フリーランスから正社員への転職。年収と働き方【30代からの転職】

フリーランスから正社員への転職を考え始めたとき、気になるのは求人だけではないと思います。自分で選んだ働き方なのに、戻ってよいのだろうか。会社の中で、もう一度やっていけるだろうか。私は、働き方を選び直すことを、以前の選択の失敗と捉えなくてもよいと思っています。
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連載「30代からの転職」は、仕事も家庭も大切にしたい方へ、withwork代表の上原が綴るコラムです。今回は公式ポッドキャスト「キャラトラ」第415・416回の対話をもとに、フリーランスから正社員への転職と、その先の働き方を考えます。
正社員に戻りたい。その先で、どんな仕事がしたいか
働き方を選び直す動きは、ニュースにも表れています。ITmedia ビジネスオンラインの2026年5月11日の報道によると、2024年4〜9月のフリーランスから正社員への転職数は、リクルートエージェントの仲介実績で5年前の2.8倍、dodaでも同期間に2.7倍になったとされています。あくまで各サービスを通じた転職の実績で、日本全体の転職者数や、転職できる確率を示したものではありません。それでも、独立したらずっとフリーランスでいなければならない、という話ではないんですよね。
第415回では、フリーランスを経験したメンバーが、次の仕事や契約の継続を自分で考え続ける大変さを話しています。時間を調整できるよさがある一方、仕事以外の管理も含めて、自分で引き受けることが増える。外から見える自由さだけでは語れない働き方です。
もちろん、その働き方が合っている人もいます。ここで正社員のほうがよいと決めたいわけではありません。ただ、今の生活や、これからやりたい仕事に合わせて、もう一度選び直してよいと思うんです。
次の契約が気になる。家族との時間をもう少し見通せるようにしたい。転職を考えるきっかけとして、そういう思いがあって構いません。
そのうえで、正社員として働くなら何を実現したいのかも考えたいですね。一つの事業に長く関わりたいのか。今の専門性を、より大きな仕事で生かしたいのか。チームで相談しながら、新しい領域にも取り組みたいのか。
第416回でも、働き方を変えようと思ったきっかけと、キャリアで目指したいことを分けて伝える話が出てきます。家庭の事情や不安を、なかったことにするためではありません。その先にどんな仕事をしたいかまで、相手に知ってもらうためです。
面接向けの前向きな言葉を、無理に作る必要はありません。まず自分が本当に考えていることを整理する。その段階から、withworkに登録して、正社員への転職を相談することができます。
フリーランスという肩書きだけでは、仕事は伝わらない
フリーランスの期間は、会社員ではなかった期間です。でも、仕事をしていなかった期間とは違います。誰に、何を提供していたのかを、具体的に伝えたいところです。
番組の後編では、withworkコンサルタントの吉田さんが、自分で仕事を進める力や、プロジェクトを管理してきた経験について話しています。一方で、企業がチームの中でどう働くかを確かめたいと考えることもある、という話もありました。
「自走できます」「協調性があります」だけでは、企業も判断しにくいと思います。依頼を受けた後に、どこまで自分で考えたのか。納期や優先順位がぶつかったとき、どう調整したのか。取引先のメンバーと、何を相談しながら進めたのか。実際の仕事の話があると、入社後の姿を想像してもらいやすくなります。
案件が多い方は、すべてを同じ分量で書かなくてもよいと思います。番組でも、応募する職種に近い代表的な案件を選び、詳しく伝える考え方が紹介されています。
準備するときには、次の項目を一つの案件について書き出してみてください。番組の話をもとにした、整理のための問いです。
| 整理したいこと | 書き出す内容 |
|---|---|
| 依頼の背景 | 相手は何に困り、自分に何を期待していたか。 |
| 自分の担当範囲 | 任された仕事と、自分で提案・判断した部分は何か。 |
| 周りとの進め方 | 誰と協力し、どんな調整をしたか。 |
| 結果と次へのつながり | 何が変わり、その経験を応募先でどう生かせそうか。 |
数字が確認できる成果は具体的に。ただ、取引先名や非公開の実績を、許可なく応募書類へ書かないようにしてください。守秘の範囲を確かめたうえで、説明できる情報を選びます。
話せる成果がないと思っていても、まず担当したことを整理してみる。案件の名前だけを並べたときには見えなかった、自分の貢献が出てくることがあります。
年収と働き方、どこまでなら納得できるか
正社員になれるだろうか、と不安が強くなると、採用されることに意識が向きやすくなります。でも、働き方を選び直すのだから、戻った後の暮らしも考えておきたいですよね。
ここで避けて通れないのが、年収の話です。フリーランスとして受け取っている報酬と、正社員として提示される年収が、折り合わないことはあります。
業務委託では、特定の仕事を任せる対価として単価が決まります。一方、正社員のオファーは、入社後に期待される役割や、その企業の給与体系の中で考えられます。同じ人でも、契約の形や任せたい役割が変われば、提示される金額も変わる。今の報酬をそのまま正社員の年収に置き換えられるとは限りません。もちろん、必ず下がるという意味でもありません。
だから、私は「正社員になれるなら、年収は下がっても仕方がない」と先に諦める必要はないと思っています。まず知りたいのは、自分の経験が応募先でどう評価され、どんな役割なら、どのくらいの年収が提示されそうかということです。求人の年収幅を見るだけでなく、任される仕事とセットで相談してみてください。
そのうえで、自分はどこまでなら納得できるのかを考えます。希望する年収と、家庭の生活を維持するために必要な最低ラインは、分けておきたいですね。収入が変わっても挑戦したい仕事なのか。働く時間や収入の見通しが変わることに、どんな価値を感じるのか。ここは、誰かが代わりに決められることではありません。
比較するときは、フリーランスの年間売上と正社員の額面年収だけを並べないようにしたいところです。今の仕事にかかる経費、実際に手元に残るお金、月ごとの変動も整理する。オファー側も、基本給、賞与の条件、固定残業代の有無と対象時間を確かめます。税金や社会保険を含む手取りは条件で変わるので、単純な換算率では決めず、必要なら専門家に確認してください。
「この金額なら無理なく生活できる」「この仕事なら、ここまでは受け入れられる」。自分の線を持っておくと、内定が出たときに、金額への驚きだけで判断せずに済みます。
リモート勤務が可能と書かれていても、毎日どんな時間に会議があり、どの場面で出社が必要なのかは別の話です。お迎えの時間があるなら、チームの働き方を聞きながら、自分が仕事に取り組める時間と、調整が必要な時間を伝えたい。あとで何とかできるはず、と曖昧にしないでおきたいところです。
今の案件と新しい仕事をどう切り替えるかも、早めに考えておきます。引き継ぎや契約上の約束を確認せず、先に入社日を決めてしまうと、双方に無理が出ます。副業として続けたい案件がある場合も、応募先の規程と現在の契約を確かめることが必要です。
私は、フリーランスで過ごした期間を、正社員に戻るために消すものとは考えていません。その間に分かった得意なことも、苦手だったことも、次の仕事を選ぶ材料になります。
次はどんな仲間と、どんな仕事をしたいか。その働き方を、家庭のある毎日の中で続けられるか。「戻る」という言葉だけに引っ張られず、これからの選択として考えていけたらと思います。
正社員を考えているけれど、自分の経験がどう評価されるか分からない。必要な働き方を保てる会社があるか知りたい。これまでの仕事と、次に大切にしたいことを聞かせてください。まだ転職を決めていない段階から、一緒に考えられます。
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