ワーキングペアレンツのための転職サービス「withwork」です!
今回ご紹介するのは、withworkを通じて株式会社カミナシにご転職された宿利さんと同社CEOの諸岡さん。
家庭と仕事の両立のため、大企業から思い切ってスタートアップに転職しやりがいを感じながら働いていた宿利さん。
しかし、入社時から抱いていたカルチャーに対する違和感から、転職を決意します。
インタビュー前編ではスタートアップでもう一度挑戦するために転職活動を行った宿利さんの体験談を、後編ではそんな宿利さんが違和感を全く抱かなかったカミナシのカルチャーについて諸岡さんに伺いました。
■本日お話を伺う人
・宿利 愛さん(写真中)
大手上場企業にて専門職(オフィス設計職)を経験し、育休復帰後に建築系スタートアップへ。同社では時短勤務でカスタマーサクセスに従事するかたわらセールスや設計などにも携わる。その後、3社目でカミナシへ入社しフルタイム復帰。2児の母。
・諸岡 裕人さん(写真左)
起業家(SaaS)|株式会社カミナシCEO
2009年慶応大学経済学部卒業後、リクルートスタッフィングで営業職を担当。2012年 家業であるワールドエンタプライズ株式会社に入社し、LCCのエアアジアジャパンやバニラエアの予約センターの立ち上げ、JALの羽田機内食工場の立ち上げなどに携わる。その中で感じた現場のペインを解決するため、2016年12月に株式会社カミナシ(旧社名:ユリシーズ株式会社)を創業し、ノンデスクワーカーの業務を効率化する現場改善プラットフォーム「カミナシ」を開発。
■本日のインタビュアー(写真右)
withwork代表・上原達也 @tatsuya39
大手上場企業からスタートアップへ。「何か違う」が転職のきっかけに
ーー本日はよろしくお願いします!宿利さんは大手上場企業からスタートアップに転職して3年間働いた後、同じくスタートアップのカミナシに転職しましたが、今回の転職に当たって次のキャリアをどのように考えていましたか?
宿利さん:
まず、大手企業からスタートアップへという最初の転職は、私にとって大きな決断でした。
以前は、オフィス設計という専門職で働いていて、時には終電ギリギリまで働くほどの仕事人間。
そんな私が産休・育休を経て職場に復帰し、家事・育児と仕事の両立に悩み、それでも「1人でできる」と背負い込んだ結果、体調を崩してしまいました。
そこで、思い切って働き慣れた職場を離れることにしました。
選んだのは、時短勤務が可能で働きやすい環境が整った建築系のスタートアップ。
その会社では、子どもがいることで一度は諦めざるを得なかった顧客対応に戻ることができ、時短勤務ながら裁量のある仕事も任されて、楽しく働いていました。
一方で、ワーキングペアレンツの視点からみたときに、会社のカルチャーや普段から交わされる会話の中に自分の価値観との乖離を感じてもいました。
その「違和感」は徐々に大きくなっていき、2度目の転職を決意しました。
そのときに「消化不良のままはイヤだな」という思いが込み上げました。
大企業からスタートアップに飛び込んだけれど、自分自身が納得するまでの仕事ができなかったし、働く中で醍醐味と感じていた事業成長も体感しきれなかった。
この消化不良を抱えたまま、また大企業に戻るのは納得がいかなかったので、30人くらいの規模の会社でもう一度挑戦しようと決めたんです。
ーー転職を考え始めてから実行に移すタイミングに悩んでいたようですが、その間はどんなことを考えていたのですか?
宿利さん:
やはり「スタートアップでもう一度やっていけるのか」という不安がありました。
初めての転職のときは、体調も崩していて精神的にあまりいい状態ではなく、短期間で決めたので「スタートアップはベストの選択ではなかったのかもしれない」「やっぱり、自分には大手企業の方が向いているんじゃないか」という迷いですね。
ーー消化不良だからもう一度挑戦したいという前向きな気持ちはありながらも、その狭間で悩んでいらしたんですね。
入社の決め手は、「違和感がないこと」
ーーwithworkからは何社か求人をご紹介しましたが、その中からどのように候補を絞られたのですか?
宿利さん:
前提に、フルタイムでしっかり働きたいという希望があったので、それを実現するにはリモートワークは不可欠。
それに、時間にある程度の融通が利かなければ、子育てとの両立も難しいですよね。
なので、働き方において「在宅」「時間の融通が利く」の2つの条件を満たせそうな会社に絞っていました。
「この会社の事業が魅力的」といった最初の印象で絞り込むのではなく、フラットな目で見て前提条件を満たす会社を選び、最終的には採用面談の内容で決めようと考えていたんです。
ーー働き方という前提条件さえ満たしていれば採用面談を受ける、というスタンスだったのですね。withworkでも「応募は気軽に、入社は慎重に」とユーザーさんによくお話ししています。応募時点ですごくいい会社だなと思っても、面接に行ってみたらやりたいことと違っていたり、逆に応募前はイマイチよく分からなかったけれど、面接で話を聞いてみたら印象が変わった、というご感想などもよく耳にします。
宿利さん:
まさに、私がカミナシを選んだ決め手も面談です。
他社には、前職のスタートアップで感じたようなちょっとした違和感を覚えることがあって、その都度、上原さんには「この会社のここが気になります」と伝えていました。
けれども、カミナシにはそれがなかった。
役員を含め、8人くらいの方にお会いしたのですが、話していてとにかく楽しかったんです。
上原さんにも「特筆して気になることはないです」とお話しした気がします。
こういう話をすると、諸岡さんには「違和感、違和感ってうるさいね」と笑われそうですけど(笑)
諸岡さん:
そう。宿利さんといえば、“違和感”です。
宿利さん:
私にとって、違和感がないことは大事なことなんですよね。
思い返すと、前回の転職のときははじめから気になるポイントがあったんです。
その違和感を解消しないまま入社して、3年間働くうちにそれはどんどん大きくなって、結果として転職に。
そんな経緯があるので、初めから違和感を感じないことが、会社選びでは重要なポイントだと気づいたんです。
スタートアップ再挑戦での次なるチャレンジはマネジメント
ーー現在カミナシでは、どんな仕事をしているのですか?
宿利さん:
カスタマーサクセスチームは導入支援担当と活用促進担当に分かれていて、私は導入支援を担当しています。
サービスを利用し始めて3ヵ月くらいのユーザーを対象に、うまく使いこなせるようサポートする仕事です。
プラスアルファの業務として、現在開発中の新しいサービスのCS部分にも携わっています。
入社して4ヵ月ですが、毎月新しいチャレンジができていると感じます。
ーー毎月新しいチャレンジとはワクワクしますね!スタートアップへの再挑戦ということですが、仕事の進め方で意識していることはありますか?
宿利さん:
以前の職場で感じていた自分の弱点や課題を意識して、克服しながら仕事に取り組むことを意識しています。
私は1人でやり抜くのは得意なのですが、例えば1つのプロジェクトを進めるときに、メンバーを巻き込みながら推進していくのは苦手でした。
ですからマネージャーには、はじめに「私はこれが苦手です」と伝えて、マネージャーからは1on1の面談でこまめにフィードバックを受けています。
その内容を元に自分のやり方を振り返りながら仕事ができるのは、ありがたいですね。
またマネージャーに限らず、カミナシには変な遠慮をせずにきちんとフィードバックしてくれる人が多いので、自身に感じている課題を周囲にどんどん共有しながら仕事を進めることができています。
ーー次に目指しているチャレンジがあれば教えてください。
宿利さん:
次の大きなチャレンジは、マネジメントです。
個人の能力を高めることは以前からの積み重ねで満足したので、これからはチームとして、カミナシとしてやり遂げることに比重を移していきたいですね。
諸岡さん:
宿利さんは本当に頼りになるんです。
なぜかというと、宿利さんは動じないし、宿利さんのマネージャーが「1on1では僕の悩みを聞いてもらっています」と言うくらいの包容力があるから。
これは、リーダーには欠かせない要素だから、その強みを生かしてチャレンジしてほしいですね。
宿利さん:
動じない心は、1社目の職場ではハードなプロジェクトが多く、鍛えられたのかもしれませんね。
プロジェクトごとに思いも寄らないハプニングが起きて、都度、冷静に対処しなければならなかったので。
マネジメントに対する認識が変わったのは、スタートアップでの仕事を通して、新しいマネージャー像を描けるようになったからだと思います。大企業のマネージャーは、いわゆる”中間管理職”。
上からあれこれ言われて、自分の実務もあって、残業代も出ない辛い仕事というイメージでした。スタートアップに入って、かつて目にしていたのはマネージャーの本来の姿ではないと気付くことができて、私もマネジメントに挑戦したいと思えました。
ーースタートアップへの再挑戦の中で、キャリアステップや仕事の進め方にも変化が起きているんですね。
ー後編はこちらー
-STAFF-
企画・構成:XTalent株式会社
ライティング:松田千穂
写真:森田 純典