転職の希望年収の伝え方。遠慮せず話そう【30代からの転職】

転職の希望年収の伝え方に、迷うことはありませんか。高すぎると思われるのも嫌ですし、遠慮して後悔するのも避けたいですよね。私は、希望する金額と、判断するうえで欠かせない条件を、自分の中で分けておくことが大事だと思っています。
withwork公式ポッドキャスト「キャラトラ」の内容をもとに、代表の上原が考えを交えて綴るコラムです。今回は『給与の希望額はどう伝えればいい?』の回から考えます。
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金額だけだと、伝わらないことがある
番組では、希望額の高さだけでなく、その根拠や、どこまでが必須なのかを伝える話が出てきます。採用する企業は、経験や任せたい仕事、期待する役割などを踏まえて条件を考えます。こちらも、その仕事に何を提供できるかを一緒に話したいですね。
一方で、家計を維持するために必要な金額があることも、当然です。子育てや住宅費など、生活を成り立たせる条件を曖昧にしたまま進める必要はありません。
たとえば、「これまでの経験を生かして、こういう役割を担いたいと考えています。年収はこの水準を希望しています。仕事内容も含めて検討したいですが、生活上、ここを下回る場合は難しいです」。そう伝えると、希望が柔軟な部分と、そうではない部分を分けて話せます。譲れない条件があるなら、無理に『相談できます』と言う必要もありません。
相場がわからなければ、求人やエージェントとの会話を通じて確かめるところからでよいと思います。自分だけでちょうどよい額を当てるのは、なかなか難しいものです。
希望年収を考えるとき、まず今の年収に何が含まれているのかを見てみてください。残業が多いことで増えている金額もあれば、業績に応じて変動する賞与もあります。転職後は働く時間を変えたいのに、今の総額だけを基準にすると、何を維持したいのかが曖昧になってしまうことがあります。
例えば、現在は残業代を含めて家計が成り立っている。その場合、残業を減らしたい気持ちと、収入を維持したい気持ちは、どちらも大事です。どちらかを恥ずかしがる必要はありません。次の会社で基本給や賞与がどうなっているのかを確認して、同じ働き方をしなくても必要な収入を得られる可能性があるかを考えたいですね。
ただ、募集されている年収の上限が、そのまま自分への提示額になるわけではありません。求められる経験や役割の違いもあります。上限だけを見て応募し、後から大きく期待がずれるのを避けるためにも、どんな人にどのような役割を期待している募集なのかを聞いておくとよいと思います。
家計の最低条件を整理するときは、できればパートナーとも話しておきたいです。生活費だけでなく、教育費や住居費、これから予定している大きな支出もあるかもしれません。細かな家庭の事情を企業にすべて説明する必要はありませんが、自分たちの中で判断する基準は持っておく。その金額は、誰かとの駆け引きではなく、自分が無理なく選ぶための条件です。
そして、必要な年収と、これまでの経験がどう評価されるかは別の話でもあります。家計にこれだけ必要だから企業が必ず支払える、とは言えません。一方で、自分の経験を控えめに見積もりすぎて、最初から希望を下げてしまう必要もない。今の会社で当たり前にやってきた仕事が、別の会社では求められていることもあります。何を任せてもらえるのかを知りながら、条件をすり合わせたいですね。
数字を決める前に、今回の転職で何を変えたいのかも振り返ってみてください。仕事の範囲を広げたいのか、今の経験を違う事業に生かしたいのか、働く時間の使い方を変えたいのか。その目的が見えると、年収だけで順位をつけるのではなく、仕事内容と条件を一緒に考えられるようになります。
希望額が変わった場合には、その理由も担当者に共有したいですね。仕事の範囲を知って期待が変わったのか、家族と話して必要な条件が分かったのか。最初に言った数字に合わせ続ける必要はありませんが、何も伝えずに最後の段階で条件だけ変わると、相手も調整しにくくなります。
また、他社からの提示額を伝えるなら、実際に提示された条件の範囲で話す。まだ見込んでいるだけの数字を、確定したオファーとして伝えないでください。条件をすり合わせることも、これから一緒に働く相手との信頼をつくる過程です。希望を率直に話すことと、事実を正確に伝えることを、両方大切にしたいです。
年収と、入社後に期待されることを一緒に見る
番組では、提示される年収と、入社後の期待との関係にも触れています。金額が希望に届いていても、求められる役割を十分に理解していなければ、入社してから苦しくなるかもしれません。
今の年収も、基本給、賞与、残業代などの内訳を確認しておきたいところです。同じ年収に見えても、確実に受け取れる部分や、働く時間との関係が違う場合があります。
家計の条件を守りながら、どういう仕事を任されたいかを考える。入社後の評価の時期や仕組みについても確認する。ただし、将来の昇給は約束されたものではないので、『あとで上がるはず』だけを根拠に判断しないようにしましょう。
働き方を整えるなら、年収は必ず下げるしかない。私は、最初からそう決めつけなくてよいと思っています。長時間働く会社が必ず高い年収を提示するわけではありませんし、働く時間が短いから価値を出せないという話でもありません。これまでの経験を、どういう事業や役割で生かすかによって、選択肢は変わります。
例えば、顧客の都合に合わせて遅い時間の対応が重なる仕事から、社内のチームで予定を組みやすい仕事へ移る。そうした変更で、働く時間の使い方が変わる可能性はあります。ただし、自社事業なら必ず残業が少ない、ということでもありません。会社の名前や事業の分類だけではなく、その募集で何を任されるのかを確認する必要があります。
オファーを受け取ったら、年収の数字に加えて、毎月の給与、賞与の扱い、固定残業代の有無や内容なども確認しておきたいです。言葉だけで理解したつもりにならず、条件書で分からない部分を質問する。制度の解釈に不安がある場合は、人事や必要に応じて専門家にも確認してください。
また、入社後の評価を尋ねるときは、「いつ昇給しますか」だけではなく、「どのような成果や行動を期待されていますか」と聞いてみる。高い年収が示されていても、入社後に求められる仕事を自分が担いたいと思えなければ、納得して続けるのは難しいかもしれません。反対に、金額は少し届かなくても、役割や経験に強く魅力を感じることもあると思います。
そのときに、将来の可能性だけで家計の無理を引き受けすぎないでほしいです。「頑張ればすぐ上がる」と言われても、評価や会社の状況は変わり得ます。今の提示条件で生活が成り立つのか、そのうえで何に期待して入社するのかを分ける。期待を持つことと、まだ決まっていない収入を当てにすることは違います。
希望を伝えたあと、企業の返答を聞いて初めて整理できることもあります。届かないなら、他に何を優先できるのか。譲れないなら、その理由を担当者に共有して次の選択肢を探す。交渉をすれば必ず希望に届くわけではありませんが、何も伝えずに受け入れてしまうより、納得できる判断につながると思います。
お金を大切にすることと、仕事を大切にすることは両立します。希望を小さく見せる必要も、駆け引きのために大きく見せる必要もありません。納得して選ぶために、率直に相談していきたいですね。
希望年収と、次に担いたい仕事。どちらも遠慮せず、お聞かせください。
今すぐ転職を考えていない方も、番組では働き方やキャリアについて話しています。
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