2024.8.26

スタートアップは後悔する?転職者が感じたメリットと魅力、転職を成功させるポイント

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転職先を検討する際、どんなことを重視して選びますか?
給与、社風、福利厚生や働き方…。
様々な側面から考慮する必要がありますね。
とりわけ会社の規模や事業の成長性で比較した場合、大企業にはないスピード感ややりがいに魅力を感じ、スタートアップ企業への転職を考える方もいらっしゃるかと思います。

ですが、スタートアップ企業で働くというのがどういうことなのか、経験がないとなかなか実態がわかりにくいのも事実。
そこで今回は、スタートアップ企業への転職に興味がある方へ向けて、スタートアップ企業で働く魅力や考慮すべき点をお伝えします。

スタートアップ企業とは

もはや馴染みある言葉となった「スタートアップ企業」という言い回しですが、そもそもどういう企業のことを指すのでしょうか。

 ベンチャー企業との違い

創業間もない会社のことを、ベンチャー企業と呼ぶこともありますよね。
両社の違いは何なのでしょうか。
経済産業省がまとめた報告書
では、ベンチャー企業とスタートアップ企業を以下のように定義しています。

<ベンチャー企業>

一般的には、大企業の枠組みでは取り組みにくい独自の技術や新しいアイデアを実践し、成長している企業のことを指す。比較的歴史が浅い企業について使われる場面が多い。

<スタートアップ企業>

新しいビジネスモデルを考えて、新たな市場を開拓し、社会に新しい価値を提供したり、社会に貢献することによって事業の価値を短期間で飛躍的に高め、株式上場や事業売却を目指す企業や組織のことを指す。

つまり、スタートアップ企業の最大の特徴はイノベーションを通じて社会に変革をもたらし、短期成長を目指す経営スタイルです。
世の中にない革新的なビジネスを展開するため、設立から数年は利益が出ず赤字が続くこともあります。
しかし、ひとたびサービスやプロダクトが完成し世の中にイノベーションを起こすことができれば、市場の拡大とともに事業が急成長していきます。
この利益の伸びをグラフに示すと「J」の字に見えることから、スタートアップ企業はJカーブの成長曲線を描く、と言われています。

スタートアップ企業はベンチャー企業の一部であり、イノベーションや企業成長の面で大きな特徴のある企業であると言えます。

スタートアップで働く理由は?

特徴的な企業スタイルのスタートアップ。
どんな部分に魅力を感じて転職する人が多いのでしょうか?
実際にスタートアップ企業へ転職した方々に教えてもらいました。

若いうちから責任あるポジションに挑戦できる

大企業から転職しました。大企業の頃とは全然違う少人数のチームでやっています。年齢に関わらず責任ある仕事をやらせてもらうことができ、若いうちから色々な経験ができるのが何より刺激になりますね。それを期待して転職したので満足しています。(30代、医療系スタートアップ企業勤務)

経営者の近くで経験を積むことができる

小さな組織なので経営層とも密に向き合うことができます。近い距離で優秀な経営者の仕事ぶりを目の当たりにできるだけでも刺激になりますが、それだけでなく将来設計やキャリア形成についても代表自ら時間を作って相談に乗ってくれ、考え方がとても勉強になります。(20代、IT系スタートアップ企業勤務)

スピード感のある職場で働ける

意思決定のスピードがとにかく早いです。アイデアに対し、社員たちの熱が冷めないうちに方向性が決まるので業務もどんどん進み、更にスピード感が増していく感じがします。前の会社では事前の根回しや準備が必要で、自分はそれが苦手だったので、今の職場は合ってると思いますね。(30代、IT系スタートアップ企業勤務)

他にも「将来的に企業したいので経営を間近で見れるのが魅力」「体制を整えていく業務が好きなので、企業のフェーズがどんどん変わるスタートアップはやりがいしかない」といった意見がありました。
他の規模の会社にはないスピード感と、その経営に携わる経営者の仕事ぶりを身近に見れる職場環境におもしろさを感じる方が多いようです。

スタートアップ企業に転職するメリット

転職経験者の話からも、スタートアップ企業では仕事へのやりがいを実感している人が多いことがよくわかります。
スタートアップ企業で働くメリットには具体的にどのようなことがあるのでしょうか。

担当できる仕事の範囲が広く、成長を実感できる

少ない人数で仕事を回す企業が多いため、一人ひとりが大きな裁量を持ちながら業務を担当していきます。
「自分が会社を支えている」と本気で実感できることにやりがいを感じ、キャリアアップしているという実感を持ちながら働くことができるでしょう。

働き方の自由度が高い

成果が出せるならば働き方は問わないという企業も多く、働き方の自由度が高いのもスタートアップ企業に勤めるメリットと言えるでしょう。
制度がなかったとしても、従業員の申し出に応じて即座に制度を整える柔軟性があるのもスタートアップならではです。

 早期の昇格・昇給が狙える

大きな組織では昇格のルートが見えているため、一歩ずつ出世していくことにもどかしさを感じることもあると思います。
また上が詰まっているため昇格しづらいということもあるでしょう。
年齢や経歴に関わらず実力で評価してもらいたいと思えるならば大きなメリットとなります。

ストックオプションを与えられる可能性がある

ストックオプションとは、あらかじめ決めておいた価格で従業員が株を取得できる権利のこと。
株価があがったタイミングでこの権利を行使して株を取得し、時価で売却することで差分を利益として得ることができる報酬制度です。
ストックオプションが導入されている企業であれば大きな利益を獲得できる可能性があります。

急成長する企業でその躍進への一翼を担うことで、やりがいやキャリアアップにつながるだけでなく大きな利益を獲得できる可能性も。
そこがスタートアップ企業で働くメリットと言えるでしょう。

スタートアップ企業に転職するリスク

柔軟でクリエイティブな環境で力を発揮することができる一方で、当然ながら注意が必要となるデメリットも存在します。
転職を検討する場合にはリスクも考慮しておきましょう。

 経営に関するあらゆる資源が不足気味である

会社運営にはヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源が必要ですが、スタートアップ企業ではこれらのすべてが不足気味。
それ故に事業がうまくいかないと撤退したり大幅な方針転換が起こることもありえます。

 年収が下がる可能性がある

事業が軌道に乗るまでは利益が出ないのがスタートアップ企業の特徴です。
そのため、転職により給与が下がるということも大いにあり得るでしょう。
急成長し会社が利益が出せるようになれば昇給もありますが、確約はありません。

福利厚生が充実していない

まずは本業を順調に進めていくことに注力するため、労働環境を整えるのは二の次になりがちです。
福利厚生についても大企業のように十分に揃っていないこともありえます。
必要な制度は自分で作っていく、という心意気がないと不満がたまるばかりかもしれません。

制度や資源の不十分さから、経営状態や労働環境が不安定になるのが最大のデメリットです。
そのリスクを飲めない場合、スタートアップ企業で働くのは苦しいことばかりかもしれません。

スタートアップに向いている人は?

刺激的でチャレンジングな環境である一方、不確実性とも隣り合わせであるスタートアップ企業。
そんな企業で働くことに向いているのはどのような人でしょうか。

変化に強い人

スピード感のある企業文化のため、瞬時の変化が頻繁に発生します。
短期間で方針転換することも少なくなく、変化が起きることが日常です。
その時々の状況に応じて柔軟性高く、変化を楽しめるタイプであればスタートアップ企業の文化とは合う可能性が高いでしょう。

自分から行動を起こせる人

社会にイノベーションを起こすことを命題としているのがスタートアップ企業ですので、自ら考えて行動したり、新しいアイデアや突飛な発想に抵抗のない人の方が風土には合いやすいと言えます。
制度がないなら自分で作る、といった姿勢も大切になってくるでしょう。

不透明な環境を楽しめる人

利益が出るまでは不安定な経営状態、また急成長すると今度は一気にリソース不足に陥るなど、何かと先が読めない状況が続きがち。
どんな状況でも不安に思いすぎず、「なんとかなる」と思える精神性や解決のためにポジティブに思考できる人は向いていると言えます。

完璧とは言えない環境の中で、変化を恐れず事業達成のために前向きに行動することを厭わないタイプの人はスタートアップ企業に向いていると言えそうです。
もちろん、チームで働く以上、違う性質を持った人同士で助け合うことも大切。
違う特徴を持っていてももちろん合う可能性もありますので、それだけを理由に諦めることはありません。

スタートアップに向いていない可能性がある人の特徴

どんな企業でも合う・合わないはあって当然。
では特にスタートアップ企業への転職がミスマッチになる可能性があるのは、どのような人でしょうか。

安定を求めるタイプ

特に事業が軌道に乗り急成長する前の段階では、経営も仕事内容も不確実性が高く決して安定しているとは言い難いのがスタートアップ企業です。
収支報告で赤字が続くだけでなく赤字幅が増えていく様子を間近で見る、なんてことにもなりかねません。

慎重すぎる

スタートアップ企業では、時にリスクを取ってでも挑戦し事業を進めていかなければならないこともあります。
新しいアイデアや変化への対応に苦手意識のある方にとっては、ストレスの多い働き方になってしまうかもしれません。

秩序を重んじるタイプ

プロセスやマニュアルの整備が追いついていないため、その場その場での対応になりがち。
それ故に裁量や自由度高く臨機応変に仕事を進められるとも言えますが、手順や書類の様式が決まっていないとやりづらいと感じる方には合わないかもしれません。

働き方の自由度や大きなリターンと引き換えに、不安定さやカオスな仕事の進め方を許容する必要があります。
合わない場合は苦痛を強いられた働き方になってしまう可能性が高いので、しっかりと検討しておきましょう。

スタートアップ転職を成功させるためのポイント

転職によって後悔しないためには、理想と現実のギャップを少なくしておくことが大切です。
スタートアップ企業への転職を決める前に、押さえておきたいポイントはどのようなことでしょうか。

社風がマッチするかチェックする

まずは自分自身の性格や価値観が社風と合うかどうかをしっかり見極めましょう。
ホームページを見るだけでもその企業の特徴が大きく現れるため、自分の目で確認することでわかることもたくさんあるでしょう。
特に創業メンバーの意向ややり方は経営に大きく関与するため、創業メンバーについても調べておくと実情を掴みやすいです。

転職市場に詳しいプロの力を借りる

企業の数は本当に多いので、自分に合った会社を見つけることはなかなか難しかったりもしますよね。
また、スタートアップへの転職検討者からよく聞く悩みとして、「スタートアップで働くことに興味はあるけど、多忙で私生活との両立が困難なイメージがある」といったものがあります。

そういった時は、企業の内部事情や転職市場に精通した転職エージェントに相談するのも1つの手です。
たとえば、「キャリアとライフをトレードオフにしない」をコンセプトに、ワーキングペアレンツの転職支援に特化したwithworkでは、時間に制約がある方でも働いやすい制度(リモートワークやフレックス制度等)を積極的に導入した企業の求人を厳選してご紹介しています。
フレキシブルな働き方が可能なスタートアップ企業の求人も多く扱っていますので、キャリアや転職で悩んでいる場合はぜひwithworkを活用してみてくださいね。

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社員に直接話を聞く

カジュアル面談や創業メンバーとのランチを申し込むことができる企業も多くあります。
ミスマッチは互いにとって不幸になるため、興味をもった企業があれば一度直接話を聞いてみましょう。
可能であれば同じような経歴のある社員やライフステージの近い社員にも話を聞けないか交渉してみるのも、とても役に立つでしょう。

転職したい理由を明確にする

どのような規模の会社に転職するとしても、なぜ転職を思い立ったのか、その理由としっかり向き合い言語化できるようにしておくようにしましょう。
自分の中でそこが明確になっていないと、同じ理由で転職を繰り返すことになりかねません。
 

キャリアプランを立てる

スタートアップ企業では研修や教育制度が整っておらず、大企業のようにキャリアパスを設計してくれることもありません。
そのため、自分自身でキャリアプランを立ててやりたいことを明確にしていく必要があります。
業務に追われてなんとなく時が過ぎる前に、転職を考えた時点で考えておくといいでしょう。

自分から主体性を持って調査したりプランを立てる姿勢が重要になってくると言えます。
また、スタートアップ企業と言っても会社によってその特徴は違うもの。一社だけでなく複数の企業を例にとって深掘りすることで、より自分の求めるものが明確になっていくでしょう。

まとめ

チャレンジングな環境で、スキルアップや多様な経験の機会が望めるスタートアップ企業。
一方で混沌とした状況でもストレスを感じずに立ち回れる資質を持っていないとミスマッチになってしまう可能性もあります。
後悔のない転職にするため情報収集をしっかり行い、自分自身の性格やスキルと企業との適合性を鑑みて決断しましょう。
キャリアの選択肢は無限にあります。
志を高く持ちキャリアを切り開いていきましょう!

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監修 / 上原 達也

大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。“キャリアとライフをトレードオフにしない”という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。

ライター / 高野 萌乃

ライター・編集として雑誌やweb媒体にて活動。ライフステージの変化とともに働き方を模索しながら、自分らしい生き方を研究しています。withwork magazineでは立ち上げ当初よりライターとして参画中。

この記事の監修者
上原 達也

大学卒業後、株式会社SpeeeにてWebマーケティング・人事などを経て社長室に所属、新規事業や海外法人の設立に従事。その後JapanTaxi株式会社に入社し、事業開発を担当。2019年7月に「フェアな労働市場をつくる」をミッションにXTalent株式会社を設立、代表取締役に就任。“キャリアとライフをトレードオフにしない”という想いからwithworkを立ち上げる。共働きで、2児の育児中(料理担当)。

この記事のライター
高野 萌乃

ライター・編集として雑誌やweb媒体にて活動。ライフステージの変化とともに働き方を模索しながら、自分らしい生き方を研究しています。withwork magazineでは立ち上げ当初よりライターとして参画中。