こんにちは!キャリアとライフをトレードオフにしない転職サービス『withwork』です。
「男らしく」「男だから」そういった言葉に、モヤモヤした経験はありませんか?
近年、「男性の生きづらさ」が注目されるようになり、認知度も上がってきた「男性国際デー」について解説します。
11月19日は国際男性デー
「国際男性デー」(英語:International Men’s Day)とは、「男性・男児の健康に目を向け、ジェンダー平等を促すことを趣旨とした記念日」として、1999年にトリニダード・トバゴで始まった記念日です。
国際女性デー(3月8日)とは異なり、国連の定める記念日にはなっていないため、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、オーストラリアや中国、アメリカなど世界各国において記念日に制定されています。
日本でもこの日に合わせ、男性の健康やジェンダーについて考える啓発活動などが実施されることが徐々に増えてきて、男性が直面する様々な社会問題に焦点を当て、意識を広げる機会となっています。
「男らしさ」に隠れた生きづらさ
「ジェンダー問題」「ジェンダー平等」というと、一般的に女性にスポットをあてられがちです。
しかし、従来の「男らしさ」という無意識の偏見の中で、社会的なプレッシャーを感じたり、弱音を吐けなかったりと、苦しんでいる男性も少なくないのが実情です。
例えば、下記のような言葉。
「男は働き、女は家庭」
「男は強くあれ」
「男なら泣くな」
「弱音を吐いてはいけない」
「一家の大黒柱でなければならない」
「仕事で成功しなければならない」
「競争に勝たなければならない」
似たような言葉を、実際に言われたり、自身がそうあるべきだと行動指針にしていたり、他者に対して無意識に強要していたり。
程度の差はあれ、日常生活において心当たりがある方は多いのではないでしょうか。
このような「男はこうあるべきだ」といった固定観念やイメージが、男性を追い込み、心身の不調を引き起こしたり、将来の選択肢や可能性も狭めるほどの生きづらさを与えてしまうこともあるのです。
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは?
ここで、上述した「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」について、もう少し詳しくみてみましょう。
自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方のゆがみ・偏り」をいい、自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識していないためにそう呼ばれています。
例えば、
・親が単身赴任と聞くと、「父親だ」と思う
・血液型をきくと、「こんな性格だ」と思う
・赤色のランドセルだと、「女の子」を連想する
そのように想像したことはないでしょうか?
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)の典型的なパターン
「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」には様々な性質のものがあり、脳科学、認知科学、行動経済学等、複数の分野で研究され、その分類が進んでいます。
ここでは、そのうち、典型的なパターンをいくつかご紹介します。
ステレオタイプバイアス
これまでの経験や文化的背景にもとづいて、他者をジェンダーや出身国、皮膚の色や職業などによる先入観や固定観念によって判断することを示します。
とくに、性別に対するステレオタイプは「ジェンダーバイアス」と呼ばれ、性別固定役割分担意識を助長する思い込みの一つとして捉えられています。
(例)
・男性は外で働き、女性は家庭を守るもの
・男性は理系、女性は文系
・九州の人はお酒が強い
・インド人はカレーが好き
集団同調性バイアス
自分が所属する集団の意見に合わせてしまう心理をいいます。
「集団の意見に合わせる」という行動が先に出てしまうため、自分のなかで物事の善悪を判断しないような行動を取ってしまう傾向が見られます。
(例)
・別の意見があっても人に合わせてしまう
・「みんなが言っている」ならば、それが正解だと思ってしまう
・「みんな避難していないから、きっと大丈夫だろう」と安心してしまい、避難を開始するのが遅れる
確証バイアス
無意識のうちに自分の考えを肯定するような情報だけに注視し、逆に自分の考えに合わない情報は軽視する傾向のことをいいます。
それにつき、一度「こうだ」と決めたら、聞く耳を持ちにくくなることがあります。
(例)
・「この人は一流大学を卒業しているから優秀に違いない」
・採用面接の際に、自分が良いと思った応募者の悪い点に目が行かない
・根拠もなく「大企業と取引ができれば安泰」と考えてしまう
アインシュテルング効果
自分の慣れ親しんだ思考や視点に固執することにより、他の思考や視点に気づかない、あるいは無視をしてしまうことをアインシュテルング効果といいます。
(例)
・イレギュラーな事態が起きても、マニュアル通りの対応をしてしまう
・過去の成功体験にこだわってしまい、市場の変化に柔軟に対応できない
・経験のない若手の発言は未熟だと決めつける
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)の問題点
「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」は、過去の習慣や経験をもとに無意識に判断するものであり、それ自体が悪いというわけではありません。
問題は、知らず知らずのうちに相手にストレスや疎外感を与えてしまったり、本人の評価や判断を大きく歪めてしまうおそれがある点です。
具体的には、固定的な性別役割分担意識に囚われるが故に、働き方や生き方の可能性を狭めてしまったり、気付かないままに相手に排他的な態度や言動をとってしまうことで意図しない人間関係の悪化を招き、差別に発展してしまう恐れがあります。
そのようなことで、生活の質(QOL)や幸福度にも影響が及んでしまうことが問題なのです。
「男らしさ」の呪縛
「女らしさ」によって窮屈さを感じている女性が多くいるように、男性もまた、「男らしさ」に縛られて無意識のうちに、自分の首を絞めざるを得ないでいるのが現状です。
従来の「男が働き、女は家庭」という価値観が、男性自身を苦しめる要因にも
女性の社会進出によって共働き家庭が増え、男性にも積極的な家事・育児への参加が求められる中、「男性は一家の大黒柱として、稼がなくてはならない」という性別による役割分担意識や、「男なら仕事で成功しなければならない」といった固定観念が、根強く残っています。
育休取得を希望する男性は増え、取得率は上昇している一方で、取得がしにくい雰囲気の職場もまだまだ少なくありません。
本人としては、仕事だけでなく私生活も重視した時間の使い方をしたくても、それが叶わない。 上司に育休取得の希望を伝えると、「なぜ君が?奥さんはどうしてるの?」とネガティブな反応をされたり、職場で子どもが生まれたことを報告すると、共働き家庭だったにも関わらず、「一家の大黒柱として頑張らないとな!」といった言葉をかけられた方もいます。
また、お子さんの誕生によってさらにお金が必要となりますが、女性が「フルタイム→時短勤務」に切り替えたり、「正規社員→非正規社員」に雇用形態を変えたりすることで、夫の稼ぎ手としての責任はさらに重くなることもあります。
そうした男性へのバイアスや社会的圧力は、心身の不調を引き起こすほどの仕事によるストレスを抱えていたとしても、「現職はハードワークだが、収入が良いので辞められない」「キャリアを断絶することなく働き続けなければならない」「出世しなければならない」といった、強迫観念に似たプレッシャーを男性に与えます。
このように、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法が施行されて20年以上経ってもまだなお、「男が働き、女は家庭」という背景や価値観からは抜け出せず、そういった社会的環境下が無意識の偏見をうみ、男性自身を苦しめる要因にもなっています。
生活の質を下げたり、心身の健康を蝕む場合も
こうした社会的圧力やバイアスは、男性の心身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
令和5年の男性の自殺者数は14,862人、女性は6,975人で、男性が女性の約2.1倍となっています(参考)。
そのうち、有職者の割合は、男性47.5%、女性25.7%と、男性の方が労働に起因する相関が高いことが示唆されます。
実際に、自殺の原因・動機の統計をみても、勤務問題を要因とする自殺者数は、男性が女性の約5.8倍と、自殺は様々な要因が連鎖しておきているとはいえども、少なからず男性の方が仕事によって追いつめられている割合が高いことがみてとれます。
共働きの家庭自体は増えた一方で、依然として家事・育児に割く時間は女性の方が多い傾向がある中、自らが望む以上に長時間労働を強いられたり、育児や私生活にもっと時間を割きたくても割けないでいる男性は、本来の望むべき生活スタイルとは異なるため、そこに不自由を感じて徐々に生活の質や幸福度が低下していきます。
それでも「男らしくないから」と、弱音や愚痴を吐けず、時としてアルコール等に逃げてしまい、心身の健康が蝕まれる人も少なくありません。
周囲との関わりにおいて、「困ったときに相談できる人がいる」という2022年のアンケートに対し、男性は43.5%、女性は60.6%と、男性は女性より17.1%低い結果となっています(参考)。
また、幸福度における調査でも、男女別で見ると、女性が69.6%で男性が59.3%と女性のほうが10.3%上回っており、男性の方が低い統計となっています。
「男はじっと我慢」「稼ぐのは男の役目・当たり前」といった社会的な価値観が、男性が女性に比べて悩みを打ち明けにくい傾向をつくり、いつしかそれが「他者に助けを求めること=弱いこと」と認識させ、男性自身を孤独に陥らせているのかもしれません。
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【イベント開催】国際男性デーに考える男性の多様な生き方
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国際男性デーという「男性・男児の男性の心身の健康と幸福、ジェンダー平等を促す日」に、女性を取り巻く問題の裏で起きている、令和に生きる男性の生きづらさを見つめ直し、多様な男性像が認められる社会を目指し、イベントを開催します。
【概要】
– 日時:2024年11月19日(火)12:00~13:00
– 開催方法:YouTubeライブ
– 参加費:無料
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まとめ
「男女平等」といわれると、どうしても「女性」に意識が向きがちですが、世の中には「男らしさ」に戸惑ったり苦しんでいる男性も少なくないことが分かりました。
男性が生きやすい社会は、女性も生きやすい。その逆もまたしかりでしょう。
11月19日の「国際男性デー」を機に、男女関係なく、辛い時には誰でも弱音を吐いたり、相談しやすくなる社会はどうやったらつくっていけるのか、また、「男らしさ」や「女らしさ」、「無意識の偏見」に囚われすぎることなく、みんながその人らしく生活の質(QOL)や満足度・幸福度を高めていける為にはどうしたらよいのか、そのようなことを改めて考えていけたらよいですね。