転職を決める前に
在宅勤務が認められない。理由を分けて、働き方を相談するには

在宅勤務が認められない。同じ会社で使っている人はいるのに、自分の部署では難しいと言われる。そんなとき、「この会社ではもう無理」と決める前に、何が理由になっているのかを確かめたいと思います。規則、担当業務、部署の運用のどこに条件があるかで、次に相談する内容が変わるからです。
こんにちは。withworkを運営するXTalent代表の上原です。キャリアも暮らしも大切にしながら働くために、今の職場で相談できることと、次の環境を選ぶときに確かめたいことを考えます。
「認められない」の理由は、どこにあるのか
会社に在宅勤務制度がない場合と、制度はあるが対象業務に入っていない場合では、確認先が違います。申請の条件を満たしていないのか、上司が運用上の支障を心配しているのか、期間を限って出社が必要なのか。断られたという結果だけでなく、その根拠を知ることから始めます。
就業規則や在宅勤務規程、社内の案内を確認し、対象者・利用可能日数・申請手続き・承認者を見ます。口頭の説明と規程が違って見えるなら、「この規程の対象になると理解していましたが、私の場合はどの条件が異なりますか」と質問できます。相手の悪意を前提にする必要も、自分が聞き間違えたと決めつける必要もありません。
業務上の理由があるなら、仕事を小さく分けてみます。例えば、現物を扱う作業と資料作成、対面での顧客対応と社内の事務処理は、同じ場所でなければできないとは限りません。一方で、情報管理や機材、他部署との連携に条件があることもあります。自分には見えていない制約がないかを確認します。
厚生労働省のテレワークガイドラインでも、情報セキュリティを理由にすべての業務を一律に対象外とするのでなく、解決方法の検討や業務ごとの判断を行うことが望ましいとされています。会社へ話す際の参考にはなりますが、これだけで自分の希望が必ず通るとは言えません。厚生労働省「テレワークガイドライン」
また、在宅勤務制度のある会社でも、子どもを見ながら通常どおり仕事ができるとは限りません。通勤時間を減らしたいのか、日中に育児の対応が必要なのかは分けて伝えたいところです。後者では中抜けや休暇、保育の手配など、勤務場所以外の調整も必要になるかもしれません。
希望する日数より、どの仕事をどう進めるかを話す
在宅勤務を希望する理由は、率直に伝えてよいと思います。送迎と通勤の時間が合わない、家族の事情で特定曜日の移動を減らしたい。事情を説明したうえで、その日に担当する仕事と連絡方法を具体化すると、会社側も検討しやすくなります。
例えば、「週2日在宅にしたい」という希望を、「資料作成が中心の火曜と、オンライン会議が中心の木曜を在宅にしたい。対面が必要な予定が入る場合の変更方法も相談したい」と言い換えられます。これは説明のための例で、毎回本人が例外へ応じなければならないという意味ではありません。変更できない曜日があるなら、そのことも含めて話します。
上司が心配している点によって、提案も変わります。進捗が分からないことが不安なら、成果物と報告の時刻を合わせる。顧客対応が途切れるなら、連絡先や引継ぎ方法を決める。誰かの出社負担が増えるなら、業務の分担も検討する。頻繁にオンライン表示を確認することを、仕事の把握の代わりにしないほうがよいと思います。
相談の前に、次の四つをメモしておくと整理できます。
- 在宅にすることで解消したい、具体的な時間や場所の制約。
- 在宅で進められる業務と、現場で行う必要がある業務。
- 不在中の連絡、成果物の共有、判断が必要なときの相談方法。
- 試行するとしたら、期間と、運用を見直すための確認点。
自宅で業務を行う準備も、本人だけで決めないようにします。会社が認める端末や接続方法、紙の書類を持ち出せるか、問い合わせ先はどこか。会社の許可がない道具や個人の保存先を使って「できる」と示すのではなく、認められた方法の範囲で何を進められるかを相談します。
そのうえで、在宅日に進める業務を切り出せないかを考えます。一日の中で細かく出社と在宅を切り替えるより、資料作成をまとめる日を作ったほうが、移動も引継ぎも少なく済む場合があります。ただし、業務をまとめることで他の人の期限が遅れるなら、その影響も含めて見直す必要があります。
試行後の確認は、在宅で働いた本人の感想だけにしません。約束した成果物が期日に出たか、連絡が必要な場面で誰かを待たせなかったか、現場の作業が他の人へ偏らなかったかを見ます。課題が出たときも、在宅という働き方全体を判断する前に、連絡方法や分担のどこを直せるかを話し合えます。
一度断られていても、理由が明確なら追加の情報をそろえられることがあります。「新任で仕事に慣れていないから」という説明なら、何をできるようになれば再検討できるのか、いつ確認するのかを聞けます。期限も基準もないまま待つことと、条件を合わせて準備することは違います。
一方、理由の説明が得られない、規程と異なる扱いが続くといった場合は、直属の上司だけに何度も同じお願いをするより、人事など別の窓口へ確認する方法もあります。相談の日時と説明内容を残しておくと、経緯を伝えやすくなります。個別の権利や契約の問題は、必要に応じて専門の相談窓口で確かめてください。
次の会社では、「制度あり」の一歩先を聞く
今の会社で調整が難しく、生活への負担が大きいなら、転職で環境を変えることも選択肢になります。ただ、求人票に「在宅勤務可」とあれば、同じ悩みが起きないとは限りません。誰が、どの部署で、いつから、どの程度使えるかを確認する必要があります。
入社直後だけ出社が多いのか、試用期間中は利用できないのか、部署の承認が必要なのか。こうした条件は、内定後の生活に直接関わります。毎日利用できる前提で応募し、実際は月数回だったという違いを避けるためにも、自分の希望を具体的に伝えて説明を受けます。
面接で「皆さん柔軟に働いています」と言われたら、配属予定チームの通常の一週間を聞いてみてください。出社日は固定か、自分で決めるのか。対面の顧客対応がある日はどうするのか。急な出社の依頼はどのような場面で、どの程度前に分かるのか。例外の扱いまで分かると、自分の生活と重ねやすくなります。
答えがまだ決まっていないなら、未確定なこと自体が判断材料です。採用担当者の説明だけでは分からない部分は、配属予定の上司にも確認してもらい、合意した条件を記録に残します。これは将来ずっと同じ制度が続く保証ではありませんが、入社時点の認識のずれを減らす助けになります。
そして、在宅勤務ができるかと同時に、その会社で何をしたいかも考えたいですね。通勤の負担が減っても、担当したい仕事から大きく離れてしまうと、別の悩みが生まれるかもしれません。これまでの経験を生かせる役割と、生活を続けるための条件を、両方並べて選べます。
「在宅を使いたい」と伝えることを、仕事への意欲が低い説明に変える必要はありません。必要なのは、事情を隠すことではなく、働ける条件と担える仕事を具体的に合わせることです。今の会社で相談する余地を探す場合も、外の選択肢を知る場合も、その整理から始められます。
今の仕事で続けたいことと、暮らしのために変えたい条件が整理しきれないときは、withworkでもご相談いただけます。転職を決める前の段階から、一緒に選択肢を考えます。
まだ転職を決めていない方は、公式ポッドキャスト「キャラトラ」やInstagram(@withwork_official)もご覧ください。
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