2023.12.11

子育て中の共働き世帯で多い悩みは?負担を減らし、仕事と育児を両立するコツ

#共働き
#夫婦円満
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今やスタンダードになりつつある共働き。厚生労働省の「令和4年度版 厚生労働白書」によると、専業主婦の家庭は566万世帯、共働き世帯は1247世帯と、おおよそ2倍になっています。
しかし、「時間的にも体力的にもしんどい…」と、仕事と育児の両立に日々悩む共働き夫婦は少なくありません。

本記事では、そんな育児中の共働き夫婦に多いお悩みと解消法について、筆者自身の実体験も交えながらご紹介していきます。

共働きで子育てするメリット・デメリット

大きなメリットの1つは、収入源が2つになるため経済的な余裕が生まれることです。
子どもの教育費や自分たちが望む理想の生活などを考えると、「片方だけの収入だけでは心許ない…」と感じる家庭も多いでしょう。
また、病気や事故など予期せぬ事態により、夫婦どちらかが働けなくなった際のリスクヘッジにもなります。

デメリットとしては、専業主婦/主夫家庭に比べ、子どもと過ごす時間が短くなったり、仕事と家事育児の両立を余儀なくされるため、親の心身の負担が大きくなることがあげられます。
「子どもに寂しい思いをさせるのでは…」と不安に感じられる方も多くいらっしゃる一方で、日々忙しく働く親の姿をみせることで、子どもの自立心の芽生えを促進するといった側面もあります。

共働きの子育ては大変!多い悩みや不満は?

では実際、育児中の共働き夫婦はどのようなことに悩んでいるのでしょうか?

夫婦のどちらか一方に家事や育児の負担がかかってしまう

最も多いのは、家事と育児の負担がどちらか一方に偏るというもの。
パートナーが激務なことを理由に、相対的に時間に余裕がある方が、家庭や育児に関するほぼ全てを担当する、いわゆる「ワンオペ状態」となっているケースも少なくありません。

子どもの病気で予定通りに仕事が進まない

大人に比べ免疫システムが未熟な子どもは、病気にかかりやすい傾向にあります。
さらに、保育園などの集団生活ではどうしても感染症が蔓延しがち。子どもの突然の発熱などにより保育園から呼び出されると、仕事を早めに切り上げて迎えに行かなければなりません。
さらに、回復まで長引く場合は、病院へ連れて行ったり看病のため、仕事を休む必要も出てきます。
こういった事前にはコントロールできない想定外の出来事により、仕事がなかなか予定通りに進まず、フラストレーションを抱える方も少なくありません。

子どもとの時間が確保できない

平日、子どもともゆっくり向き合いたいけど、食事やお風呂、寝かしつけといった日々の生活のルーティン内での関わりで終わる…。
仕事と家事に追われ、「子どもと過ごす時間も、もっと取るべきでは?」と悩む方も少なくありません。
とくに小学生になると、「宿題を見てあげたいけど、なかなか時間が取れない」といった葛藤を抱える方もいらっしゃいます。
また、授業参観などのイベントも日中の開催が多いため、仕事の調整が必要となり、毎回参加できないことに不満を持つ人も多くいます。

夫婦や一人の時間を確保できない

仕事と家事に加えて子育ての時間がかかるため、夫婦二人の時間を取ることが難しくなってしまうことが多いです。
また、一人の時間や趣味を楽しむ時間は尚更確保が難しくなりがちです。
それらの時間を確保するためには、もう睡眠時間を削るしかなくなってしまいます…。

職場で過度な配慮をされたり、逆に配慮がされなさすぎる

子育てをしているということで、職場からの配慮があり過ぎるあまり限定的な仕事しか振ってもらえないことも。
逆に全く配慮がなく、常にオーバーワークで子育てとの両立が非常にしんどいということも。
短時間勤務とすると時間が限定されるため職場からの配慮も得られて、子育てとのやりくりは比較的しやすくはなりますよね。
ただ一方で、同僚に終わらない仕事をお願いしなければならない場合や、担当できる仕事の範囲が狭くなってしまう場合もあり、仕事の面で達成感を得られにくいこともあると思います。
このように、適切な範囲の職場からの配慮と、共働き夫婦本人たちの仕事面での満足の両方を満たすのは非常に困難なのです。

仕事も子育ても中途半端になっていると感じてしまう

子どものことで仕事を調整したり同僚に頼ったりすることがどうしても多くなってしまいます。
そんな中で「自分は仕事がきちんとできていないのではないか…」と罪悪感を感じてしまう人も多く見受けられます。
子育てにより仕事上の制約があり、キャリアアップを目指すのが難しいことがあります。
また、子どもとの時間が十分に取れていないと、「子育てもきちんとできていない…」と感じてしまい、両立しようにもどちらも中途半端になっていると感じてしまいがちです。

仕事と育児を両立させるためのポイント

それでは、これら挙げてきた悩みを解決するにはどのようにすれば良いのでしょうか?

節目のタイミングで家事育児の負担について夫婦で話し合う

家事や育児の負担が夫婦のどちらかに偏っている場合は、お互いの仕事の状況や会社の中で置かれている立場を分かり合っておきましょう。
それを元にどう分担するのが良いか、二人でコミュニケーションを取って見直してみましょう。

また、一般的に女性の方が育休を長く取ることが多いですよね。
その休職中に家事や育児の負担が女性に偏りがちです。
その負担のまま女性が仕事に復職してしまう傾向が強いので、復職のタイミングで夫婦で分担を話し合ってみることもお薦めします。
近年、男性で育休を取得する方も多くなっていますね。
その場合も、休みに入るときや復職のタイミングで、改めて分担について話し合ってみると良いと思いますよ。

時短家電を導入したり、家事の代行サービスを利用する

家事負担を減らすためには、時短になる便利な家電を導入したり、家事の代行サービスを使える環境にある方はそれも利用してみましょう。
買い物もネットスーパーや宅配サービスを使うと、時間を短縮できますよ。
とくに、「外注ではなく自分がやるべき」と思ってしまい、利用するには心理的なハードルが高いかもしれません。
ただし、抱えすぎているものを手放すマインドを持てると一気に楽になります。
外注できるものは外注をして、子どもとの時間や自分にしかできない仕事の時間に充てることも良いと思いますよ。

周囲の人や行政・民間のサービスを頼る

夫婦2人ではどうしても解決できない場合、周囲の人を頼ってみてください。
実家が遠くて親を頼れないという場合でも、自治体で子どもの送迎や預かりをするファミリーサポートの事業を行っていたり、ベビーシッターの費用補助を行っている場合もあります。民間のベビーシッターのサービスを利用するのも良いと思います。
また、日頃から職場ともコミュニケーションを十分に取っておき、同僚と仕事の調整ができる関係性の構築を。
どうしても困ったときに大事ですよ。

完璧にこだわらない

何事も真面目に頑張っている人ほど、仕事も育児も完璧にこなしたいと思ってしまいがち。
ただし、時間は有限。
自分の意識を変えて、「完璧に終わらせなくてもOK」と考えられるようになっていきましょう。
そうすれば、やらなくて良いことを捨てて、本来やるべきことに労力を集中させられるようになるでしょう。

夫婦間でのコミュニケーションを大切にする

子育て中の共働き夫婦にとっては、子どもが会話の主題になりやすい傾向があり、そもそも2人で話す時間も取りづらいかもしれません。
ただし、夫婦間での建設的なコミュニケーションを維持していただきたいです。
お互いの仕事の話をして理解があれば、家事や育児の役割分担も柔軟に決めやすいですよね。
お互いへの不満があっても、コミュニケーションがあれば不満を解消するきっかけにできると思いますよ。

柔軟な働き方ができる環境にシフトする

現状が、仕事と家庭を両立しにくい職場環境であるならば、転職や社内異動などを検討することは、お悩み解決のためのソリューションになるでしょう。
2023年の春以降、コロナ禍が落ち着いて出社回帰の会社が増えてきていますね。
一方で、引き続き柔軟な働き方の制度が整っていて、リモートワークやフレックスタイム制などが使える会社も多くあります。
出社が必須に戻ってしまい、「負担が増している…」という場合は、思い切って転職という選択肢を検討してみるのも良いと思いますよ。

仕事と家庭の両立を目指すための転職ならば、そうしたニーズに理解のある転職エージェントに相談するのもおすすめです。
たとえば、withworkでは、「キャリアとライフをトレードオフにしない」をコンセプトに、ワーキングペアレンツ向けに柔軟な働き方が可能な求人を厳選してご紹介しています。
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共働き世帯の子育てが大変な時期は?

ここからは、子どもの年代によって共働き世帯がそれぞれどんなことが大変なのか見ていきましょう。

保育園の入園前

乳児期は慣れない赤ちゃんのお世話をしながら、夜間の授乳や夜泣きの対応など、なかなか十分に睡眠を取れないことが辛いです。
また、この時期働いている女性は育児休職を取っていることがほとんどです。
いきなり社会との繋がりがなくなる疎外感や、一人で1日中赤ちゃんの面倒を見るしんどさを感じてしまうこともあります。家族や自治体など、使える支援は積極的に使うと良いのではないでしょうか。
保育園に入るための、いわゆる「保活」に精力的に取り組まなければならない地域もあります。
おすすめしたいのが、早めの園見学です。
距離的に毎日の送り迎えができるか、好ましい保育環境か、教育方針含め園全体の雰囲気はどうかなど、実際に見てみないと分からないことだらけです。
保育園の申し込み時期より前から、複数の気になる園の見学をしておくと、いざ書類提出時に慌てずに希望の園を決めることができると思いますよ。

保育園

保育園に入れたとしても、持ち物の準備といった新たな作業が発生します。
また、体調が悪くなると保育園に預けられなくなるため、日々子どもの体調と仕事との板挟みになることは多いと思います。
子どもが保育園に行くのを嫌がる、泣く泣くという様子であった場合、「そんな子どもを背に会社に行くのは正しいことなのか」、「そこまでして働く必要があるのか」と後ろめたさを感じてしまう方もいるでしょう。
そのような状態ですと、仕事の内容自体に対して疑問を感じてしまいますよね。
前向きに取り組める、充実感が感じられる仕事は何なのか、改めて考え直してみることも良いのではないでしょうか。

小学校

小学校は保育園よりも時間が短いため、放課後の過ごし方を考えなければなりません。
そういった多くの小学生が使うのは、学童保育です。
その他の保育園と小学校の違いは長期休み。その間はお弁当を用意しなければならない場合もあり、保育園時代より手がかかってしまうこともあります。
そして、小学校高学年になると、学童保育も利用できなくなってしまう場合もありますので、その際の預け先も考えなければなりません。

また、小学生は家で勉強を見てあげることが求められていたりと、親の責任が保育園時代よりも求められる傾向にあります。
すでに子どもの意思があるので、親が勝手に決めるのではなく、子どもと意思疎通を図りながらやりくりを決めていくことが大切になってくると思います。
小学校に入ると短時間勤務ができなくなる会社もあるため、フルタイムに戻しても両立できるようなやり方もぜひ考えてみてください。

【具体例あり】共働き世帯の家事育児の分担

さて、共働き夫婦はどのように子育てと仕事・家事を両立しているのでしょうか。
夫婦それぞれの仕事のスケジュールを加味して分担を決めると良いと思います。
どちらかが得意であったり好きな家事がある場合、また逆にどうしても苦手であったり嫌いな家事がある場合、それらを加味して分担ができると良いですね。
逆にはっきりと分担は決めずに、緩やかにお互いがやる家事を分担しておくやり方も。
忙しいときは二人で行うなど融通を効かせるやり方もあります。明確に担当を決めておくと相手がそれをできなかった際にイライラしてしまいがち。
そのようなことを防げるというメリットがあります。

分担例

▼平日
・夫:朝のゴミ出しと子どもの保育園への送り、夜は夕飯後の片付け、洗濯機を回すこととと子どもの寝かしつけをする。
・妻:朝食の支度と片付けをし、夕方子どもの保育園への迎えをして夕飯の支度とお風呂を担当する。

 

▼休日
家族で買い出しに行き、夫婦で作り置きできるおかずを数品一緒に作る。また夫が水回りの掃除をし、妻が家全体の掃除機がけをする。

まとめ

子どもの年齢が上がれば、それに比例して子育てが楽になるというわけではなく、年代によって悩みの種類が変わってきます。しばらくは続く大変な時期。だからこそライフもワークも納得のいくものにできるよう、自分が何に時間と労力を割くべきか見極めながらキャリアを重ねられると良いと思いますよ。
置かれた状況によって仕事に求めるものや考え方は変わってきます。現状にもやもやするのであれば、定期的な自身のキャリアの棚卸しと、将来のありたい自分の姿を考えてみましょう。

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監修 / 吉田 悠平

クリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社へ入社。NPOへの転職を経て出戻り、IT・ベンチャー領域のビジネスパーソンのキャリア支援を担当。web3ベンチャー企業で採用人事を担ったのち、withworkへ参画。withworkでチームリーダーとして従事。デザイナーのポートフォリオ添削や、ITベンチャー領域のBizやクリエイティブに関わっている方のご支援を得意としています。共働きで、1児の父。

ライター / 青木 奈々子

スタートアップ企業の人事。新卒で大手メーカーに就職し、現在はスタートアップ2社目。3社とも環境が異なる中、一貫して人事を担当。これまで採用、評価、労務、給与、教育、ダイバーシティ推進など、人事領域を幅広く経験。学生時代は、2年間留学をして英語漬けの日々。プライベートでは、国家資格キャリアコンサルタントとして活動中。趣味はランニング、ビール、猫。特技は、英語とガッツ。0歳男児を子育て中の30代。

この記事の監修者
吉田 悠平

クリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社へ入社。NPOへの転職を経て出戻り、IT・ベンチャー領域のビジネスパーソンのキャリア支援を担当。web3ベンチャー企業で採用人事を担ったのち、withworkへ参画。withworkでチームリーダーとして従事。デザイナーのポートフォリオ添削や、ITベンチャー領域のBizやクリエイティブに関わっている方のご支援を得意としています。共働きで、1児の父。

この記事のライター
青木 奈々子

スタートアップ企業の人事。新卒で大手メーカーに就職し、現在はスタートアップ2社目。3社とも環境が異なる中、一貫して人事を担当。これまで採用、評価、労務、給与、教育、ダイバーシティ推進など、人事領域を幅広く経験。学生時代は、2年間留学をして英語漬けの日々。プライベートでは、国家資格キャリアコンサルタントとして活動中。趣味はランニング、ビール、猫。特技は、英語とガッツ。0歳男児を子育て中の30代。