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転職を決める前に

時短勤務で評価が下がるのは仕方ない?目標と成果のすり合わせ方

時短勤務で評価が下がると、働く時間だけでなく、自分の経験まで小さく扱われたように感じるかもしれません。給与の減額、目標の達成度、任される仕事、昇進の機会。ひとまとめに「時短だから」と言われたときこそ、何がどう変わったのかを分けて確かめたいと思います。

こんにちは。withworkを運営するXTalent代表の上原です。キャリアも暮らしも大切にしながら働くために、今の職場で相談できることと、次の環境を選ぶときに確かめたいことを考えます。

給与と評価と、仕事を任される機会を分ける

勤務時間が短くなり、給与の計算が変わった。期初の目標は据え置かれ、達成できなかった。挑戦したかった案件は「子育てが落ち着いてから」と言われた。どれも本人にはつらい出来事ですが、会社に確認する内容はそれぞれ違います。

給与の問題なら、どの項目を、どの規程に基づいて計算したのか。評価の問題なら、合意した目標と実際の成果を、どう比べたのか。機会の問題なら、その仕事に必要な条件は何で、条件を満たすための調整は検討されたのか。最初から全部を「能力を低く見られた」と受け止めると、確かめられることまで見えにくくなります。

もちろん、本人の受け止め方だけの問題でもありません。短時間勤務等の申出や利用を理由とする不利益な取り扱いは禁じられています。一方、現に働かなかった時間の賃金を支払わないことと、制度利用を理由に不利益な評価をすることは区別されます。厚生労働省は、その考え方と具体例を示しています。厚生労働省「不利益取扱いの禁止について」

個々の評価が適切かどうかは、実際の規程や説明、経緯を見て判断する必要があります。説明を受けても疑問が残る場合は、人事や都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などへ相談してください。評価を受け入れるか、転職するかの二択だけではありません。

私がここで考えたいのは、日々の働き方と評価のつながりです。例えば、短時間勤務に合わせて担当案件を減らしたのに、評価では以前と同じ売上総額だけを比べている。反対に、担当は変わらないまま目標だけ減り、仕事の優先順位が曖昧になっている。こうしたずれを、期末に一度話すだけでは解きほぐしにくいのだと思います。

評価面談で、過去の点数と次の目標を別々に話す

評価への違和感を伝えるときは、何に納得できないのかを、具体的な仕事へ戻してみてください。評価シート、期初の目標、役割変更の記録、自分が行った改善など、手元にあるものを使います。すべての頑張りを証明しようとするより、判断が分かれた仕事を一つ取り上げるほうが話しやすいこともあります。

例えば、顧客対応の件数は減った一方、問い合わせの重複を防ぐ仕組みを作り、チームの対応時間を短くした。これは説明用の例ですが、件数だけを見ると見落とされる貢献があります。「改善を頑張りました」ではなく、何を変え、誰の仕事にどんな違いが出たかを、確認できる範囲で残します。分からない効果を数字にする必要はありません。

面談では、過去の評価を確かめる質問と、次の期間を設計する質問を分けると整理できます。

話したいこと 質問の例
今回の評価の根拠 どの目標・行動について、期待と実績に差があったのでしょうか
途中で変わった役割 担当の変更は、評価目標にどう反映されていますか
次の期間の期待 今の勤務時間と担当範囲で、何を達成すれば期待を満たしますか
次に任される機会 希望する仕事を担うために、何を経験し、どんな体制を整える必要がありますか

評価を説明してもらうことと、必ず評価を上げてもらうことは同じではありません。自分が改善すべき点が分かる場合もあります。そのときも、「もっと頑張る」で終わらせず、何を変えれば次の評価につながるかを具体化したいですね。

逆に、説明が勤務時間や家庭の事情の話に戻り続けるなら、その点を記録して、別の相談先にも伝えられるようにします。「出社している時間が短いから仕方がない」と言われたときには、時間の長さがどの評価項目に関わるのかを確認できます。相手の意図を決めつけず、説明された基準と仕事上の事実を並べることが出発点になります。

目標を直すときは、売上や件数だけを勤務時間の割合で換算して終わらせず、達成に必要な条件も見ます。担当顧客の違い、引き継いだ案件の状態、判断できる範囲などです。同じ数字でも前提が違えば、目標の難しさは変わります。比べる基準を上司と確認することで、何に力を使えばよいかも選びやすくなります。

また、チームで出した成果を、すべて自分の実績として話す必要はありません。「全体ではこういう結果になり、そのうち自分はこの判断と調整を担った」と切り分ければ、自分の役割を具体的に示せます。反対に、周囲に助けてもらったからという理由だけで、自分の貢献まで消してしまわなくてよいと思います。

面談で認識がそろった点と、そろわなかった点は分けて残します。説明に納得した項目は次の行動へつなげ、判断が保留になった項目は、誰が何を確認するかを決めます。一度の面談で全部を解決しようとするより、次に話す論点をはっきりさせるほうが、準備もしやすくなります。

次の目標は、本人が一人で考えて提出するだけでは足りません。会社が求める役割、使える時間、任せる仕事、周囲の支援を上司と合わせます。会議の時間が変わった、担当が増えたといった途中の変更も、その都度目標へ戻して確認する。期末までずれを置き去りにしないためです。

「無理をさせたくない」という配慮が、挑戦したい仕事を外す形で現れることもあります。希望をまだ話せていないなら、「負担を減らしたい仕事」と「続けたい・挑戦したい仕事」を別々に伝えてみてください。全部を軽くしてほしいわけではない、という意思が相手に伝わることもあります。

転職先には、制度の利用実績より先に聞きたいことがある

評価の話がかみ合わない状態が続くと、別の会社ならどうだろうと考えるのは自然です。ただ、「時短の社員がいる」「育児中の管理職がいる」という情報だけで、自分も納得できる評価を受けられるとは限りません。職種、部署、役割によって運用が違う可能性があるからです。

確かめたいのは、応募する役割での目標設定です。入社直後は何を期待され、いつ見直すのか。短時間勤務にする場合、担当範囲は誰と相談するのか。成果は数字だけでなく、改善や育成なども対象になるのか。説明できる範囲で、実際の運用を聞いてみましょう。他の社員の個別評価や私生活を尋ねる必要はありません。

将来の役割についても、時間の制約がなくなったら考えるという説明だけなのか、今の働き方で担える役割も検討されるのかを見ます。自分は管理職を続けたいのか、専門性を深めたいのか、いったん仕事の範囲を整えたいのか。望む方向が違えば、必要な環境も変わります。

その際、今の会社への不満だけを並べるより、これまで担ってきた仕事と、これから発揮したい力を一緒に話せると、相手も役割を考えやすくなります。「短い時間でもフルタイム以上の成果を出します」と無理な約束をする必要はありません。どんな条件なら、どんな仕事に責任を持てるかをすり合わせる場です。

時短で働くことを選んだ自分が悪かった、と結論を急がなくてよいと思います。働く時間、家族との暮らし、挑戦したい仕事は、時期によっても変わります。今の希望を言葉にし、会社が示す期待と並べてみる。そのうえで、現職で調整するのか、違う環境を探すのかを考えていけます。

今の仕事で続けたいことと、暮らしのために変えたい条件が整理しきれないときは、withworkでもご相談いただけます。転職を決める前の段階から、一緒に選択肢を考えます。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。