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転職を決める前に

出社回帰で子育てとの両立が難しい。まず職場とすり合わせたいこと

出社回帰で、子育てと仕事の予定が組めなくなった。仕事を続けたい気持ちは変わらないのに、会社へどう話せばよいか分からない。そんなときは「出社できるか、できないか」の返事を急ぐ前に、変更内容と生活への影響をそろえたいと思います。今回は、現職との相談を具体的に進めるための整理です。

こんにちは。withworkを運営するXTalent代表の上原です。キャリアも暮らしも大切にしながら働くために、今の職場で相談できることと、次の環境を選ぶときに確かめたいことを考えます。

会社が決めたことと、周囲の空気を分けて確認する

公式ポッドキャスト「キャラトラ」第413回では、リモート勤務の縮小をきっかけに、今の会社で働き続けるか迷う相談を取り上げています。そこで話しているのは、正式な出社ルールの変更と、出社する人が評価されるのではという空気は、同じではないということです。会社ごとの事情を示す対話であり、すべての職場に当てはまる傾向を調べたものではありません。第413回を聴く

まず、人事の案内や会社からの説明で、対象部署、開始日、必要な出社日数、出社する曜日を確認します。「原則」と書かれているなら、例外の相談窓口や判断の手続きはあるのかも聞けます。上司の意向と全社ルールが違う場合は、どちらが適用されるのかを曖昧にしないことが大切です。

この段階で知りたいのは、会社が何を出社で実現したいのかです。顧客との対面対応なのか、新しいメンバーの育成なのか、チームでの共同作業なのか。目的によって、必要な曜日や時間帯は変わる可能性があります。「コミュニケーションのため」という説明なら、どの仕事で、誰と一緒にいることを求めているのかまで聞いてみます。

納得できない気持ちがあっても、それを消してから相談する必要はありません。ただ、会社の説明を自分の言葉で確認できると、代案も具体的になります。「対面で行うこの仕事には参加したい。一方、今の終業時刻と通勤時間ではお迎えに間に合わない」と、仕事の目的と生活の制約を同じ場に出せます。

入社時の説明や契約と異なると感じる場合は、当時の書面と今回の通知を手元に残しておきましょう。勤務場所の変更の法的な扱いは、契約や事情によって異なります。この記事だけで可否を判断せず、必要に応じて人事や労働相談窓口へ確認してください。

一週間の困りごとを、会社が検討できる代案にする

次に、出社が増えた一週間を描きます。通勤で増える時間、送迎、家族の出社予定、動かせない会議。家事育児のすべてを会社へ開示するためではなく、何曜日の何時に調整が必要なのかを、自分でも把握するためです。

「週3日なら大丈夫」という言い方だけでは足りないこともあります。月水金なら家族と分担できるが、三日続くと難しい。出社日は対応できるが、前日夜に変更されると支援を手配できない。同じ日数でも、曜日の決まり方と予告の早さで暮らしは変わります。

相談のメモは、一枚に収まる程度でよいと思います。次の内容を、自分の仕事に置き換えてみてください。

伝えること 整理の例
続けたい仕事 担当顧客やプロジェクトで、引き続き担いたい役割
変更の影響 出社が増えると、何曜日の何時が成り立たなくなるか
対応できる範囲 対面が必要な業務へ参加できる曜日・時間帯
検討してほしい案 曜日の固定、始業・終業の変更、特定業務の在宅対応など
見直す時期 試行できる期間、確認する業務上の支障、次の面談日

代案は、会社が必ず受け入れるとは限りません。それでも、何を検討してほしいかが分かれば、「家庭の事情がある」という説明だけより話し合う対象がはっきりします。自分の都合だけを通したいのではなく、仕事を続けられる具体的な方法を探していることも伝わります。

会社側から別案が出たときは、その場で受け入れると答えず、一週間へ当てはめて確かめても構いません。たとえば出社日数は減っても、曜日が毎週変われば送迎の分担が組めないことがあります。表面的に希望に近づいたかより、実際の生活が成り立つかで返事を考えます。

条件には、当面だけ対応できるものと、継続できるものがあります。家族の休暇で最初の一週間を乗り切れても、それを通常運用として約束するのは難しいでしょう。「開始直後はこの方法で対応できるが、その後はこの調整が必要」と期間を分けて伝えると、会社側も移行時と継続時を別々に検討できます。

提案が難しいとされたら、どの部分が業務上の制約だったのかを聞いてみます。曜日は動かせないが終業時刻は相談できる、といった余地があるかもしれません。何度もお願いを繰り返すためでなく、残る選択肢を見極めるための確認です。検討できることがないと分かった場合も、外の仕事を探す条件が具体的になります。

試行の結果を見るなら、オンラインでの引継ぎに漏れがなかったか、対面が必要な場に参加できたかなど、仕事上の確認点を決めます。単に「周囲がどう感じたか」だけでは、何を改善すればよいか分かりません。家庭側も、毎回臨時の支援費用がかかる、睡眠が削られるといった負担を見ておきたいですね。

厚生労働省のテレワークガイドラインは、導入・実施にあたって労使で話し合い、ルールを定めることを重視しています。これは個別の在宅希望が必ず認められるという意味ではありませんが、対象業務や運用を具体的に話す際の参考になります。厚生労働省「テレワークガイドライン」

返事を待つ期間にも、判断の準備はできる

相談して「検討します」と言われたら、誰が判断し、いつ頃返答をもらえるのかを確認します。出社開始日や学童の手続きなど、生活側の期限も伝えます。結論を急かすためではなく、返答が間に合わない場合にどう備えるかを考えるためです。

会社からの回答は、決まったことと可能性の話を分けて残したいですね。「来月は週2日でよい」と「落ち着いたら減らせるかもしれない」は、生活を組むうえでは違います。合意した期間、条件、再検討の時期を短く書き、認識が合っているか確認できると、後のすれ違いを減らせます。

調整が難しいと分かったら、すぐ退職を選ぶ必要はありません。今の会社に残りたい理由と、生活を守るために必要な条件を持って、外の働き方を調べることもできます。情報を集めた結果、現職で工夫を続けようと思うこともあれば、別の環境を選びたくなることもあるでしょう。

第413回でも、出社回帰だけで結論を出さず、続けたい仕事や職場の文化と、生活への影響を合わせて考える話をしています。そこから今回伝えたいのは、会社への愛着も、家庭が回らなくなる不安も、どちらも判断材料にしてよいということです。

転職先を見る場合は、出社日数だけでなく、決まり方と変更時の対応を聞いてみてください。部署ごとの運用はあるのか、研修や繁忙期は増えるのか、出社方針を見直す際はどう周知するのか。将来の変更を完全に防ぐことはできませんが、変化をどう話し合う会社かを知る手がかりにはなります。

何より、どんな調整なら生活が続くかを、遠慮して小さく言いすぎないでほしいと思います。受け入れてもらうために実行できない条件を約束すると、入社後や制度変更後に苦しくなります。続けたい仕事を続けるために、必要なことを具体的に話す。その準備から始めてみてください。

今の仕事で続けたいことと、暮らしのために変えたい条件が整理しきれないときは、withworkでもご相談いただけます。転職を決める前の段階から、一緒に選択肢を考えます。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。