2024.9.11

女性の育休実態調査(取得期間、復職後のサポート、働き方、仕事とプライベートの変化)

#育休
#調査レポート
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女性の社会進出が進み、共働き家庭が増える一方で、キャリアとライフの両立に悩む女性は少なくありません。
とくに、「出産・育児」は、女性のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性のあるライフイベントの1つでもあります。

共働き&子育て世代向け転職サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社は、女性が育休期間中や復職後にどのような課題や悩みを抱えているか調査すべく、アンケートを実施しました。

調査結果(サマリ)

・希望の育休取得期間は、64%が「12ヵ月以上」
一方で、実際に12ヵ月以上取得した割合は42%と、希望よりも短い期間の取得となる人が多かった。実際の取得期間にした理由としては、1位「保育園の入園タイミング」、2位「自身がその期間は子どもと一緒にいたいと思った」、3位「勤務先からのプレッシャー」があげられた。
・4割が、復職後のサポートに「不十分だった」
「時短でも仕事量が多い」「休みにくい」「時短の人は昇進させられないと明確に言われた」といった理由があげられた。
・希望の働き方は、ほぼ全員が「ハイブリットワーク」もしくは「フルリモート」
「フルタイムで働くために柔軟な働き方を希望していた」「とにかく仕事がしたいと思っていて、少しでも多く仕事をこなすためにリモートはマスト」「子どもの体調や予定によって柔軟に働く場所を変えたい」といった理由から、リモートワークを希望する声が大多数だった。
・6割が、育休期間中に「転職を考えた」
転職検討の理由には、1位「働き方に不満がある」、2位「昇進・キャリアアップが望めない」、3位「給与に不満がある」があげられた。
・育休取得後、7割が「仕事面でネガティブな変化があった」
マミートラックに陥ったことによるモチベーション低下(※例1)や、働く時間や時間帯、働き方等に制限があること(※例2)、仕事と育児両方の負荷による体力的な辛さ(※例3)などが理由としてあげられた。

※例1:「昇進が見込めない」「大きな仕事を任されなくなった」「仕事の負担は減らしてもらえているが、配慮というより冷遇のように感じる」

※例2:「周りと時間がズレるので働きづらい」「仕事にかけられる時間は減ってしまった」「出張など行きづらいと自身が感じるようになった」

※例3:「何か優遇してほしいとも思わないが体力的に辛い」「キツい仕事にも関わらず、休日に休めていない(子育てのせいで)ことで疲れが取れず、どんどん仕事への集中力が下がっていきました。」

調査結果(詳細データ)

<アンケート概要>
・実施期間:2024年8月1日〜2024年8月31日
・アンケート対象者:育休取得経験のある女性
・有効回答数:304名
・調査主体:XTalent株式会社
・複数回育休を取得している場合は、【直近の育休】について回答

<調査協力企業(ABC順)>
株式会社フィッツコーポレーション 
株式会社ケップルグループ
株式会社マクアケ
PIAZZA株式会社
株式会社Rehab for JAPAN
ワンダーファイ株式会社

育休取得時のあなたのご状況について、教えてください。

育休取得時の、お子さんの誕生年と誕生月は?

【育休の取得期間・タイミング】に関する質問

希望(※)と実際の育休取得期間、また、仮に「直近の育休」を取得する前の時点に戻れるとしたら(※)、どのくらいの期間取得したいですか?

(※)会社や家庭の状況を加味せずご自身として取りたい、と思う期間をお答えください。

(▼全ての回答者)

(▼役職が「リーダー」以上の回答者)

実際の取得期間にした理由は?

実際に取得した期間は適切でしたか?

上記の理由は?

【短すぎた】
・「親になった自分自身をゆっくり見つめる時間がなく、ほぼ子供がいない状態の時と同じ精神状態で仕事をはじめてしまった(3ヵ月〜6ヵ月未満)」
・「早く復職するために無理をしたためか、復職後大きく体調を崩し、半年で長期休職に至ったため(3ヵ月〜6ヵ月未満)」
「キャリア形成の兼ね合いと入園の都合上で4月入園にしたが、可能であれば1歳までは一緒にいたかった(6ヵ月〜12ヵ月未満)」

【適切だった】
・「復職前は子供と離れてしまうのがとても辛かったが、いざ復職してしまえば適度な距離で子育てが出来るし、子供が保育園を楽しんでいる様子に安心したから(3ヵ月〜6ヵ月未満)」
・「保育園に通ったことでいろんな刺激を受けて娘も成長したし、私も仕事をすることが育児の気分転換担っていると感じるため(6ヵ月〜12ヵ月未満)」
・「もっと長く子供と一緒にいたかったけど、仕事復帰やその後のライフプランを考えたらちょうど良かったと思う(6ヵ月〜12ヵ月未満)」

【長すぎた】
・「1歳の保育園が入れず待機児童が続いた(18ヵ月以上)」
・「1年半の育休は子どもとの時間という意味では良かったが、キャリアとしては1年以内で復帰したかった。4月にしか入園できない状況のためやむを得なかった。(12ヵ月〜18ヵ月未満)」

入園時のクラスと入園月を教えてください。

入園タイミングに満足していますか?

上記「不満」と答えた方へ。その理由は?

・「4月でなくても任意のタイミングで入園できるようになれば嬉しい」
・「保活超激戦区に住んでおり、第一子1歳4月入園は絶望的だったので0歳4月で入れたが、もう少し一緒にいたかった」

【育休中のサポート】に関する質問

里帰り出産は行いましたか?「行った」方は、産後の滞在期間も教えてください。

出産後、親族などのサポートはありましたか?

【夫の育休】に関する質問

夫は育休を取得しましたか?

【夫が育休を取得した方】その期間は?

【夫が育休を取得した方】当てはまる育休のタイプに近いものを教えてください(※複数回答可)

【育休中の家事育児・過ごし方】に関する質問

今思えば、「手を抜いてもよかった」と思う家事育児はありますか?(※複数選択可)

育休期間中に使ったサービスは?(※複数選択可)

育休期間中、家事育児以外で行ったことはありますか?(※自由回答)

・「資格取得」
・「引越し」
・「旅行」
・「通信制の大学に入学」
・「副業の仕事」
・「ボランティア」
・「転職活動」
・「オンライン英会話」
・「パン教室」
・「ヨガ」
・「自身の身体のメンテナンス」

今思えば、育休中に夫にやってほしかったことはありますか?

上記「はい」と答えた方へ。具体的に教えてください。

・「育休を取る(私とは被らない期間)」
・「夜泣きの対応をやってほしかった」
・「家事育児全般」
・「自分で考えて動く。家=休むためだけの場所ではないという自覚をもつ」
・「夫一人で子供を見る(私が一人になる時間を作る)
・「妻の睡眠時間の確保」

【復職後・職場】に関する質問

復職後の職場のサポートは十分でしたか?

上記「はい」と答えた方へ。具体的にどのようなサポートがありましたか?

・「フルリモート、フルフレックスで働きやすい環境」
・「リモートワークを特別に許可してもらえた」
・「育休取得の前例がないポジションだったので、試行錯誤しながら業務内容を考えてくださった」
・「時短勤務や子どもの病欠に非常に理解があった」
・「引き継ぎ期間を長めにとってくれた」
・「新規事業の部署で自分のできる働き方を決めさせてくれた」
・「1歳未満で復帰した場合、保育料の半額補助や通常の有休とは別に月2日の特別休暇(有給)が付与された」
・「マネージャーが、残業させないからね(笑)みたいなノリで、頑張りすぎは良くないぞっ!と日々声がけしてくれた」
・「職場に慣れるように、負担の少ない業務から始めさせてくれた」
・「突発的な休みへの理解」
・「チーム全体で負担が軽くなるように調整してくれたり、都度都度相談しやすい空気も作っていただけた」

上記「いいえ」と答えた方へ。サポートが不十分だと感じた理由は?

・「時短でも仕事量が多い」
・「人が不足しており即戦力として働くことを求められた」
・「時短勤務者への業務調整はなくフルタイムと同じ業務量」
・「日帰りで出張が多かったり、テレワークでいいと言われたのに結局出社が多い」
・「時短の人は昇進させられないと明確に言われた」
・「休みにくい」
・「時短が取りにくかった」
・「制度で決まっている時短やリモートワークなどを、事業部長が嫌がるという理由で使わせてもらえませんでした」
・「子供が熱を出すことなどに対しての理解がない」
・「制度はあるが、ソフト面のサポートは一切なかった」
・「勝手に担当を変えられそうになり揉めた」

育休に入る前の働き方で当てはまるものはありますか?(※複数選択可)

(▼全ての回答者)

(▼役職が「リーダー」以上の回答者)

育休復職時、希望していた働き方と実際の働き方を教えてください。

(▼全ての回答者)

(▼役職が「リーダー」以上の回答者)


復職時に希望していた働き方について、その理由は?

【時短勤務を希望】
・「夫が激務なので物理的に送り迎えを自分でする必要があったため」
・「子供との時間を増やしたい」
・「キャパが大きい方ではないため、まずは時短から慣らしていきたかった」

【フルタイムを希望】
・「出産後でも育休前と同じように働きたかった」
・「時短勤務にすると給与や賞与が大幅に減ってしまうため」
・「責任のある立場で仕事を続けたかったから」
・「マミートラックに陥りやすい部署のため」

【フレックスを希望】
・「子育てで夕方など働けない時間はありつつも他の時間で対応することは可能であったため」
・「子育てしながらも、業務量やレベル的に対価も欲しいため」
・「子供の体調不良に左右されても大丈夫なように柔軟な働き方を希望していた」

【フルリモートを希望】
・「フルリモートであれば保育園の送迎も間に合い、収入も減らないため」
・「フルタイムで働くために柔軟な働き方を希望していた」
・「通勤時間がもったいない」
・「とにかく仕事がしたいと思っていて、少しでも多く仕事をこなすためにリモートはマスト」

【ハイブリットワークを希望】
・「保育園が遠いので在宅の日があれば楽だと思った」
・「病院付き添い・検診などがある際は出社しなくても仕事ができる環境があると安心」
・「子どもの体調や予定によって柔軟に働く場所を変えたい」

育休期間中、転職を考えたことはありましたか?

上記の理由は?

育休取得後、仕事面でポジティブ/ネガティブな変化はありましたか?

(▼全ての回答者)

(▼役職が「リーダー」以上の回答者)

上記の理由は?

【ポジティブな変化】
▼一般社員
・「生産性や効率をこれまで以上にとても意識するようになった」
・「色んなことが割り切れるようになった」
・「子どもの為に働いているという気持ちが活力になりました」
・「営業職だったので、顧客との会話の幅が広がりました」

▼リーダー層(主任、課長、係長)
・「育児から離れて私自身の時間を持てた」
・「自分のやるべき仕事を精査して取り組めるようになった」
・「同じ時間でこなせる仕事の質があがった」
・「メンバーとのコミュニケーションがおおらかになった」

▼マネージャー層(部長、本部長)
・「子育てしている時とは違うメリハリ、やりがいを感じることができて、育児ストレスの軽減にも繋がっている」
・「社内で初めての育休取得者だったため、他の方が育休やライフイベントを迎えやすい状況を作れた」
・「時間の使い方や、マネジメントの仕方を見直す機会になった」
・「短い時間で貢献することを考えると、「なんでもやります」ではなく得意なことを中心に勝負した方がよいと気づけた」
・「仕事で無理せずプライベートを充実させる考え方に変わった」

▼経営層(取締役、役員、代表)
・「また頑張ろうと思えた、自分と向き合う時間が取れた」
・「諦めの仕方がより進化しました」

【ネガティブな変化】
▼一般社員
・「勤務時間が少なくても成果をかなり求められる」
・「体力的にきついシーンが増えた」
・「育休中に人事制度が新たに策定され、策定当時に休業中だったために最低レベルからのスタートになった。」
・「子どもの体調不良で突発的に仕事が出来なくなる。」
・「倒れそうになるまで働いた(子育てを理由になにか言われたくなかった)」
・「ポジションが大きく変わったが、納得のいく説明はなかった」
・「第一線から退いてあまり当てにされなくなった感が寂しかった」

▼リーダー層(主任、課長、係長)
・「時短で給料が減るがフルタイムと同じ仕事をしている。業務外で仕事をしても残業代がつかない。」
・「昇進が見込めない」
・「時短勤務は降格対象と言われました」」
・「働き方をもっと柔軟にしたかったが、他の方が残業、出張、フル出社で頑張っていたため、会社の風土を変えることは難しいと感じ、孤立感を感じていた」
・「大きな仕事を任されなくなった」
・「キツい仕事にも関わらず、休日に休めていない(子育てのせいで)ことで疲れが取れず、どんどん仕事への集中力が下がっていきました。最終的にはうつ病になり、退職しました。」
・「様々制度はあっても、全く機能しておらず、詐欺だと思った。」
・「周りと時間がズレるので働きづらい」
・「仕事の負担は減らしてもらえているが、配慮というより冷遇のように感じる。復職以降ずっと精神的につらく、モチベーションは低下する一方。」
・「産前のように残業出張ができるわけもなく、もっと働きたいもっと面白い仕事にトライしたい気持ちとの整合性がまだうまく取れません。」

▼マネージャー層(部長、本部長)
・「リモートワークの廃止や、不透明な評価など会社の方向性が自分の望むものと真逆に進んでいた」
・「出張など行きづらいと自身が感じるようになった」
・「仕事にかけられる時間は減ってしまった」
・「何か優遇してほしいとも思わないが体力的に辛い」
・「自分自身の不調(マミーブレインにより、脳が追いついていかず、些細なミスをしてしまう)の結果、会社にいづらくなった」

▼経営層(取締役、役員、代表)
・「気を遣われすぎて、もっと仕事がしたかった」
・「すぐに保育園に入れるわけではなかったため、シッター活用時のみ時間が確保できた」

育休取得後、プライベート面でポジティブ/ネガティブな変化はありましたか?

(▼全ての回答者)

(▼役職が「リーダー」以上の回答者)

上記の理由は?

【ポジティブな変化】
▼一般社員
・「子どもがいるだけで毎日が新鮮で幸せ」
・「家事の効率化が進んだ」
・「子育てを通じて、今までとは違う人脈が増えた。」
・「主人と協力し、楽しみながら家事育児をできている」
・「仕事が息抜きになり子育てが楽しい」
・「仕事のモチベーションの源泉が変わった。自身の達成感(営業数字をやりきったなど)がモチベーションであったが、子供に将来誇れる仕事かどうかがモチベーションに変わった」

▼リーダー層(主任、課長、係長)
・「夫への信頼がより上がった」
・「子どもとの遊ぶことで自分もリフレッシュでき、楽しめている」
・「子どもと少しでも長く一緒にいられるように健康面を気にするようになった」
・「仕事ばかりにやりがいを求めなくなった」
・「会社と自宅の往復からがらりと変わり、視野が広がる」

▼マネージャー層(部長、本部長)
・「子どもの成長をゆっくり楽しめる心の余裕を持つスタンスで生きられるようになった」
・「産前に比べてワークライフバランスが整い、育児に限らず家事にかける時間が増えた」
・「時間の使い方がうまくなった。自然とマルチタスクをこなせるようになった。」
・「毎日子どもとふれあう幸せがあることで人生が豊かになった」

▼経営層(取締役、役員、代表)
・「プライベートも充実した」
・「家族の時間が増えた」
・「親との距離が近くなった」

【ネガティブな変化】
▼一般社員
・「ワンオペがしんどくて、1年くらいで体力・精神ともに限界がきました。」
・「給与が減ったのでお金の心配が尽きない」
・「平日も休日も休息を取る時間があまりない。」
・「友人と疎遠になる」
・「精神的な余裕がなくなった」

▼リーダー層(主任、課長、係長)
・「体調を崩して長期休職することになった」
・「勤務後、サクッと飲みに行ける時間がない」
・「大変すぎて2人目が欲しいと思えなくなった」
・「夫と家事や育児のことで揉めることが増えた」
・「時間に追われる生活になった。子供を優先してあげられないシーンが多々発生した。」

▼マネージャー層(部長、本部長)
・「お互いに疲弊しており、夫婦喧嘩が増えた。」
・「どうしても家族のことが優先となり、自分のカラダメンテナンス、体力作りのトレーニングに時間をつかえなくなった。」
・「家事や料理などにかけられる時間が減った」

▼経営層(取締役、役員、代表)
・「自分の時間の確保が難しくなった」

※本調査データは、広くご活用ください。データの引用・転載時には「引用元:XTalent株式会社」と引用元を明記していただくようお願いいたします。

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