転職の企業研究のやり方。何を調べよう?【30代からの転職】

転職の企業研究のやり方は、会社の情報を集めるだけではありません。もちろん、基本的な情報は知っておきたい。ただ、それだけで「この会社で働きたい」と判断できるでしょうか。
withwork公式ポッドキャスト「キャラトラ」の内容をもとに、代表の上原が考えを交えて綴るコラムです。今回は『転職エージェント流の「企業研究」』の回から考えます。
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いいところだけでなく、困っていることを知る
番組では、企業が今どんな課題を抱えているのかを聞く、という話がありました。私は、転職する方にとっても大切な視点だと思います。
会社の魅力を知ることと、自分がそこで役に立てそうかを知ることは、少し違います。事業を伸ばしたいのか、既存の仕事を整理したいのか、チームをつくり直したいのか。採用の背景が見えると、自分の経験とのつながりも考えやすくなります。
たとえば面接では、「今回の採用で、特に解決したい課題は何ですか」「入社後、どのような役割を期待されていますか」と聞いてみる。求人票の言葉を、実際の仕事へ近づける問いになると思います。
自分にもできそうだと思うか。やってみたいと感じるか。経験が足りないところを、どう補えそうか。企業研究は、そんなことを考える時間でもあるんですよね。
30代の転職では、会社を知ることと同時に、自分の経験をその会社にどうつなげるかも考えたいです。事業の説明を詳しくできるのに、自分がそこでどんな仕事をしたいかは話せない。それだと、せっかく調べたことが、判断にも面接にも生きにくくなってしまいます。
例えば、「営業組織を強化する」という募集があったとします。新規のお客さまを増やしたいのか、既存のお客さまとの関係を深めたいのか。メンバーを採用したいのか、今いる人たちの仕事の進め方を変えたいのか。同じ言葉でも、必要な経験は違います。そこを聞く前に、自分は営業経験が長いから合うはず、と決めなくてもよいと思います。
自分の仕事を振り返るときも、所属していた会社の説明だけではなく、自分が何を提供したかを整理しておく。どんな状態を課題だと捉え、その原因をどう考えたのか。どんな人と相談し、何を変えたのか。その結果、会社や顧客に何がもたらされたのか。企業の課題を聞いたあと、その経験が生かせそうかを考えられると、会話が具体的になります。
もちろん、入社前に会社の課題を全部理解することはできません。公開情報だけで「御社の問題はこれです」と断定する必要もありません。「こういう状況なのかなと考えたのですが、実際はいかがでしょうか」と、仮に考えたことを確かめる。相手の説明を聞いて理解を変えられることも、仕事を進めるうえでは大切だと思います。
私は、企業研究の段階で、自分が何を知りたいのかを短く書いておくことも勧めたいです。その事業に関心を持った理由。まだ分からない仕事の中身。働くうえで外せない条件。全部を一度に聞けなくても、重要なものが分かっていれば、面接のたびに少しずつ確かめられます。
逆に、会社の沿革や経営者の経歴を細かく覚えることに時間を使いすぎなくてもいい。忙しい中で準備するなら、まず事業と募集職種を理解し、次に自分の経験との接点を考える。調べれば調べるほど不安になるときには、検索を続けるより、実際に話を聞いてみた方が分かることもあると思います。
口コミを見る場合も、そこに書かれた経験が、いつの、どの部署のものなのかを気にしたいです。気になる内容を見つけたら、それだけで決めるのではなく、現在のチームの運用を聞くための材料にする。よい評判も悪い評判も、自分が入る環境と同じとは限りません。
同じ会社の中でも、上司やチームによって仕事の進め方が違うことはあります。会社全体の情報を読む時間と、自分が配属される場所を知る時間は、どちらも必要だと思います。調べた量を増やすより、入社を判断するうえで大事な点が確かめられたかを、最後に見直してみてください。
公開情報を読んだあとに、確かめたいことがある
番組では、公式サイトや発表資料に加え、社員の発信や動画を見る方法も紹介されています。サービスの説明を動画で見ると、長い文章だけではつかみにくかった事業のイメージが見えてくることもあります。
ただ、楽しそうな写真があるから働きやすい、社長の言葉に共感したから自分に合う、とは言い切れません。外に出ている情報は、会話の入口にしたいですね。
「公開されているインタビューで、この取り組みを拝見しました。今はどんな点に力を入れていますか」。そんな聞き方なら、読んでわかったことと、まだわからないことを自然につなげられます。
働き方についても、「リモートワークができますか」で終わらせない方がよいですよね。制度として使えることと、配属されるチームで自然に使えることは、同じとは限りません。制度があるから大丈夫と考えて入社し、実際には周りが毎日出社していた、というようなミスマッチは避けたいところです。
例えば、「入社したら、最初は皆さんと対面でもコミュニケーションを取りたいと考えています。今のチームでは、どのように出社とリモートを組み合わせていますか」と聞いてみる。そのうえで、「リモートの日は、相談や情報共有をどのようにされていますか」と会話を続ける。制度の可否より、働く場面が見えてくるのではないでしょうか。
仕事量も、平均残業時間だけではつかめないことがあります。どんな時期に忙しくなるのか。急な対応が必要になったら、誰が何を判断するのか。家庭の都合で夕方に仕事を区切る人は、会議や顧客との連絡をどう調整しているのか。自分にとって気になる場面を選び、具体的に聞いてみてください。
一方で、確認事項を一方的に読み上げるだけでは、相手も答えにくいと思います。何を大切にして働きたいのか、どういう貢献をしたいのかを伝えたうえで、その仕事を続けるために知りたいことを聞く。家庭の事情を伏せる必要はありませんが、条件だけでなく、仕事への思いも同じ会話に置いておきたいですね。
最後の判断前には、直属の上司になる方や、一緒に働くメンバーと話す機会を相談する方法もあります。面接がオンラインだけだったなら、オフィスを見学できるか聞いてみる。すべての企業が応じられるとは限りませんが、入社前に確かめたい理由を説明してお願いする価値はあると思います。
そこで得た情報は、会社ごとに同じ項目でメモしておくと比較しやすくなります。仕事の面白さ、期待される役割、チームの進め方、働き方。印象に残った面接官の人柄だけで、他の条件までよく見えることもあるので、聞けた事実と自分の印象は少し分けておきたいです。
調べ尽くせば失敗しない、という約束はできません。それでも、分からないことを分からないままにせず、自分が働く姿まで想像してから選ぶことはできます。企業に評価してもらうためだけではなく、自分が納得して入社するために。そのつもりで企業研究をすると、聞きたいことも変わってくると思います。
働き方の制度も大事ですが、どんな仕事を、どんな人たちと進めるのかを知ることも同じくらい大切です。家庭と両立できることに加えて、自分が力を発揮したいと思える場所なのか。そこまで想像できる企業研究をしていきたいと思います。
気になる求人が、自分の経験や価値観に合うのか。企業を知るところから、一緒に考えます。
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