2025.11.28

「世界中の明日をつくる」建設業界の変革に挑み、社員の人生の成功も目指すミッションドリブンな組織づくり【SORABITO】

#「働きがい×働きやすさのある企業インタビュー
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ライフもワークも、イキイキとした自分でありたいーーそう望むビジネスパーソンが増えています。だからこそ、働きやすさだけでなく、働きがいも感じられる職場を求めているという声も多く聞かれるようになりました。

そこで今回は、「働きがい×働きやすさ」の両立を実現している企業へのインタビュー企画として、SORABITO株式会社 取締役の中山 良介さんにお話を伺いました。両立を可能にする組織づくりの秘訣とは?

【インタビュアー:XTalent 取締役 東一 圭祐】

(※2025年10月時点の取材内容です)

ミッション「世界中の明日をつくる」に込められた想い

東一 圭祐(以下、東一):
はじめに、SORABITOさんが実現したいミッションについてお聞かせください。

中山 良介さん(以下、中山):
SORABITOは2014年5月に創業した会社で、ミッションとして「世界中の明日をつくる(Construct Tomorrow)」を掲げています。このミッションには、一過性のサービスではなく、世の中に長きにわたって価値を提供し続けるインフラ的な存在でありたい、という思いが込められています。

建設業界は約70兆円規模の超巨大産業ですが、いわゆる「建設業の2024年問題」に象徴されるように、労働人口の減少や技術継承の断絶、現場で活躍される方々の高齢化といった課題が山積しています。生産性のさらなる向上なくしては、まさに「世界中の明日をつくる」存在である建設業は成り立たなくなるでしょう。裏を返せば、こうした構造課題の解決に挑む私たちのようなスタートアップにとっては大きなチャンスでもあると思っています。

東一:
東日本大震災が変化の起点になったというお話もありましたが、そこから意識がどう変わったのでしょうか?

中山:
東日本大震災は創業の3年前に起きましたが、創業者の青木と私は当時まだ大学院生で、将来の事業構想を議論している最中でした。青木は建設業を営む家に生まれ、周囲に工事現場や建設機械がある環境で育ってきた人間です。彼には元々業界で何かしら事業を起こせないかという気持ちはあったのですが、震災を経て「本当にこの業界で価値を生み出さなければならない」という確信に変わったと聞いています。

その後紆余曲折を経たものの、結果的にこの業界で11年もの間続けられているのは、この原体験が大きく影響していることは間違いありません。

東一:
ミッションの「世界中の明日をつくる」という言葉には、中山さんご自身のどのような思いが込められているのですか?

中山:
人生の貴重な時間をかけて取り組む以上、社会的にも自分自身の人生にとっても意義があると信じられることをやりたいと思っていました。

では、本当に意義がある仕事ってどんなものだろうと考えた時に「世界中の明日の景色や人々の暮らしをつくる仕事」だろうと。自分が大事にしているものについて話している中で自然に出てきた言葉だからこそ、10年以上経った今でも違和感無く用い続けられているのだと思います。

建設業界の課題解決へ向けた3つの事業展開

東一:
ミッション実現に向けて、具体的にどのような事業をされているのか教えてください。

中山:
建設DXを推進する企業も増えてきましたが、SORABITOの特色は、2014年の創業以来一貫して建設機械を始めとする「はたらく機械」に軸足を置きつつ業界課題の解決を試みている点です。

はたらく機械はメーカーが製造し、レンタル会社やリース会社が購入したのち、点検や修理を繰り返しながら建設会社によって使用されます。役目を終えた機械は中古車オークションなどを経て二次流通に回り、その後も国内外で再び利用され続けます。そして、最終的に処分されるまでのライフサイクルは、長いものだと実に数十年に及ぶのです。そうしたはたらく機械の生み出す価値を最大化することが業界課題解決の一助となり、ひいては「世界中の明日をつくる」というミッションにつながると考えています。

中山:
創業当初に取り組んだのは、はたらく機械の流通課題です。具体的には、建設機械や車両のオンラインオークションやマーケットプレイスを提供していました。それらの事業を通じて、1新興企業に過ぎなかった私たちが、業界で活躍される方々、特に国内の建設機械の7割超を保有するレンタル会社の方々とのこ゚縁をいただくことができました。

その後、そうした方々の抱えられている課題への理解を活かし、2021年頃からレンタル会社の業務効率化を実現するクラウドサービス群「i-Rental」シリーズを順次開発してきました。i-Rental注文、i-Rental点検、i-Rental受注管理、i-Rental AIから構成される本シリーズは、広く業界の方々にご導入いただいています。

さらにゼネコンを始めとする建設会社の皆さまからのご要望を受け、建設現場での点検業務をペーパーレス化する「GENBAx点検」サービスを提供するに至りました。

そして、これらのサービスを通じて得られた知見やネットワークを存分に生かしつつ現在開発中なのが、「カリモ」というサービスです。これは「借りるをもっと身近に」をコンセプトに展開する、はたらく機械の次世代レンタルプラットフォームであり、全国各地に設けるレンタルスポットや新しい取引の仕組みを通じて、はたらく機械をいつでもどこでも誰でも借りられる世界を目指す取り組みです。

このように、SORABITOは「i-Rental」「GENBAx点検」「カリモ」という3本柱を軸に事業を展開しています。

バリューフィットなしでは、働きやすさや働きがいの実現はできない

東一:
組織づくりやカルチャーづくりで意識されていることをお聞かせください。

中山:
様々な施策や制度に関する工夫も大切ですが、前提として「バリューフィット」が不可欠です。バリューを明確に言語化した上で、それに強く共感する仲間を同じ船に乗せるという入り口の部分が最も大事です。これが成り立たなければ、真の意味での働きやすさや働きがいの実現はできないと思います。

もちろん、せっかくよい仲間を受け入れても、バリュー定着のための具体的な取り組み無しには、バリューを実践する組織文化は生まれません。SORABITOではミッション・ビジョン・バリューの内容やその解釈を社内wiki等に記載した上で、入社オリエンテーション等の場でもメンバーのひとりひとりに私から説明しています。また、採用時の評価基準としてはもちろん、人事評価や日々のコミュニケーション、全社イベントでの表彰においてもバリューに言及し、実際に用いるように設計しています。

東一:
バリューについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

中山:
SORABITOのバリューは「ひとのために」「やってみる」「やりきる」の3つです。

「ひとのために」というバリューには、チームプレイヤーであってほしいという想いが込められています。ここでいう「チーム」は社内はもちろんのこと、顧客やパートナー企業など、SORABITOを取り巻く方々も包含する広い概念です。

個としてどれだけ力がある人でも、全体最適の視点を持ちあわせていなかったり、「チームSORABITO」として成果を出す意識が欠けていたりすると、「世界中の明日をつくる」という仕事に継続性を持たせることは難しい。とても重要視しているバリューです。

「やってみる」というバリューには、せっかくスタートアップに参加し大きな課題の解決を目指すのだから、変化を所与としつつ、日々前向きに、未知への挑戦に取り組む姿勢を持ってほしいという願いを込めています。新しい課題が出てきたときに「また面倒なことになってしまった」と捉える人と、「また価値を生み出す機会を見つけた!」と前向きに捉える人では、出せる成果も成長の幅も大きく変わってくる。SORABITOのメンバーには後者であってほしいです。

「やりきる」は、スタートアップに加わった以上、メンバーのひとりひとりがSORABITOの顔として活躍できるプロフェッショナルであってほしいということです。最初から専門能力や知識を身に付けていてほしいということではなく、強い当事者意識を持って常日頃から課題を見つけ、主体性を持って取り組み、結論が出るまでやりきるような姿勢を持ってほしいということです。

個々人のパフォーマンスを最大化するための環境づくり

東一:
働きやすさと働きがいを実現する職場づくりとして、特徴的な制度はありますか?

中山:
代表的な制度としては「リモート制度」「フレックス制度」「ストックオプション制度」の3つが挙げられると思います。

リモート制度とフレックス制度は掛け合わさって効果を発揮します。リモート勤務は「完全選択制」で、各自がその日にオフィスに行くか行かないかを自由に決めることができます。フレックス制度では、目安となる標準的な勤務時間こそ存在しますが、プライベートの事情や業務の状況に応じて柔軟に対応できます。

これらの制度を導入した結果、週4日以上リモート勤務をしているメンバーが8割以上います。例えば、今日もオフィスにほとんど人がいない状態ですが、地方勤務のメンバーや出張中のメンバーなども含め、各自が力を発揮できる環境を自分でデザインしてもらいたいと考えています。

人によって置かれている環境は様々です。例えば一時的に体調を崩されている人、妊娠中や育児中の人、ご家族の介護が必要な人、あるいは、単に一人の環境の方が集中しやすいという人だったり、私のように出社しないと仕事にならないという人もいます。ライフステージも千差万別です。そうした中では、各自が成果を発揮できる環境をデザインできるような「あそび」が必要だと考えているのです。

最後に、ストックオプション制度です。誰もが自分の人生のオーナーとして、よりよい未来を築きたいと思っていますよね。その人生において、会社は長い時間を過ごす場所です。とすると、職場においてもオーナーシップを持って取り組み、そこでの成功が人生の成功とも結び付いていることが理想的だと思っています。そこでSORABITOでは、バリュー体現し活躍してくれるメンバーには、法改正等も適時に反映した有利な条件のストックオプションを広く発行しているのが特徴です。

東一:
それらの制度に関して、実際に社員の方からはどのような声が寄せられていますか?

中山:
ちょうどフルリモートに関するアンケートを実施中なのですが、これまで集まった声としては、「遠隔地に住んでいるので、移動時間を短縮できて良い」「育児や介護が必要になった際でも安心して働ける」「自分が集中できる環境で仕事ができる」といったものがありました。

その他にも、「花粉症やぜんそくなどの季節特有のストレスを軽減できる」「急な体調不良のときに病院に行きやすい」といった声など、ポジティブに受け止める意見が大半でした。

ただし、これらの制度がゴールだとは全く思っていません。特にリモート・フレックスに関しては、やはりメンバーに一定の自走性が求められる仕組みであることは間違いないでしょう。

バリュー・価値観の共有ができていないと成り立ちませんし、また、柔軟性のある環境の中で、特にジュニアのメンバーが成長できる仕組みを用意できるかといった論点もあります。これらの制度を機能させ続けるためには様々な工夫の余地や留意点があると思っています。

また、決して「柔軟=緩い」と誤解されないようにしたいと思っています。スタートアップとして新しい価値を生み出すことを目指す以上、働くべき時はしっかりと働かなければなりません。これらの制度の柔軟性は、あくまでも自分が成果を出しやすい環境を自らデザインできるようにするために存在するのであり、緩さを求めているわけではないことを強調したいです。

東一:
「パフォーマンスを最大化するための環境づくり」という位置づけなのですね。

中山:
そのとおりです。他にも働きやすさや働きがいを促進するための取り組みはたくさんあります。例えば、社内情報の充実です。スタートアップというと、仕組みも制度もないカオスな状態をイメージされることも多々ありますが、私たちは成果最大化という観点から、管理体制の整備やシステム化にもバランスよく取り組んでいます。

新しいメンバーに驚かれる取り組みの例としては、例えば8,000近い記事が存在する社内Wikiなどがあります。誰も強制していない中で日々自発的に作成・更新が続いており、SORABITOの知の体系が自然に形成されつつあります。

記事の内容は、各種議事録や事業開発の検討内容、社内制度、オフィス周辺のランチ情報まで多岐にわたっています。当初は独りで細々と書き溜めていたのですが、いつの間にか主要な社内文化のひとつになっており、入社した方からは「こんなに情報が充実していてオンボーディングが整っているとは思わなかった」と言われることが何度もありました。

また、リモートやフレックス制度を活用する中でメンバー間の関係性が希薄にならないよう、コミュニケーションを活性化する施策や全社イベントの企画にも力を入れています。手づくりの勉強会なども行われていて、生成AI活用や、資金調達、これだけは押さえてほしいコンプライアンス論点、キャリアプランと成長といった様々なテーマで社内メンバーが講師を務めています。

ミッションに意義を感じられる人と共に、未来をつくりたい

東一:
採用という観点で、どのような方に興味を持っていただきたいですか?

中山:
今SORABITOでは積極的に採用をしていますが、とにかくバリューに共感していただけるかが最も重視するポイントです。その点が確認できなければ、どれだけ能力が高い方でもご縁が無かったのだと諦めますし、逆にバリューフィットが明らかな方であれば、みんな前のめりになって面接に臨むことになります。

世の中には様々な会社が存在する中、SORABITOの掲げるものが唯一の正解だなんて思っていません。採用は売り手市場が続きますし、求職者の方はきっと多くの選択肢をお持ちだと思います。

そんな中でも、SORABITOの成し遂げようとしていることに共感を覚えていただける方、こういうメンバーがいる環境であれば一度話を聞いてみたいと思っていただける方は、ぜひお話しさせていただきたいです。

また、経験の有無にかかわらず、建設業界のスケールの大きさやダイナミズム、そしてビジネスチャンスにワクワクしていただけると嬉しいですね。実はSORABITOメンバーにも業界経験者はほぼおらず、その多くが全く別の業界外からチャレンジしにきてくれています。

最後に、「世界中の明日をつくる」というミッションに意義を感じていただけるかどうかがもちろん大事です。せっかく人生の貴重な時間を費やすのだから、この一大プロジェクトに共感し、携わることに意義を感じていただきたいと思います。

東一:
最後に、「働きがいと働きやすさを両立させたい」と考えている企業へのメッセージをお願いします。

中山:
繰り返し強調してしまうのですが、メンバーにとって働きがいがあり働きやすい環境をつくるに当たっては、リモートやフレックスといった制度それ自体よりも、ミッション・ビジョン・バリューへの共感が重要だと思います。それなしでは、どんな施策も空虚なものになるでしょう。

適切な例えかどうかはわかりませんが、良い家庭が良い家庭たりうるのは、きっと特別な運営ルールがあるからでも家族イベントの回数が多いからでもなく、大切に思うものや価値観を共有できているからではないでしょうか。これは会社という組織でも同じだと思うのです。

会社として大事にしているものであるミッション・ビジョン・バリューが言語化できていないのであれば、まずはそこから着手することを強くお勧めします。その上で、共感してくれる仲間を集め、そのかけがえのない仲間たちに存分に活躍してもらうための制度を考える。この順序だと思います。

一つ、誇りに思っていることがあります。それは、面接を受けてくださった方や、入社を決断してくれたメンバーが口を揃えて「SORABITOでは出会う人みんなが良い人だった」と言ってくれることです。これはバリューに重きを置きながら活動してきたからこそだと思っていますし、この組織風土を大切に育て続けることが、メンバーにとっての働きがいと働きやすさにも繋がってゆくと信じています。

東一:
ミッションやバリューの共感があってこそ、働きがいや働きやすさが生まれるというメッセージですね。本日はありがとうございました。

▶SORABITO株式会社のコーポレートサイトは、こちら

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