2024.10.22

40代の転職は難しい?つまずく原因と成功のポイント、転職成功事例

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#転職事例
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かつて「35歳転職限界説」という噂があったためか、「40歳を過ぎての転職は難しいのでは?」と不安に感じる方も少なくありません。
実際に、ワーキングペアレンツ向けハイクラス転職サービス『withwork』でも、登録時にそうした不安のお声をいただくことがあります。
しかし、40代のユーザーさんで満足度の高い転職を実現される方は多くいらっしゃいます。

40代での転職は本当に厳しいのか?

令和元年の厚生労働省の調査によると、転職希望者の中で実際に転職した人の割合は、20代後半では50.3%、30代では41.9%ですが、40代で転職した人の割合は36%程度です。
この数値を見ると、確かに40代の転職は20〜30代に比べると厳しいといえるかもしれません。

一方で、令和2年の厚生労働省の調査では、転職したことにより年収が下がったかというと、20代や30代と比べてもそこまで差がないことが分かっています。
つまり、40代の転職自体は確かに厳しくはなる傾向にはありますが、成功している人の多くは年収を下げることなく転職できていることが伺えます。

40代での転職が厳しいと言われる理由

一般的に「厳しい」と言われてしまう理由を3つほどご紹介します。

ポテンシャルよりも経験のウェイトが増える

40代では、これまでの職務経験や積み重ねてきたスキル、実績、専門性がより重視されます。
20〜30代と比較しても、さらに即戦力として具体的な成果を示すことができるかをシビアな目でみられます。

年齢相応の経験を積んでいるかをみられる

40代の場合、年収も上がっているので、企業側に「育成コストがかかりそう」と判断されると、採用を見送られたり、同じスキル・経験であれば若手の方を採用したいといった心理が働きます。

また、「スキルマッチしているし良い経験を積んでいるけど、それでも社内の経験豊富な同年代のメンバーと比較すると物足りない」「彼らと同じくらいの年収は出せない」と判断された場合も、採用を躊躇されます。
入社後の本人の働くモチベーションにも関わるので、企業側から「採用するメリットよりも、リスクのほうが大きいのでは?」と思われてしまうからです。

40代の転職でつまずいてしまう原因

よくあるつまずきやすいポイントをご紹介します。

企業が求める人材像を理解できておらず、アピールポイントにズレがある

どの年代の転職活動においても言えることですが、応募先の求人票から、企業が求める人材像を正確に理解することが大切です。
例えば、企業が新規事業の立ち上げを担当できるリーダーシップを持つ人材を求めているのに、全然関係のない営業成績についてアピールしていたら、ミスマッチと判断されて不採用になる可能性が高まりますよね。
本当は実力を発揮できるスキルを持っているのに、企業側の希望するところを見極めきれないと、転職活動は難航してしまいます。

職務経歴書の書き方に問題がある

社会人歴が長い分、様々な職種や仕事内容をご経験された方も多い年代のため、職務経歴書も長くなりやすい傾向にあります。
あまりに詳細すぎる内容や大切なポイントが伝わりにくい書き方の場合、採用担当者にとって読むことが大きな負担となります。
応募者数が多い場合、どうしても採用側の一人の候補者にかける時間は少なくなってしまいます。
そのような中、
どこをアピールポイントとして伝えたいのかが分かりにくい職務経歴書だと、それだけで面接に進めないといったことも起こりえます。

手間はかかりますが、職務経歴書の最もオススメの書き方は、応募先の企業によって書き分けることです。
採用担当者の読みやすさを意識しつつ、応募先で活かせる実績やスキルはしっかりと記載し、あまり関係のない経歴については最低限にとどめるなど、早めに即戦力として活躍できるイメージを持ってもらうことが大事です。

自分の経験やスキルを過信しすぎる

40代だと役職に就き部下を持っていた方も多く、また、これまでの実績やスキルに自信を持っている方もいらっしゃるでしょう。
そのこと自体は決して悪いことではないのですが、面接で謙虚さに欠けた発言や態度などネガティブな形で現れてしまうと、入社後の同僚たちとのコミュニケーションを危惧され、お見送りになるケースもあります。

年収が折り合わない

本人が希望する年収と企業側が提示する年収の折り合いがつかずに、苦戦するケースも見受けられます。
40代の方の場合、ご家庭をお持ちの方も多いため、年収を簡単には下げたくないと思う方もいらっしゃるでしょう。
ご本人だけでなく、ご家族から反対をされることもあります。

40代の転職で求められるスキル・経験

いくつか具体例を挙げて紹介します。

スキルの深さ

応募条件に合致するスキルがあったとしても、そのスキルが浅い場合は、採用になりにくい傾向があります。
例えば、これまでの業務経験が事務、営業、バックオフィスと様々な職種を経験していた場合、営業の求人に応募しようと思っても、営業の経験年数自体が短い場合は難しくなります。
また、応募職種に関する経験が、数年前のものだったりすると、ブランク期間を懸念されることもあります。

業界の知見

業界の知見が豊富であることも、即戦力として活躍してくれるイメージを企業に持ってもらいやすいため、有利に働きます。全く同じ業界でなくとも、近しい業界であったり商材の特性が似ているなどでも、アピールポイントとなるでしょう。
職種によっては、前述の「スキルの深さ」に少々課題があった場合でも、業界の知見が豊富であれば、カバーできることもあります。

マネジメント経験

40代になると、マネジメント経験やメンバーの育成経験が求められることも多くなります。
企業側は、年齢相応の役職に就きチームやプロジェクトをリードしてきたかに注目します。
実務能力だけではなく、組織を動かす力や変革する力も期待されるようになります。

ただし、必ずしもマネジメント経験がないと転職ができないというわけではありません。
職種にもよりますが、スペシャリスト向けの求人も一定数あります。
しかし、マネジメント経験がある方が選択肢は広がります。
中には、求人票には記載されていなくても、企業側が転職エージェントに応募者のペルソナとして「30代以上の場合は、マネジメント経験がある方にご応募いただきたいです」とに伝えているケースもあります。

40代での転職を成功させるポイント

効果的かつ効率的に転職活動を進めるうえで、押さえておきたいポイントを紹介します。

これまでの経験やスキルを活かせる職場を選ぶ

前述したように、40代は即戦力としての活躍を期待されるため、まったくの未経験の分野(例えば、異業界×未経験の職種など)への転職は厳しい傾向にあります。
なので、
これまでの経験やスキルを活かせる職場を選ぶようにしましょう。
また、初めてや久しぶりの転職活動の場合は、自分を過小評価も過大評価もしないためにも、今の自身の「市場価値」を知ることが大切です。
市場価値は、様々な企業との選考を通じて見えてくることもありますし、転職エージェントといった転職市場に詳しい第三者に客観的にみてもらうのもオススメです。

経験の棚卸し、言語化をきちんとする

面談の通過確率を上げるためには、自分がこれまでの経験から、何ができるか、それらを活かしてどう応募先の企業で貢献できるかをきちんと言語化することも大切です。
例えば、過去のプロジェクトでの成果やチームリーダーとしての役割、顧客との重要な契約を成立させたエピソードなどを整理し、それを簡潔かつ効果的に職務経歴書や面接で伝えることが求められます。
また、それらの自分の経験が、応募するポジションにどのようにフィットするかを具体的に説明できることも重要です。

転職で実現したいことの優先度を決めておく

働き方、仕事内容、年収、勤務地など、すべての希望を完璧に叶える求人に出会えるとは限らないので、自分にとってゆずれないものと妥協ポイントを明確にし、優先順位をつけることも意識しましょう。
例えば、「年収は多少下がっても、これまでの経験を活かしつつ新しい領域にチャレンジしたい」「自宅から勤務地が少し遠くなったとしても、リモートワークの回数が増えるのならばよしとする」などです。
明確な優先順位を設定することで、求人の選定や応募先企業の決定がスムーズになります。
これにより、転職活動がブレずに進行し、より満足のいく結果が得られるでしょう。

転職理由はポジティブなものにする

転職理由は当然ポジティブなものばかりではないでしょう。
例えば、「現在の職場の人間関係が悪い」「給料が低い」などの理由を前面に出すと、企業側は「この人はまたすぐに不満を持って転職するかもしれない」と不安を抱くかもしれません。
転職理由がネガティブな場合も、面接で伝える際にはポジティブな理由で結論付けることが大切です。
そうすることで、企業側に前向きな印象を与えることができ、選考の過程でも好意的に評価される可能性が高まります。

例えば、「現在の職場ではスキルアップの機会が限られているため、新しい環境でさらに成長したい」「これまでの経験を活かして、より大きなチャレンジができる場を求めている」というような理由であれば、企業側も「この人はきっと活躍してくれるだろう」と期待を抱くでしょう。

家族・パートナーに相談しておく

40代は、家庭を持っている方も多く、転職が家庭生活に与える影響は少なくありません。
例えば、勤務地や勤務時間が変わる、年収が下がるなどあれば、生活面でも大きな影響があるからです。内定を得た段階で初めて話をして、「そんな話は聞いていなかった!」と反対にあうケースもあります。
どんな企業を受けるのか、その企業で働くことでどのようなメリットがあるのか、家庭との両立はどうやっていくつもりなのかなど、転職活動を始める時点であらかじめ話し合っておくと良いでしょう。

40代の転職支援を得意とするエージェントに相談する

転職活動においては、40代以上の転職支援に特化したエージェントを利用することも有効な手段です。
これらのエージェントは、40代の求職者が抱える特有の悩みや課題に精通しており、より的確なアドバイスやサポートを提供してくれます。

転職エージェントは自分の強みや経験を最大限に活かせる求人を紹介してくれるだけでなく、職務経歴書の書き方や面接対策においても専門的なアドバイスを行います。
また、年収交渉や転職後のフォローアップも行ってくれるため、転職活動全体を通じて安心感を得ることができます。

さらに、40代以上の転職においては、転職エージェントが持つネットワークや非公開求人が非常に役立つことがあります。
特に、管理職や専門職など、一般的には公開されていない求人にアクセスできる点は大きなメリットです。
エージェントを活用することで、より良い条件で転職を成功させる可能性が高まります。

例えば、withworkは、ワーキングペアレンツに特化したハイクラス転職サービスであるため、40代での転職実績も多数あります。
40代だと、子育てしながら働いている方も多くいらっしゃると思います。
withworkは、40代ならではの悩みにもより沿った相談を得意としています。
「同じようなバックグラウンドの人の転職成功事例について知りたい」「効率的かつ効果的に転職活動をしたい」という方は、
ぜひお気軽にLINE登録&ご相談くださいね。

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転職成功事例

実際に、多くの40代の求職者さまの転職支援をしてきた、withworkのキャリアアドバイザー・吉田智恵の支援事例をご紹介します。

産前に積み上げたキャリア&実績を買われ、3年のブランクからの再就職

 

元々外資系企業にて、営業職としてご活躍をされていた方です。40歳を目前に、不妊治療に専念するために退職されました。その後、子どもの預け先が決まったタイミングで、もう一度しっかりとキャリアを積みたいとwithworkへご登録くださいました。とてもご経験が豊富な方でしたが、産前とは状況が変化したことへの不安があったため、育休明けの働き方に関するアドバイスや、ワーキングペアレンツの転職の市場感などをお伝えしつつ、ご本人の希望に沿った求人をご提案しました。

 

経験社数が多いが、仕事に向き合うスタンスや熱意が評価され転職

 

ご家庭の事情で、パートや派遣・契約社員の期間が長く、経理業務を中心にキャリアを積まれてきた方です。直近では、スタートアップに正社員として入社しバックオフィス業務を広くご担当され、マネージャーの立場でIPO準備に携わられていました。40代前半の時にwithworkにご登録くださり、仕事に対する姿勢やスタンス、事業に対する思いや、経営者や社員を支えたいという熱い思いがが評価され、ご希望の働き方とキャリアを実現できる企業へ転職されました。

 

書類は通るが選考が進まない…1年がかりの面接対策で見事転職

 

SIerとしてキャリアをスタートし、システム開発・保守のPMやチームリーダーとしてご活躍されてきた方です。お人柄としては、慎重に話される誠実な印象の方でした。スキルやご経歴的にも申し分がないので、書類選考もほぼ通過します。しかし、その後の面接で落ちてしまう…といったご状況が続きました。転職に関しては「良い求人があれば」といったスタンスでwithworkにご登録されたこともあり、ご自身の思いやスキルの言語化をお手伝いするなど入念に面接対策をしながら、1年ほどの転職活動を経て転職されました。

 

40代の転職でよくある質問

最後に、よくある質問にお答えしていきます。

Q.ブランクがあるけど、転職できる?

ブランクがあっても、転職は可能です。ただし、そのブランクの長さや過ごし方によって、企業の印象は変わります。
子育てやパートナーの海外帯同などやむをえない事情で一時的に仕事を離れていた場合は、率直に伝えましょう。

長期で離れていた場合は、その間に得た経験やスキルをアピールすることがポイントです。
企業側は、「
ビジネス感覚やスキル等が衰えているのではないか」「即戦力となるのか」を懸念しています。
具体的には、ブランク期間中に自己啓発として取得した資格や、ボランティア活動、フリーランスとしての経験などを職務経歴書に記載し、面接で積極的にアピールすることが重要です。

また、転職に対する意欲や再びキャリアを積むことへの強い意志を伝えることも大切です。
企業は、ブランクがあっても今後の活躍に期待できると感じれば、前向きに評価してくれることが多いです。
それまでの経験が再現性があるということをしっかり言語化できることや、キャリアに対する意欲について熱い思いを語れることが大切になってきます。

Q.未経験・異業界・異職種の転職はできる?

できないわけではないですが、難しいと言えます。
なぜなら、これまでお伝えした通り、40代では求められる経験の目線が上がるためです。
しかしながら、これまでやってきたことのスキルの一部や横ずらしの業界、などであれば可能性がないわけではないかもしれません。
例えば、異業界への転職を考える場合は、共通するスキルや経験を強調するといった方法です。
職種であれば、例えば営業職からカスタマーサクセス職に転職を考える場合、顧客との交渉力やコミュニケーション力、情報収集力、分析力など、両方の職種で共通するスキルをアピールする、といったことが必要になってきます。
異業界や異職種への転職を目指すなら、自己研鑽や追加の資格取得など、準備を怠らないことも重要です。
新しい分野での知識を深めることで、企業に対して即戦力としてのアピールがしやすくなります。

Q.40代でも入社しやすい企業の特徴は?

「40代だから入りやすい」という企業はありません。
ただし、多様性を重んじる文化がある企業や、年齢や経歴にとらわれずスキルや経験を評価する企業であれば、採用の可能性は高まるでしょう。
中小企業やベンチャー企業では、即戦力となる経験豊富な人材を求めていることが多く、40代の転職者にもチャンスがあります。
また、働き方改革が進んでいる企業や、ダイバーシティを推進している企業も、年齢に関係なく多様な人材を採用する傾向があります。

まとめ

40代での転職は確かに大変ではありますが、適切な準備と戦略を持って臨めば、成功のチャンスは十分にあります。
まず、自分の経験やスキルを正確に把握し、それをどのように新しい職場で活かすかを明確にすることが重要です。
また、転職理由をポジティブに捉え、家族やパートナーとしっかり相談したうえで、転職活動をスムーズに進めることが大切です。
そして、今後のキャリアビジョンを考えながら、それに向けたステップとして次の転職を考えるのが良いでしょう。

転職は人生の大きなターニングポイントですが、40代という豊富な経験を持つ時期だからこそ、新たなキャリアの道が開けるはず。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。

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監修 / 吉田 智恵

大手小売企業に入社後、店舗の経営者として全国各地の店舗課題解決や人材育成に携わる。複数地域で、累計300名以上の幅広い年齢層の社員のマネジメントやキャリア相談にのる。産後、ハードワークな職場環境に、家庭を犠牲にせざるを得ない働き方に悩んだ原体験から、こういった社会問題を解決していきたいと、withworkへ参画。丁寧なヒアリングと、書類添削から面接対策まで細やかなサポートを得意としております。2児の育児中。

ライター / なかむら あお

大学院で心理学を修了した元臨床心理士。異業界・異職種への転職を経験。現在週4会社員の傍ら、noteやブログを書いたりアクティブに活動中。著書に「子育てのイライラ、便利家電で解決できます!」がある。男女年子の2児の母でもあり、「育児中でも心に余裕のある暮らし」をモットーにしている。 好きな食べ物はからあげとチャーハン。

この記事の監修者
吉田 智恵

大手小売企業に入社後、店舗の経営者として全国各地の店舗課題解決や人材育成に携わる。複数地域で、累計300名以上の幅広い年齢層の社員のマネジメントやキャリア相談にのる。産後、ハードワークな職場環境に、家庭を犠牲にせざるを得ない働き方に悩んだ原体験から、こういった社会問題を解決していきたいと、withworkへ参画。丁寧なヒアリングと、書類添削から面接対策まで細やかなサポートを得意としております。2児の育児中。

この記事のライター
なかむら あお

大学院で心理学を修了した元臨床心理士。異業界・異職種への転職を経験。現在週4会社員の傍ら、noteやブログを書いたりアクティブに活動中。著書に「子育てのイライラ、便利家電で解決できます!」がある。男女年子の2児の母でもあり、「育児中でも心に余裕のある暮らし」をモットーにしている。 好きな食べ物はからあげとチャーハン。