「温故創新で、つかい手も、つくり手も、豊かにする。」というミッションを掲げ、土屋鞄をはじめとした自社ブランドの運営だけでなく、伝統的な老舗企業のクリエイティブ支援、国内外のD2Cブランドや小売産業や最新テック企業への投資を行う株式会社ハリズリーにご転職された中原さんをご紹介。
新卒から『ライフは二の次、キャリアを優先』をモットーに、事業の核となるプロジェクトのリーダーや新規事業立ち上げなどで国内外問わずグローバルに活躍してきた中原さん。
ライフを心から楽しむパートナーとの出会いと、滞在先の米・ニューヨークでプライベートを大切にするアメリカ人に刺激を受け、ご自身のキャリアとライフを見つめ直すことに。
海外転職を目指すパートナーとの入籍を機に3回目の転職を決意。
フルリモート・フルフレックスで自由に働くことができ、「やりたい」と思える事業を展開する企業へご入社されました。
そんな中原さんの今回のご転職、そしてキャリアとライフにおいて大切にされていることを伺いました。
■本日お話を伺った元ユーザーさん
・中原 瑶貴さん
新卒でマーケティングソリューション会社に入社。自社メディアの広告営業職やカスタマーサクセスを経験。 事業創造ができる環境に魅力を感じ、化粧品通販会社に転職。新卒採用担当としてプロジェクトリードをしつつ、複数事業の立ち上げに従事。その後、海外で新規事業の立ち上げに興味をもち、シェアリングサービス運営会社へ。アメリカでのビジネス展開を単独で担当し、ニューヨークと東京の2拠点生活を送る。ライフイベントに伴い2022年、現職ハリズリー株式会社へ転職。子会社の土屋鞄製造所の新興ブランド「objcts.io」のチームメンバーにジョイン。役割にとらわれず幅広く、ブランドの成長に従事している。今冬より南米地域からフルリモートワークを予定している。
キャリアもライフも大切にする転職を。きっかけは「ニューヨーク」
ーー本日はよろしくお願いいたします!まずは、今回の転職活動を始めたきっかけを教えてください。
当時お付き合いをしていた現在のパートナーとは、もともと東京で同棲をしていたのですが、同じタイミングで転職をし、彼は東海地方、私はニューヨークと東京の2拠点生活になり、離れ離れになってしまいました。
そうこうするうちに、彼との結婚を真剣に考え始め、フルリモートを活用して彼と一緒に住みながら働きたいと考えるように…。
キャリアとライフ、どちらの希望も叶えられる環境で働きたいと思い、転職活動を開始しました。
転職活動を進めるうちに、パートナーからも「海外で仕事をしたい」という話があがり、将来的には海外から働くことを受け入れていただけるような企業を探していましたね。
ーー中原さんが今回の転職でキャリアもライフも大切にしたいと考えるようになったのは?
中正直、2021年まではライフは完全に二の次で、キャリアを優先してきました。
睡眠を2〜3時間確保すれば、あと21時間は仕事ができる!という感じで…(笑)
でも、現在のパートナーは週末に趣味を楽しむために仕事をする、ライフ優先な人間。
そんな彼のキャリアとライフへの向き合い方を近くで見ていて、「常に仕事を優先する私がおかしいのかな?」と思ったりしていました。
そんな時、前職の海外事業立ち上げで渡米し、ライフを重視するアメリカ人たちの生活スタイルに触れ、キャリアに振り切らない生き方を考え始めるようになりました。
例えば、現地の知人はリモートワークのランチタイムに家族とビーチに行ったり、夜ご飯を一緒に作ったりと家族時間をとても大切にしていました。
かといって、仕事はおろそかにせずしっかり頑張る。
限られた時間の中でやるべきことはやり、ライフも楽しむーその姿を見て、「そういう生き方もアリなんだ。」と気づきました。
これまでは21時間働いてたので(笑)、食事や遊びに誘われても断っていたんです。
そのうち、キャリアを優先するあまり、人との繋がりがどんどん希薄になっていくことに、ふと寂しさも感じて…。
家族や自分のために時間を使うことで、キャリアを優先し続けることとは別の意味で得られるものがあるのでは?と思い始めたんですよね。
ーーパートナーの方との出会いやアメリカでの勤務経験が価値観をガラリと変えたんですね。今回は3回目のご転職とのことですが、これまでの転職活動と比べてどのようなご苦労がありましたか?
地方からのフルリモート、将来的に海外からの勤務を希望していたので、ぴったりの条件を提示してくださる企業を見つけるのには、かなり苦労しました。
もちろんコロナ禍でリモートワークを導入している企業はたくさんあります。
ですが、実際に面接でお話を聞いてみると、制度はあるけど実態としてフルリモートしている社員はいない等、“本当に”フルリモートを受け入れてくれて、当たり前になっている企業は少なかったですね。
また、私は仕事へのこだわりとしてD2C企業で、かつ自分がそのプロダクトを好きになれるか、売っているものに誇りを持てるかを重視して企業探ししていたこともあり、エージェントから紹介していただく求人もお断りすることが多かったです。
さらに、私は社会人4年目(当時)ですでに3回目の転職ということもあり、定着懸念などで受け入れてくださる企業があるかどうか、とても不安を感じていましたね。
ーー短期間での転職回数が多いと、そのような不安を感じやすいですよね。中原さんはどのように乗り越えられたのですか?
転職回数の多さが理由でお見送りされるのも精神的に負担が大きいので、転職活動を本格的に始める“最初の一歩”までに6〜7ヵ月かかりました。
その間、モヤモヤしながら目の前の仕事になかなか全力になれない自分がいて、このままではいけないと思い立ち、求人に応募し始めました。
いざ転職活動を始めてみると、それも勝手な自分自身の思い込みだったということに気がつきました。
私の場合は、過去の転職理由も明白で企業側に共感してもらえたこともあり、それほど気にすることではなかったなと振り返ってみて思います。
ーーこれまでの転職理由をきちんと説明できることが重要ですね。
『温故創新』に根ざした仕事、個人の働き方に寄り添うハリズリー
ーーハリズリー社に入社を決めた理由を教えてください。
まず何よりも、条件としていた海外からのフルリモートを快諾していただき、経営陣の皆さんが受け入れる姿勢を見せてくださったことが大きかったですね。
他社の面接では、「海外で働きたい」というと、今は体制が整っていないけど5年後ならできると言われたり、「大丈夫ですよ」と言ってくれても過去にそういったメンバーを受け入れた実績がなかったり…となかなかピンとこなかったんです。
でも、ハリズリーでは、既に海外の企業にたくさん投資をしていたり、アメリカ時間で勤務している人がいたり、フランス在住の方を採用したりと、既に事例がたくさんありました。
ここなら安心して海外からフルリモートで働けるという確信が持てましたね。
その上で、最新のテクノロジーやマーケティング戦略を海外のトップラインへの投資・リサーチから習得して、常に時代の潮流をキャッチしながら日本の伝統文化を継承していく、『温故創新』というハリズリーのスタイルに好感を持ちました。
先ほど、自分が関わるプロダクトを好きになれることが条件だったとお話ししましたが、D2Cは何よりも“モノが良い”ことがスタートライン。
良いモノだから想いを込めて届けることができるし、ハリズリー・土屋鞄のブランドだったら伝えがいがありそう、マーケティングしたいと思えたんです。
最新のものに触れつつ、自社の技術力に誇りを持って世の中にモノを届けられるという環境は、私にとってとてもワクワクするものでした。
ーー実際にご入社されて『温故創新』を感じた瞬間はありますか?
『温故』の面では、とにかく製品に対してのこだわり・クラフトマンシップがすごい。
そのこだわりを絶やさないよう、職人の技術を育てることにも力を入れていて、社内ワークショップや、海外顧客の工房見学、子どもたちに技術を伝承する教室などが開かれています。
現在担当している『objcts.io』では、アメリカの最新Techをかなり活用して事業をつくっています。
創業者でありブランドマネージャーが北米に対して常にアンテナを張っているので、現地のスタートアップの最新情報がかなり入ってくるんですよね。
業務内で最先端のアプリケーションを使う機会もたくさんありますし、会社としてもサービスアップデートに対しての投資は惜しみません。最新のものに自分たちがまず触れて、体感して、評価して進めていく。『創新』を意識した仕事の進め方が根付いていますね。
ーー現在はどんなお仕事に取り組まれているんですか?
入社後、ハリズリー子会社の土屋鞄製造所の新興ブランド『objcts.io』のチームメンバーにジョインしました。
8名と少ない体制のブランドなので、カスタマー領域からマーケティング、海外販売開始に向けたプロジェクトマネージャー等、役割にとらわれず幅広く、ブランドの成長に従事しています。
働き方は在宅勤務ベースで、基本的に東海地方の自宅から平日9:00-19:00で勤務。1~2ヵ月に1度、1週間程度は東京オフィスに出張しています。
(当時)フルフレックスなので、プライベートで予定がある日は少し早めに仕事を始めて、17時半に切り上げてしまう時もありますし、役所手続きや病院など日中に中抜けさせてもらうこともあります。
ーー1日21時間働いていた時からの変化はいかがですか?
基本的に仕事に対する「自分が良いと思ったものを届けたい」という想いは変わらず、働き方の面でメリハリをつけるようになったことが1番ですね。
これまでは毎日タクシーで帰宅するような生活でしたが、午前0時には寝るようになり、時間の使い方がガラッと変わりました。
チームにも「無理をしても新しいアイディアって出てこないよね」「仕事だけじゃない生活を送る方が、会話の中で気づきを得られることが多いよね」という空気が流れています。だから、自然と私もそうしてみよう、と思えますね。
実際、デザイナーはワーキングペアレンツで、家族の事情でどうしてもライフに時間を割かねばならない瞬間があるんです。
そういう個別の事情を階層関係なく、チーム全体でサポートするカルチャーがある。
「今週は午前中は休みで午後だけ稼働します」というのも「いいよいいよ、休みな!こっちは任せて」と言ってもらえる環境です。
ーー今後は南米からフルリモートをされる予定ですが、今のお気持ちはいかがですか?
快諾はしてくれましたが、たくさんの方が動いてくださって叶えられた働き方だと思っています。
だから、しっかり売上をあげて恩返ししていきたいです。時差も大きいので日本時間で働くのではなく、現地時間で日中働くのですが、週に数回はメンバーと直接コミュニケーションとる時間もとりたいので、日本時間のミーティングには参加する予定です。
ーー現在のお仕事のやりがいはどんなところにありますか?
今後、メインで担当する領域は海外に向けての製品販売(マーケティング)になっていくので、しっかりと売り上げを作ってチームに貢献していきたいと思っています。
事業立ち上げやプロジェクトリードの経験を活かして、カオスを仕組みに落とし込み、成功を繰り返し再現できるように、ハリズリーでも体制を整えていきたいですね。
ーーとても頼もしいお言葉ですね。今後のキャリアの展望についても教えてください。
今後はパートナーの仕事の都合上、いつどの国に行くことになるのか分からないので、どんな場所からでも稼げる力を身につけていきたいです。
いまは、人の悩みを解決するようなプロダクトに関わることにやりがいを感じているので、今後もそういった事業を世の中にもっと届けていくお仕事をしていけたら…と思います。
常に自分をアップデートしたい。ライフを大切にすることでキャリアも加速
ーー中原さんがご自身の「キャリア」において大切にされていることって、どんなことですか?
お仕事をする上で「自分がどんな役割で、どんな価値を生むことができているのか」ということは意識しています。
なので、自分がいることで価値を生み出せていることをちゃんと感じられる環境でキャリアを続けていきたいですね。
「楽に働ける会社はいやです」と面接でも話すのですが、ストレッチゾーンにいる20代の今だからこそ、優秀なメンバーが集まるチームや責任のあるポジションで自分を高めていきたいです。
もっと歳をとった時に余裕をもって仕事を楽しめるように、いま自分を叩き上げておきたいんですよね。
そういった環境で仕事をし続けるためにも、まずは足元の成果をしっかりと出し、チームからの信頼を得ることを大切にしています。
常に自分をアップデートしていく必要がある、現状に満足してしまうことがないような場所に身を置いていたいです。
ーーキャリアに対してストイックさを感じるお言葉ですね。一方で「ライフ」において大切にされていることは?
余白を持つことですね。
帰国して、パートナーと同棲し始めたことで、時間に余白を作ることで心の余裕が持てるようになりました。
それまでは自分が好きなことをやるのに罪悪感があったんです。
観たかったテレビ番組やドラマを観ても、何か得られるわけじゃないし…と思ってしまったり。
でも、パートナーがライフを思いっきり楽しんでいる姿を観て、自然と仕事ばかりだった日常に余白ができてきました。
それによって、インプットの時間や頭を整理させる時間が自然と増え、結果的に仕事をより効率的に進められるようになりました。
今は心の余裕を保つために、仕事と私生活のメリハリを付けるように意識しています。
疲れたなと感じたら、思い切って休む!とするようになりましたね。
ーー最後に、これから転職活動をされる方へ一言お願いいたします!
求め続ければ、必ず今の自分にピッタリの環境が見つかるはずです。
「幸運は準備とチャンスの交差点」、私の好きな楽天・三木谷社長の言葉です。今は上手くいかないなと思っても、それはきっと準備中なだけ。
諦めずに進み続ければ、必ず幸運はやってきます。諦めずにやり続けること、それが何よりも自分の味方になるはずです。頑張ってください!
「家族との時間も、キャリアも諦めない」と思ったら、withworkへ
私たちwithworkは、キャリアとライフをトレードオフにしたくないと願う皆さんへの転職支援を行っています。
子育て中でも家庭を犠牲にしない働き方をめざし、自分の理想のキャリアを描いていきたいユーザーさまに、withworkは徹底的に寄り添います。
-STAFF-
企画・構成:XTalent株式会社
インタビュー・文:栗林 杏子(XTalent株式会社)
撮影:森田 純典