転職を決める前に
時短勤務からフルタイムへ転職。お迎えの時間は変えられなくても

時短勤務からフルタイムへ転職したい。でも、お迎えの時間を遅くすることはできない。そんなとき、仕事の時間だけでなく、通勤や家族の分担まで見直すと、別の選択肢が見えてくることがあります。一日の使い方を変えるだけでなく、一週間を家族でどう回すか。今回は、そこまで含めて考えてみたいと思います。
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こんにちは。XTalent代表の上原です。今回は、時短勤務を続けるか、フルタイムを目指すかで迷っている方に向けて書いてみます。
給与が下がると、自分まで小さくなったように感じる
時短勤務のご相談では、時間の使い方だけでなく、給与の話も出てきます。働く時間が短くなることは理解していた。でも、実際に給与明細を見て、その下がり方に驚いた。そんなお話です。
なかには、以前に比べて半分近くになった、新卒の頃と変わらない水準になったと感じている方もいらっしゃいます。これは私が相談の中で伺った話で、時短勤務なら一律にそうなるということではありません。基本給だけでなく、固定残業代を含む手当など、何がどう変わったかは会社ごとに確かめる必要があります。
家計への影響も大きいと思います。でも、それだけではないんですよね。これまで経験を積んできたのに、その価値まで下がったように感じてしまう。今も懸命に仕事をしているからこそ、割り切れない気持ちが残る。
私は、勤務時間や給与の変化を、そのまま自分の仕事の価値と結びつけなくていいと思っています。同時に、「そう思わなくていいですよ」と伝えるだけで、現実の悩みが解消するわけではないこともわかります。できることなら、収入も仕事への手応えも取り戻したい。その気持ちを、遠慮せずに出してもらっていいと思うんです。
短くしたいのは、仕事の時間なのか、家を空ける時間なのか
今の会社でフルタイムに戻れない理由を、少し分けて考えてみてください。仕事そのものに使える時間が足りないのか。それとも、通勤と決まった始業・終業時刻の組み合わせが、お迎えに合わないのか。
たとえば、これは実際の相談者の事例ではなく、働く時間を考えるための仮の例です。所定労働時間が8時間の会社で、9時から18時まで、途中に1時間の休憩がある働き方を想像してください。片道1時間の通勤があれば、18時のお迎えには間に合いません。
一方、在宅勤務で8時から17時まで働けて、途中に同じく1時間の休憩を取れるなら、仕事を終えてからお迎えに向かえるかもしれません。短くなったのは仕事の時間ではなく、通勤に使っていた時間です。
もちろん、8時から仕事を始められるかどうかは、朝の送りや家族の分担次第です。在宅勤務中に子どもの世話をしながら働く前提にはできませんし、出社が必要な日もあります。17時以降に会議が続く会社なら、この予定は成り立ちません。
もう一つ、一日だけではなく、一週間で考えてみる方法もあります。たとえば、週に何日かはパートナーがお迎えと夕食を担当する。その日は自分が少し長く働き、別の日は自分がお迎えに行く。毎日、同じ人が同じ時刻に仕事を終えなければいけない、という前提を変えられるかもしれません。
フレックスなら、勤務先が定める清算期間の中で、日ごとの労働時間を調整する考え方があります。清算期間が1か月の会社であれば、その月の総労働時間を満たすように、長く働く日と早く終える日を組み合わせる。ただし、コアタイムや勤務可能な時間帯、休憩、仕事の予定など、その会社のルールに沿った調整が必要です。好きなだけ長時間働いて帳尻を合わせる、という話ではありません。制度の説明:厚生労働省
分担するときは、自分の働く時間だけでなく、パートナーが仕事に集中したい時間も並べてみてください。片方の負担を、もう片方にそのまま移すだけでは長続きしません。お互いの忙しい曜日や会議の予定を見ながら、どこを入れ替えられそうか。転職先の制度を見るのと同じくらい、家庭の中で話しておきたいことだと思います。
それでも、「お迎えがあるから時短しかない」と考えていた方にとっては、確認する価値のある選択肢だと思います。フルリモートでなくても、必要な日のリモートワークやフレックスで生活が回る場合はある。最初から一つの制度名に希望を閉じ込めなくてもいいんですよね。
家のことも、今と同じやり方でなくていい
帰る時間が遅くなると、夕食をちゃんと作れない。それも、フルタイムに戻ることをためらう理由になると思います。でも、そもそも毎日、どこまで料理をする必要があるのでしょうか。
惣菜を買う日を決める。冷凍のおかずを用意しておく。宅配の食事や家事代行を、無理のない予算で使う。料理が好きなら続ければいいし、負担になっているなら、毎晩一から作ることを当然にしなくてもいい。増える収入とサービスにかかる費用、家族が食べられるもの、地域で使える選択肢を並べて考えてみてもいいと思います。
もちろん、外部サービスに費用をかけられる家庭ばかりではありませんし、分担できるパートナーがいるとも限りません。「家族に頼めば解決」と片づけず、使える支援と仕事の条件を、それぞれの事情に合わせて探したいところです。
求人を見る前に、自分の一週間を書き出してみると話が具体的になります。朝は何時から仕事ができるのか。お迎えに出る時刻は何時か。出社日はどうするか。子どもの体調不良のときには、誰と、どこまで分担できるか。
そのうえで、転職先には次のことを確かめたいと思います。
- 希望する始業・終業時刻で、配属先の仕事や会議に対応できるか。
- 出社が必要な頻度や曜日、入社直後の研修期間はどうなっているか。
- 繁忙期を含め、残業はどの程度あり、難しいときにはどう調整するか。
- 提示される給与の内訳は何か。今の給与と同じ基準で比べられているか。
時間のつじつまが合っていても、毎日ぎりぎりでは続きません。夜や早朝に無理をして帳尻を合わせるのではなく、仕事量も含めて続けられるかを考えてほしいと思います。
時短勤務を続けることが、ご自身や家族に合っているなら、それは大切な選択です。フルタイムに戻る人の方が仕事への意欲が高い、ということでもありません。ただ、本当はもっと働きたいのに、今の会社の働き方しか知らないために諦めているのなら、一度、外の選択肢を見てみてもいいのではないでしょうか。
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