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育休が重なった人の職務経歴書。実績をどう書く?【30代からの転職】

育休を何度か取得し、復帰後も仕事の範囲が変わった。職務経歴書を書こうとすると、最近の実績が少ないように感じる。そんなとき、経験がなくなってしまったように思わないでほしいと、私は考えています。

withwork公式ポッドキャスト「キャラトラ」の内容をもとに、代表の上原が考えを交えて綴るコラムです。今回は『複数回の育休取得で中断されたキャリアの立て直し方』の回から考えます。

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休業の前も後も、自分の経験として振り返る

番組では、休業期間の長さだけに目を向けるより、働いていた時期にどんな力を発揮していたかを整理する話が出てきます。休業前の経験であっても、次の仕事に生かせることはあります。

どんな顧客と向き合い、どんな課題を解決してきたのか。数字の実績が残っていなくても、周囲から何を評価されていたかを思い出してみる。復帰後の仕事についても、限られた時間でどう優先順位をつけ、どんな工夫をしたかを振り返ってみる。

育児をしたら誰もが同じ力を身につける、という話ではありません。それぞれの仕事で、実際に何をしてきたかを知ることが大事です。

職務経歴書には、休業していた期間をわかるようにしたうえで、担当した仕事や役割を書いていく。休業期間を隠すために、ずっと同じ業務をしていたように見せる必要はありません。

育休が続いたあとに書類をつくると、仕事をしていた期間より、休んでいた期間に目が向きやすいかもしれません。同期の役職が上がった、周りが新しい案件を担当していた。そうした変化を知ると、自分だけが止まっていたように感じることもあると思います。

でも、休業の前に積んだ経験は、休業したことで消えたわけではありません。顧客の課題を聞いてきたこと、プロジェクトを進めたこと、メンバーの育成に関わったこと。その経験が次の仕事でも使えるのかを、具体的に考えていきたいです。「ブランクがあるので」と説明を終わらせず、働いていた時間の中身も見てほしいと思います。

書類にするときは、仕事をしていた期間、休業していた期間、復帰後の担当を分かるように整理する。期間が複雑なら、まず自分用に時系列を書き出すとよいと思います。長い説明で取り繕うより、読み手が状況を理解し、そのうえで経験を読める形にする。その方が、話を進めやすくなります。

復帰後の仕事が以前より小さくなったと感じる場合も、何を担ったのかは振り返ってみたいです。限られた範囲でも、業務の無駄を見つけて変えた、顧客との関係を維持した、他のメンバーが進めやすいように情報を整えた。そのような仕事があるなら、担当の規模だけで自分の貢献を小さくしなくてよいと思います。

ただ、育児で得た力を何でも仕事の強みに変換しようとしなくてもいい。親になったから必ずマルチタスクが得意になった、とは言えません。仕事の中で実際に行った工夫があるなら、その場面を説明する。家庭での経験と仕事での実績を、無理に同じものにしない方が、言葉に納得できることもあります。

数字が残っていないときも、記憶だけで大きな成果をつくらないようにしたいですね。確認できる範囲で、以前どうだったか、取り組んだあとに何が変わったかを整理する。かつての上司や同僚に、仕事のどこを評価していたかを聞けるなら、振り返る手がかりになるかもしれません。

育休を取ったことで、キャリアへの意欲がなくなったと見られるのは違うと思います。男性育休についてのnoteでも、その思い込みについて書きました。休業の経験と、これから仕事でやっていきたいことを、本人の言葉から知ってほしいです。これは性別にかかわらず、大切な話だと思います。

復帰後の配慮に感謝していることと、今の役割に物足りなさを感じることは、同時にあってよいと思います。お世話になっているから不満を言ってはいけない、と考えすぎなくていい。何が足りないと感じ、次に何をやりたいのかを言葉にすることは、周囲への感謝をなくすことではありません。

その希望を社内で話せるかも考えたいですね。転職だけを答えにせず、今の会社で役割を広げられるのかも知る。そのうえで外の選択肢を見れば、変えたい理由がより具体的になると思います。

これから担いたい仕事へ、経験をつなげる

番組では、育休を経てから次のキャリアを築いていく話もされています。周囲の昇進を見ると焦るかもしれませんが、同じタイミングで同じ役職につくことだけが、キャリアを取り戻す方法ではないと思います。

今後はどんな仕事をしたいか。その仕事に生かせそうな経験は何か。少し間が空いた分、確認したい知識や、慣れていきたい業務はあるか。そうやって次の役割から考えると、書類に残す材料も選びやすくなります。

休業前の仕事ばかりを書いてよいのか迷ったら、なぜその経験を伝えたいのかも添えてみてください。次に任される仕事とのつながりがわかれば、単に昔の実績を並べる書類とは違ってきます。

転職で何を変えたいかを考えるときは、休業前に戻ることだけを目標にしなくてもよいと思います。以前と同じ時間を働けること、同じ役職になること。それが本当に今の自分が望んでいる状態なのかを、もう一度考えてみてください。子どもとの暮らしが変わったように、仕事で大切にしたいことも変わっているかもしれません。

例えば、以前は広く何でも担っていたけれど、これからは特定の専門性を深めたい。あるいは、現場の経験を生かして、チームづくりに関わりたい。その希望があれば、休業前後の仕事をどう説明するかも変わります。書類の材料は、次に担いたい仕事とのつながりから選んでいくことができます。

知識やツールが変わっている分野なら、何を確認しておく必要があるかも整理したいです。全部を一人で学び直してからでないと応募できない、とは限りません。ただ、企業が入社時にどこまで期待しているかは聞いておきたい。すぐに任される仕事と、入社後に慣れていける部分が分かると、自分の準備も考えやすくなります。

働き方の条件も、実際の暮らしから考えます。時短が必要なのか、出社の頻度が変わればフルタイムでも続けられるのか、フレックスで時間を調整できると助かるのか。時短がよくないということではありませんが、制度を一つに決める前に、家族との分担も含めて選択肢を知ってほしいと思います。

パートナーがお迎えを担える日があるのか、繁忙期にはどう支え合えるのか。その相談で、今の自分に可能な働き方が変わることもあります。一方、家庭側だけで無理を引き受ければ解決する、という話にはしたくありません。企業の仕事の量や、チームでの分担も、同時に確かめる必要があります。

面接では、休業の理由を何度も謝るより、経験とこれからの希望を丁寧に伝えたいですね。「休業前にはこの仕事を担当し、復帰後にはこの役割を担ってきました。今後はその経験を生かして、この仕事に取り組みたいと考えています」。そのように、自分の仕事の流れを説明する。実際にできることを大きくも小さくもせず伝えるための話し方です。

周りとの差を一度の転職で全部埋めようとすると、条件や役割を無理に引き受けてしまうこともあります。焦りがあることは否定しなくていいと思います。でも、次の職場で仕事を続け、その先の経験を積めることも大事です。キャリアを取り戻すというより、今の自分から先のキャリアをつくっていく。そのつもりで選べるとよいと思います。

育休を取得したことを、取り繕う必要はありません。家庭を大切にしてきた時間があり、仕事でもこれからやっていきたいことがある。その両方を前提に、自分が力を発揮できる環境を探していきましょう。


休業前後の経験をどう伝えるか、今後どんな仕事を選ぶか。両方を一緒に考えたいと思います。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。