職務経歴書に昔の実績ばかり書いていませんか【30代からの転職】

職務経歴書を書いてみたら、昔の実績ばかり詳しくなってしまった。最近の仕事も頑張ってきたはずなのに、どうも書くことが見つからない。そんなとき、過去の経験を消す必要はありません。ただ、読んだ人に今の自分が見えるかは、確かめておきたいと思います。
withwork公式ポッドキャスト「キャラトラ」の内容をもとに、代表の上原が考えを交えて綴るコラムです。今回は『直近より昔の輝かしい実績を厚く書いていませんか?人事が本当に見ているポイント【書類選考ぶっちゃけ話】』の回から考えます。
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昔の経験が大切なら、その理由を伝える
番組では、以前の大手企業での仕事が詳しく書かれている一方、その後の経験が薄い書類について話されています。採用する人が知りたいのは、今、その人が何をできるのか。直近の仕事の情報が少ないと、経験のつながりを読み取りにくくなってしまいます。
ただ、古い経験を書くこと自体が問題なのではありません。今回の求人に生かせる経験がそこにあるなら、詳しく説明する意味もあります。大切なのは、なぜその経験を伝えたいのかが、読み手にもわかることです。
大きなプロジェクトの名前だけでなく、どんな課題があり、自分は何を判断し、誰とどのように進めたかを書く。そうすると、規模や企業の知名度を知らない人にも、仕事の中身が届きやすくなります。
昔の実績が大きいと、その話を中心にしたくなるのは自然なことだと思います。自分にとっても手応えがあり、会社から評価された記憶もある。だからこそ、そこを消したら自分を説明できなくなるように感じることもあるかもしれません。でも、昔の実績を残すことと、最近の仕事を薄くすることは、セットにしなくてよいんですよね。
まず考えたいのは、その実績のどこを次の会社に知ってほしいかです。大きな売上に関わったことなのか、難しい組織をまとめたことなのか、新しい事業を始める過程で判断を重ねたことなのか。同じプロジェクトでも、伝えたい経験は違います。名前や規模より、自分が担った仕事を中心に説明したいです。
例えば、大きな案件を成功させた経験があるなら、当時の会社の体制や支援も書いてみる。専門部署があった、上司の支援があった、既存のお客さまとの関係があった。その中で自分が何を考え、誰を動かし、どこに責任を持ったのか。周りの力を正直に説明しても、自分の価値が消えるわけではありません。
むしろ、どんな条件があると力を発揮しやすいかが見えると、次の環境でも経験を生かせそうかを考えやすくなります。同じ規模の案件を任されるのか、人数の少ないチームで幅広く担うのか。環境が変われば、以前と同じ進め方は使えないかもしれません。その違いを踏まえて話せると、単に過去の成功を繰り返す話にはならないと思います。
また、その経験のあとに何が変わったかも大事です。当時は上司に相談していた判断を、今は自分でできるようになった。以前は個人で成果を出していたけれど、最近は後輩が成果を出せるように支えている。その変化をつなげると、十年前の実績が、今の自分につながる経験として読めるようになります。
ここで、すべての仕事に立派な数字をつけようとしなくていいです。確認できない成果を推測して書いたり、チームの実績を自分一人のものとして書いたりするのは避けたい。数字がないなら、何が以前と違う状態になったのか、その変化を具体的に説明することもできます。
書く順番も、年数や派手さだけで決めなくてよいと思います。応募先が必要としている経験に近いものを分かりやすく置き、他の経験とのつながりを補う。読み手が最初に知りたいことと、自分が一番誇りに思っていることが、必ずしも同じとは限らないんですよね。
昔の実績が今の仕事につながっているなら、「その経験で身につけた進め方を、最近はこの仕事でも使っています」と説明することもできます。過去と現在を別々の経歴として並べるのではなく、経験がどう積み重なっているかを見せる。そのつながりがあると、読み手も今の自分を理解しやすくなります。
反対に、以前のやり方が使えず、変えたことがあるなら、それも話せる経験です。成功した方法を持っているだけではなく、状況に合わせて見直せる。その力も、今までの仕事の中から探してみてほしいです。
最近の仕事を、小さく見積もりすぎていないか
昔に比べて派手な仕事がないから、最近の経験は簡単に書いておく。私は、その前にもう一度振り返ってほしいと思います。
目立つ新規事業でなくても、混乱していた業務を整理した、人が変わっても回る仕組みをつくった、顧客との関係を立て直した。そんな仕事はありませんか。会社に何をもたらしたかを整理できれば、伝える材料になります。
全部の業務を同じ長さで書く必要はありません。応募先で生かせそうな経験を選び、状況、自分の役割、取り組み、結果がわかるようにする。過去の実績だけが厚くなっているなら、最近の経験にも同じ問いを向けてみるとよいと思います。
最近の仕事を振り返るときには、「何を担当したか」の次に、「自分がいなければ何が難しかったか」と考えてみる方法があります。これは、自分を不可欠な人として大きく見せるためではありません。いつも自然に引き受けている役割を見つけるためです。
誰かが困ったときに相談に乗る。部署の間で止まっていた話を進める。新人が仕事を覚えるために、説明の順番や資料を整える。そうした仕事は、本人にとっては日常で、実績とは呼びにくいかもしれません。でも、その背景と工夫が見えると、会社が必要としている経験につながることがあります。
上司との評価面談で、最近の仕事のどこが役に立っていたかを聞いてみるのもよいと思います。「この半年の仕事で、どの部分を評価していただいていますか」「自分の強みが出ていた場面はありましたか」。褒めてもらうためだけではなく、自分には見えていない役割を知るために聞く。その言葉を、実際の出来事と照らして振り返ってみてください。
ただ、周囲の評価をそのまま職務経歴書に貼り付けるだけでは、まだ中身が見えません。「調整力を評価された」なら、どの場面の、どんな調整だったのかを書く。自分の言葉と他の人の見方がつながると、読み手にも仕事ぶりが伝わりやすくなります。
育休や部署変更で、以前とは違う役割を担っている方もいると思います。機会が変わっているのに、昔と同じ規模の成果がないから経験がなくなったと捉える必要はありません。一方で、新しい仕事に必要な知識が変わっているなら、その点は確認したいです。以前の経験を大切にすることと、今の仕事の前提を知り直すことは両立します。
文章にすると、どうしても最近の仕事が二行で終わってしまう。その場合には、いったん書類から離れて、誰かに話してみてください。どんな人と仕事をしているか、最近何に困ったか、何を工夫したか。最初から採用に役立つ話だけを選ぼうとせず、仕事の場面から振り返る方が、材料を見つけやすいこともあります。
職務経歴書は、過去の自分を表彰するための書類ではありません。これまでの経験をもとに、これから一緒にどんな仕事ができるかを知ってもらうためのものです。昔の大きな実績に助けてもらいながら、最近の自分の仕事も小さく扱わない。そのつながりを見つけていきたいと思います。
育休や担当変更などで、仕事の機会が変わった方もいるでしょう。それを能力が下がった話にする必要はありません。何を経験し、今後は何を担いたいのか。そこを自分だけで言葉にしづらければ、一緒に整理していきましょう。
書類に書く材料が見つからないときには、これまでの仕事を一緒に振り返るところから始めましょう。
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