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ゼネラリストの職務経歴書。経験の伝え方【30代からの転職】

ゼネラリストとしていろいろな仕事をしてきたのに、職務経歴書を書こうとすると、何を強みと呼べばよいか分からない。営業も企画も、新しい部署の立ち上げも経験した。でも、専門性を聞かれると困ってしまう。そんなときは、仕事の種類を増やして説明する前に、なぜ自分がそれを担ったのかを思い出してみてほしいと思います。

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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」の第420回「ゼネラリストの経歴書に足りないのは「背景」と「意思」」の対話をもとに考えます。

やったことは書いてある。でも、その会社で何を担った人なのか

「自分は器用貧乏なんです」「何屋なのか、うまく説明できません」。相談の中で、ご自身の経歴をそんなふうに話される方もいらっしゃいます。いろいろな仕事を担ってきたことが、むしろコンプレックスになっているんですよね。

でも、私はゼネラリストの仕事はとても大事だと思っています。名前の付いていない仕事を引き受けたり、部署をまたいで物事を進めたり。会社に必要だったからこそ、その役割を担ってきたはずです。強みがないのではなく、まだ言葉になっていないだけかもしれません。

ただ、「営業、採用、業務改善を担当」という一覧だけでは、その人がどんな役割を果たしていたのかは伝わりません。だからこそ、業務名の先まで聞きたいんです。

番組でも、担当した業務を時系列に並べるだけでは、その仕事を引き受けることになった背景が伝わりにくい、という話が出てきます。幅広く経験してきたことが悪いのではない。その経験が、会社のどんな課題につながっていたのかを知りたいんですよね。

人が足りなくて、必要な仕事を片っ端から引き受けたのかもしれない。部署の間で誰も持っていない役割に気づき、自分から手を挙げたのかもしれない。同じ業務の一覧でも、その違いによって伝わるものは変わります。

だから私は、「担当しました」の前後に、少し言葉を足してみるとよいと思っています。

当時、会社はどんな状態だったのか。何がうまくいっていなかったのか。自分はそれをどう捉え、何を変えようとしたのか。そして、実際に何が変わったのか。会社全体の説明を長くするのではなく、自分が動いた理由を、相手が想像できるようにすることです。

もともと任された仕事だから、自分の意思なんてなかった。そう感じる方もいるかもしれません。ただ、引き受けた後には、順番を考えたり、周りに協力を頼んだり、やり方を変えたりした場面があるはずです。自分から仕事を取りにいった経歴だけが、語れる経験ではありません。

異動のたびに、経験がゼロになったわけではない

大きな会社で数年おきに部署が変わり、そのたびに違う仕事を覚えてきた方もいると思います。長く一つの領域にいた人と比べると、自分には積み上がったものがないように感じてしまう。

第420回では、そうした異動の経験についても話しています。新しい環境に入るたびに学び直し、その場の課題に向き合ってきたことは、次の仕事でも生かせる力として伝えられるのではないか、という視点です。

ただ、「変化に強いです」と書くだけだと、やはり伝わりません。最初は分からなかった仕事を、どう理解したのか。誰に話を聞き、何を確かめたのか。前の部署でのやり方が通用しなかったとき、何を変えたのか。具体的な仕事に戻ると、自分の動き方が見えてきます。

番組の話をもとに、経歴を振り返るときの問いをまとめました。すべての仕事で埋める必要はありません。まずは、よく覚えている一つからで十分です。

思い出したいこと 自分に聞いてみる問い
その仕事が必要だった背景 当時の会社やチームは、何に困っていたか。
自分が担った範囲 自分で決めたことと、周りに協力してもらったことは何か。
進める途中の判断 なぜその方法を選んだのか。うまくいかずに変えたことはあるか。
仕事の後に残ったもの 何が改善したか。次の仕事でも使った考え方はあるか。

複数の仕事について書いてみると、共通する動き方が見つかることもあります。関係者の認識をそろえるところから始めている。曖昧だった手順を、人が引き継げる形にしている。こうした見方は、経験を整理するための一例です。自分の実際の仕事に当てはまるものだけを拾ってください。

私たちがご経験を伺いながらよく考えるのは、その人を紹介する短い言葉です。「こういう環境で、こういう力を発揮できる人」。いわば、その人の仕事を表すタグラインですね。一般的な職種名にぴったり当てはまらなくても、どんな場面で頼りになる人なのかが伝われば、企業も必要としている役割との接点を考えやすくなります。

ただ、聞こえのよいキャッチコピーを付けたいわけではありません。その言葉を支える仕事の経験があり、どの環境なら生かせそうかまで一緒に考えたい。どんな会社でも同じように評価されるとは限らないからこそ、そこを探すことが大事だと思っています。

自分では普通にやっていたことほど、強みとは思えないものです。withworkに登録して、これまでの仕事を一緒に振り返る中で、「そうか、自分はこういう仕事ができるんだ」と気づいていただけたらうれしいですね。

全部を同じ分量で見せなくていい

幅広い経験があると、どれも削れず、職務経歴書がどんどん長くなることがあります。でも、応募先が知りたいのは、経験の総量だけではありません。今、任せたい仕事に対して、その人が何をできそうかです。

番組の終盤では、強みや応募先に合わせて、取り上げるプロジェクトや説明の分量を変える考え方も紹介されています。経歴そのものを変えるのではなく、詳しく伝える部分を選ぶということです。

たとえば、募集されている役割に近い仕事については、課題や判断まで書く。それ以外は概要を残す。事実を隠したり、経験していない専門性を足したりせずに、読んでほしいところが分かるように整えます。

そのうえで、次の会社ではどんな仕事を担いたいのかも考えたいですね。「何でもできます」は、頼もしい言葉である一方、どこに力を注ぎたいのかが見えにくいこともあります。これまで必要なことを引き受けてきたからこそ、これからは何に挑戦したいのか。家庭と両立する働き方も含めて、その希望まで話してよいと思います。

自分を無理に一つの職種へ押し込めなくていい。ただ、幅広さという言葉の内側にある仕事を、もう少し具体的に伝えたい。「いろいろやってきた」の先に、その人が会社へ提供してきたものがあるはずです。


「器用貧乏だから」と、ご自身の経験を小さくまとめなくて大丈夫です。何を強みとして伝えられるか、どんな環境ならそれを発揮できるか。これまでのお仕事を伺いながら、一緒に考えていきましょう。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。