子育てと両立する転職、職種を変える前に【30代からの転職】

子育てと両立する転職では、職種を変えるべきか迷うことがあります。今の働き方が限界に近いと、そう考えることもあると思います。でも、その職種の仕事を続けられないのか、今の会社でのやり方が難しいのかは、一度分けて考えてみたいところです。
withwork公式ポッドキャスト「キャラトラ」の内容をもとに、代表の上原が考えを交えて綴るコラムです。今回は『子育てしながらでも働ける職種とは』の回から考えます。
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職種名よりも、変えたいものを具体的に
番組では、営業から事務へ移ろうと考えていた方でも、別の会社で営業を続ける選択肢がある、という話が出てきます。営業という名前が同じでも、扱う商材、顧客、分業の仕方、訪問の頻度などは違いますよね。
今の仕事の何が両立を難しくしているのでしょうか。夜に予定が入りやすいことなのか、急な出張なのか、仕事が一人に集中していることなのか。それによって、探すべき環境は変わってきます。
リモートワークがあっても、仕事量が膨大なら解決しないかもしれません。逆に、出社があっても、時間を調整でき、チームで仕事を分担できれば続けられるかもしれない。制度の名前だけで答えを出さず、実際の一週間を想像してみてほしいと思います。
今の経験を生かせる転職先を探すことも、社内で担当を変えられないかを相談することも、検討する余地があります。
職種を変えたいと思ったきっかけが、働く時間や場所の問題なのか、その仕事自体への違和感なのか。私はここを丁寧に聞きたいです。子育てが始まって続けにくくなったけれど、顧客と話すことや、提案が役に立つ瞬間は今も好き。その場合には、仕事内容まで全部変えることが本当に必要なのか、考える余地があります。
例えば営業職でも、新規のお客さまを開拓する仕事と、既存のお客さまに継続して提案する仕事では、予定の組み方が違うかもしれません。訪問が中心なのか、オンラインでの商談が中心なのか。個人で最初から最後まで担うのか、役割を分けてチームで対応するのか。自分がつらいと感じている部分が、営業全体に共通するとは限らないんですよね。
ただ、職種名を変えれば問題が消えるわけでもありません。カスタマーサクセスなら必ず穏やかに働ける、内勤なら子育てと両立できる、といった理解は慎重にしたいです。顧客の対応時間や責任の範囲、目標の置かれ方は会社ごとに違います。求人票の名前だけで安心せず、実際に何を任されるのかを聞く必要があります。
現在の一週間を振り返ると、変えたい部分を見つけやすくなります。毎日の通勤が難しいのか、月に数回の遅い商談が難しいのか、突然の予定変更が負担なのか。パートナーと分担できる日もあれば、自分が必ずお迎えに行く日もあると思います。「両立しやすい職種」という広い言葉を、自分の暮らしに引き寄せて考えてみてください。
一方で、仕事そのものを変えたい気持ちがあるなら、それも大事にしたいです。今まで好きだった仕事でも、価値観が変わることはあります。子育てがきっかけだから、本当は同じ仕事を続けなければならない、ということでもありません。残したい経験と、もう繰り返したくない働き方を分けてみると、次の選択を考えやすくなると思います。
転職しない方法も含めて、まずは選択肢を並べてみる。同じ職種で会社を変える、社内で役割を変える、近い経験を使える別の職種を探す。いきなり一つに決めるより、それぞれで何が変わり、何が変わらないのかを知る。その順番でもいいのではないでしょうか。
もう一つ、自分が今の仕事の何に喜びを感じていたかも残しておきたいです。お客さまに提案すること、人が育つこと、仕組みを改善すること。その部分まで失うと、働く時間は整っても、仕事に物足りなさを感じるかもしれません。両立できることに加えて、自分が気持ちよく仕事に向き合えるかも考えたいですね。
職種変更をする場合には、最初に担当する仕事だけでなく、その先にどんな経験を積めるかも聞いてみる。ただし、将来の役割は確約と可能性を分けて理解する。その仕事を始める時点でも、自分が納得できるかを大事にしてほしいと思います。
職種を変えるなら、経験を分解してみる
番組では、店舗での仕事を経験したwithworkコンサルタントの吉田智恵さんが、自分の経験を整理し、人材紹介の仕事へつなげた話もしています。人を育てること、個別に話を聞くことなど、職種名の内側にある仕事を見直したんですね。
全く同じ仕事をしたことがなくても、任される課題に生かせる経験はないか。私は、この視点が大事だと思います。人をまとめてきた、顧客の課題を整理してきた、社内の調整を担ってきた。その経験が、次の仕事のどこで役に立つのかを考える。
もちろん、未経験の仕事にそのまま移れるとは限りませんし、必要な専門性もあります。現場にいなければできない仕事など、働き方を変えるのが難しい事情もあると思います。
経験を分解するときは、「営業をしていました」「店舗を運営していました」で止めず、実際の仕事を書き出してみてください。相手の困りごとを聞く、提案をまとめる、社内の人を巻き込む、後輩に仕事を教える。職種の名称に隠れている仕事まで見えると、自分が得意なことも少し具体的になります。
ただ、「人と話すのが得意です」だけだと、別の職種で生かせる理由としてはまだ広いですよね。どんな相手から、何を聞き出し、どんな合意をつくったのか。対立する意見があるときに、どう整理したのか。難しい顧客対応を、どんな仕組みで改善したのか。そうした場面があるなら、経験の中身として伝えられます。
自分では器用貧乏だと思っている方も、仕事を並べてみると、共通した強みが見つかることがあります。関係者が多い場で話を整理できる。曖昧な依頼から、実際に進める仕事を決められる。新しく入った人が力を発揮できるように支えられる。何屋さんかを一言で言えないことと、仕事の力がないことは同じではありません。
もちろん、近い経験があるだけで、未経験の職種に必ず採用されるわけではありません。応募先がどこまで経験を求め、何を入社後に学べると考えているかも大事です。自分ができる部分と、これから身につける必要がある部分を整理し、企業と話してみる。足りないものを隠すより、どこから貢献できそうかを具体的に伝えたいですね。
また、役割を変えるときには、年収や任される範囲が変わることもあります。働き方だけがよくなれば、他は何でもよい、とは考えにくいと思います。自分がやりがいを感じる仕事があるか、必要な収入を維持できそうか、新しい仕事を覚える時間を確保できるか。その点も含めて、持続可能な選択かを見ておきたいです。
子育てと仕事を両立することは、キャリアを小さくすることと同じではありません。ただし、何も変えずに全部を引き受け続けることだけが、キャリアを大切にする方法でもないと思います。経験を残すために環境を変える。新しい経験を積むために役割を変える。そうした選び方を、自分の中で納得できる言葉にしていきましょう。
それでも、『子育てをするなら、これまでの経験は諦めるしかない』と最初から決めなくていい。何を残したいか、何を変えたいか。その整理から、一緒に選択肢を探していきたいと思います。
今の経験を諦める前に、働き方を変える選択肢がないか。一緒に探してみませんか。
今すぐ転職を考えていない方も、番組では働き方やキャリアについて話しています。
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