえで大切な話です。

もちろん、初めて会う相手に何でも話せるとは限りません。まだ自分でも整理がついていないこともある。うまく説明できないからといって、申し訳なく思う必要はありません。

番組の中で大木さんは、ご本人がこぼした言葉を丁寧に拾い、そう思った背景を伺うことを大切にしていると話しています。表に出ている希望だけを聞いても、その人に合う情報を届けられるとは限らないからです。

たとえば「リモートで働きたい」という希望があっても、何に困っているかで確かめるべきことは変わります。毎日の送迎を続けたいのか。通勤時間を減らして、その分を仕事や家族の時間に使いたいのか。これは特定の相談者の話ではなく、希望の背景を考えるための例です。

背景が分かると、求人票にリモートという言葉があるかだけではなく、会議の時間帯や、出社が必要になる場面まで確認したくなります。希望を聞くのは、条件を減らしてもらうためではありません。その条件がなぜ大切なのかを、私たちも理解したいんです。

話したくないことまで、全部話す必要もありません。「ここはまだ整理できていません」「その話は、もう少し後で相談したいです」。そう伝えていただいて構いません。話す範囲やタイミングを、ご本人が選べることも大切だと思います。

求人への違和感を、遠慮して飲み込まない

紹介された会社を断ったら、次を紹介してもらえなくなるのではないか。そう気になると、本当は迷っていても「よさそうですね」と答えてしまうかもしれません。

でも、その返事だけを受け取ると、担当者は似た求人を探し続けることになります。せっかく相談しているのに、自分が考えていることと、届く提案が少しずつ離れていく。それは、お互いにもったいないと思います。

大木さんが番組で話していたのも、ご本人の気持ちを十分に理解できないまま提案しても、満足できる支援にはつながらない、ということでした。私も、よい返事をもらうことより、迷っている理由を知ることを大事にしたいと思っています。

ただ、違和感をすぐに説明するのは難しいですよね。番組の考え方を踏まえると、こんな言い方から始めてもよいのではないでしょうか。以下は発言の引用ではなく、相談するときの文例です。

  • 「仕事内容は気になります。ただ、今の生活の中で続けられるかが不安です。働き方の実態をもう少し知りたいです」
  • 「条件は合っているのですが、仕事に惹かれているかは、まだ分かりません。どこが合いそうだと考えたのか教えてください」
  • 「さっきは前向きにお返事しましたが、考えてみると引っかかることがあります。もう一度相談してもよいですか」

求人だけでなく、面接を受けて感じたことも教えてほしいです。質問への答えが曖昧で不安になった。話を遮られて、聞きたいことを聞けなかった。そうした場合も、「面接の体験がよくなかった」で終わらせず、どのやり取りが気になったかを伝えてもらえると、私たちも確認すべきことを考えられます。これは、フィードバックの伝え方の例です。

それでも話がかみ合わないときは、担当者の変更を相談するのも一つの手です。言われた側としては、もちろん残念な気持ちもあります。でも、モヤモヤを抱えたまま大事な転職活動を進めてほしくはありません。対応できるかはサービスの体制にもよりますが、変更を相談すること自体を遠慮しすぎなくていいと思っています。

途中で考えが変わることもあります。応募先への返事や日程に関わる場合は、早めに相談できるとよいですね。

「何が嫌なのかも、まだ分からない」という状態でも、withworkに登録して相談することはできます。きれいな転職理由を作ってから来ていただく必要はありません。

本音を聞いたうえで、決めるのはご本人

番組では、複数の内定先で迷っている方に対して、求職者を担当するコンサルタントと、それぞれの企業を担当するメンバーが一緒に考えた支援の話も出てきます。どちらを選んでもらうかではなく、ご本人が大切にしていることに向き合い、判断に必要な情報を届けようとした話です。

私も、こうした場面で何を伝えるかに、私たちの支援の姿勢が表れると思っています。

エージェントは、ご本人の代わりに入社して働くことはできません。会社についての情報を集めたり、まだ見えていない可能性を伝えたり、一緒に迷いを整理したりはできる。でも、最後にその会社で働いていくのはご本人です。

だから、本音を聞かせてもらうのは、こちらが望む結論へ導くためではありません。「この点は自分にとって譲れない」「ここは、情報が増えれば考えられそうだ」。そんな違いを一緒に確かめて、納得して選べるようにしたいんです。

また、相談で話すことと、応募先にどんな表現で伝えるかは、分けて考えられます。家庭の事情や働く条件について気になるなら、「この話は、企業にどんな形で共有する予定ですか」と担当者に確認してみてください。事実を隠したり、違う話に置き換えたりするのではなく、必要な条件と仕事への意欲の両方が伝わるように準備するためです。

まだ言葉になっていないことまで、最初から全部説明しなくて大丈夫です。まずは、紹介された求人を見て感じたことから。その小さな反応が、次の提案を考える手がかりになります。


希望はあるけれど、うまく説明できない。今の転職活動では、本当に気にしていることを話せていない。そんな方は、その状態のまま相談してください。仕事への思いも、生活の中で大切にしたいことも、一緒に整理していけたらと思います。

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まだ情報を集めながら考えたい方は、キャラトラやInstagramで引き続きお付き合いいただけたらうれしいです。番組をフォローすると、新しい回も見つけやすくなります。ご自身の活動と重なる話があれば、感想もお寄せください。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。