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転職を決める前に

リモートワークで評価されないと感じたら。成果と期待をそろえる

リモートワークでは評価されないのではないか。出社する同僚が次の案件を任されるのを見て、そんな不安が浮かぶことがあります。成果の伝え方を工夫する余地と、会社が評価の仕方を見直す必要は、分けて考えたいものです。自分の働き方を変える前に、何が評価につながっているのかを確かめてみませんか。

こんにちは。withworkを運営するXTalent代表の上原です。キャリアも暮らしも大切にしながら働くために、今の職場で相談できることと、次の環境を選ぶときに確かめたいことを考えます。

出社する空気と、実際の評価結果を分けてみる

公式ポッドキャスト「キャラトラ」第413回では、制度上はリモートで働けても、出社しないと評価に響くのではと感じる声を取り上げています。正式に制度が変わる場合とは別に、周囲の空気によって出社せざるを得ないと感じる問題です。番組で紹介した相談や見解であり、リモート勤務が評価を下げるという因果関係を示す調査ではありません。第413回を聴く

その空気が気になると、上司の一言や同僚の昇進がすべて勤務場所と結びついて見えることがあります。まずは、実際に説明された評価と、自分が推測していることを分けてみてください。何も問題がないと思い直すためではなく、会社へ確かめたいことを明確にするためです。

例えば、「出社が少ないから評価を上げられない」と説明されたのか。「チームへの貢献が見えない」と言われ、勤務場所が原因だと感じているのか。あるいは、評価はまだ出ていないが、大事な仕事が出社した人だけに回っているのか。それぞれ確認したい点が違います。

厚生労働省のテレワークガイドラインは、オフィスに出勤していることを理由に高く評価することなどは、適切な人事評価とはいえないとしています。時間外のメール等に対応しないことを理由とする不利益な評価についても同様に示しています。厚生労働省「テレワークガイドラインの概要」

ただし、評価の低さがすべて勤務場所のせいだと決めることもできません。担当した役割、目標、仕事の品質、チームとの連携について、何を期待されていたかを確認する必要があります。納得できない点があるなら、その項目を具体的に話すことから始められます。

成果の記録を、働いている証明のためだけに増やさない

リモートでの仕事は、上司と偶然話す機会が少ない分、意図して情報を渡す必要がある場面があります。ただ、日報を長くすることや、いつでも返信することが、そのまま評価を改善するとは限りません。仕事のための共有と、監視に応えるための報告を混同しないようにしたいですね。

残したいのは、仕事の目的、自分が行った判断、その結果、次に相談したいことです。売上などの数字がなくても、提案が採用された、判断の手順を整理した、引継ぎの抜けを減らしたといった変化はあります。確認できない効果を大きな数字にするのではなく、成果物や関係者の反応と合わせて説明します。

例えば、毎週「資料を作りました」と送る代わりに、「顧客が比較できていなかった条件を整理し、次の打ち合わせで判断する項目を合わせました。残る論点は価格です」と共有する。これは編集上の例ですが、作業した時間より、仕事がどう前へ進んだかが伝わります。

そのうえで、上司に「この役割で期待される貢献として、どの点が足りていないでしょうか」と聞いてみます。必要な情報が伝わっていなかったと分かれば、共有方法を合わせられます。逆に、情報を渡しても出社の話ばかりに戻るなら、本人の発信量だけでは解消しない課題があるかもしれません。

気になる場面 確かめたいこと
評価面談で仕事の内容が話題にならない どの成果・行動が評価の根拠になっているか
会議の後、出社した人だけで話が決まる 決定事項をどこへ残し、不参加者へどう共有するか
新しい案件の機会が回ってこない 担当者を決める条件と、希望を伝える機会は何か
夜の返信が暗黙に期待される 勤務時間外の連絡と、緊急時対応のルールは何か

共有方法は、上司が判断に使える形かどうかも確かめます。資料を送り続けていても、確認する場が決まっていなければ、評価面談の時期まで読まれないかもしれません。定例の面談で扱うのか、既存の目標管理シートへ残すのか。新しい報告を増やす前に、今ある記録の置き場所と使い方を合わせます。

チームの成果については、自分が担当した部分と、協力してもらった部分を示します。共同作業を全部自分の実績にする必要はありませんし、周囲の支援があったことで自分の貢献がなくなるわけでもありません。誰が何を判断し、どの工程を進めたかが分かれば、上司も仕事の内容を確認しやすくなります。

もし面談で「もっと積極的に」と言われたら、期待される行動を具体化してもらいます。会議で提案することなのか、他部署への相談なのか、問題の早期共有なのか。同じ言葉でも求められるものは違います。行動を変えた後は、次の面談で期待に近づいたかを確かめ、曖昧な要求に応え続ける状態を避けたいですね。

評価の材料を集める仕組みは、働く本人だけの責任ではありません。仕事を任せる側も、何を期待し、どのように確認するかを示す必要があります。本人の報告を増やすだけでなく、チーム全体の共有方法や面談の進め方まで相談できると、負担を一人へ寄せずに済みます。

また、職場で対応する人に仕事が偏っていないかも見ておきたい点です。郵便物や対面の急な依頼など、出社した人が引き受けている仕事があるなら、その担当も明確にする。勤務場所で人を比べるより、実際に担っている仕事を見えるようにするほうが、双方が話しやすくなります。

出社日数を増やす前に、望む役割を考える

評価への不安を解消するために、出社を増やそうと考えることもあるでしょう。対面で仕事を進める価値があり、生活も成り立つなら、自分で選べる働き方の一つです。ただ、評価されるためだけに家族との予定や休息を崩し続けるなら、その代償も見ておきたいと思います。

本当は何を求めているのかを言葉にしてみてください。昇進したいのか、専門性を生かせる案件を任されたいのか、今の貢献を適切に評価してほしいのか。それぞれ、会社に確認したい役割や機会は違います。「出社すれば何とかなる」という期待だけでは、自分が望む変化につながらないかもしれません。

転職を考える場合も、リモートの日数と評価の運用は両方見ます。目標は誰と決め、途中で役割が変わったらどう見直すのか。仕事の進み方は何を使って共有するのか。新しい案件や昇進の機会は、どんな基準で決まるのか。制度名が並んでいるだけでは分からないことです。

「リモートの人も昇進していますか」と質問することもできますが、個別事例が一つあるだけで安心と決めないほうがよいと思います。自分の配属先や役割にも同じ考え方が適用されるのか、上司がどのように説明するのかまで確かめます。他の社員の評価内容や家庭事情を詳しく聞く必要はありません。

今の職場で仕事の共有を見直すことと、外の選択肢を知ることは、同時に進められます。自分の成果を説明する準備は、現職の評価面談にも、転職先との対話にも使えます。目の前の空気に合わせ続けるだけでなく、どんな仕事を、どんな基準のもとで担いたいか。その希望を起点に、次の働き方を考えていきたいと思います。

今の仕事で続けたいことと、暮らしのために変えたい条件が整理しきれないときは、withworkでもご相談いただけます。転職を決める前の段階から、一緒に選択肢を考えます。

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この記事のライター

上原 達也(うえはら たつや)

XTalent株式会社 代表取締役

XTalent株式会社 代表取締役。大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。「キャリアとライフをトレードオフにしない」という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。