2023.12.8

「なぜ私ばかり…」共働きの家事分担は不満だらけ?解消して円満に暮らすコツ

#共働き
#家事・育児
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生活のために必要な身の回りの家事。夫婦間で分担できていますか?
専業主婦世帯が減少し、すっかりと共働き家庭が主流といっても過言ではなくなってきた近年。
経済面においても、大黒柱2本体制で回っている世帯も少なくありません。

それに伴い、家事の分担に関して、お互いが納得のいくスタイルやフェアな体制を築いている夫婦も増えてきた一方で、まだまだ女性側に偏りがあるのも事実。
「仕事と家事育児でとにかく休む時間がない毎日。体力的にも精神的にも限界!」「同じ正社員・フルタイム勤務という状況なのに、なぜ私ばかりに負担が偏っているんだ…」とパートナーに大きな不満を感じている女性も多くいらっしゃいます。

本記事では、家事分担がうまくできない理由や円満に解決していくヒントについてお届けします。

共働き夫婦の家事分担の比率

2021年、男女共同参画局が共働き世帯を対象に実施した調査によると、1日のうち女性は約14%を家事に費やしているのに対し、男性は約3.5%のみという実態が分かりました。
また、リンナイが2018年に行った調査によると、世界5カ国(※)で約8割が「夫婦で家事を分担している」と回答しましたが、家事を分担していない国1位は「日本」でした。
日本でもジェンダーギャップは見直されているものの、まだまだ女性の方が家事を担っている傾向があります。

(※)日本・韓国・アメリカ・ドイツ・デンマーク

家事分担がうまくいかない理由

家事分担が上手くいかない理由には、どんなことが挙げられるでしょうか?
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)によって「家事=女性がするもの」という価値観に縛られてしまっている場合もあるかもしれません。
妻側の不満・夫側の不満を例に挙げて、お互いストレスなく過ごすためにはどうしたらよいか、考えてみましょう。

妻側の不満

妻側から、よく挙がる不満は下記の通りです。
それぞれ対策とともに考えましょう。

女性がやるのが当たり前と思われ、負担が大きい

専業主婦が主流だった、「家事は女性がやるもの」という親世代の価値観が、無意識にパートナーにも引き継がれている可能性があります。
同じように働き、同じ家に住んでいるのに、妻側が多く家事をしなくてはいけない。
改めて考えると不思議な感じがしますね。

親世代の価値観は、男性側だけでなく女性側にも刷り込まれている可能性が大いにあります。
結婚し、きちんと家事の分担について話し合わないまま、妻側が家事を多く負担しているというケースも少なくないのではないでしょうか。
夫側もその状態が当然となっている可能性があるので、改めて話し合ってみる必要がありそうです。

言わないとやらない

「言わないとやらない」ケースは、家事分担しているにも関わらずやらないのか、気づいた人がやるという決まりのなかでやらないのか。
どちらかによっても、対策が異なりそうですね。
そもそも、夫側が「自分の仕事」と気づいていないようだったら、「これはあなたの仕事だから、お願いね」と伝えることで、変化が起きそうです。

また、気づいた方がやるという決め方の場合「言わないとやらない」は、もしかしたら妻側のジャッジかもしれません。
家事慣れしている女性の方が、“していない家事”に早く気づくのは当たり前です。
ここは気になってもじっと我慢。夫の行動を待ってみるのも、ひとつの手ではないかと思います。

それでもやらない場合、夫側は「妻の仕事」と思い込んでいる可能性があります。
「気づいた方がやる」と曖昧にしておくよりも、担当をはっきりさせたほうが夫側も動きやすいかもしれませんね。

夫に任せても、希望通りにできていない

「共感続出!」の不満かと思います。

  • 洗濯を伸ばさず干して、乾いたらシワシワ
  • 食器の汚れが落ち切っていない
  • 食器は洗ってくれたけど、シンクまで洗ってくれない

など、挙げたらキリがありません。
物申したくなりますし、自分でやった方が良い!と思う人もいるでしょう。
仕上がりの基準が異なると、どうしても摩擦が起きますよね。これも、とことん話し合って擦り合わせていくことが重要だと思います。

「またできてない!」と怒る前に、「もういい自分でやる!」と自ら家事負担を重たくする前に、ぜひお互いの気持ちを話し合ってください。
“仕上がりの基準”の共有をおすすめします。

夫側の不満

夫にも言い分があることを無視してはいけません。
夫側のよくある不満は下記の通りです。
その裏に潜む意識と、それぞれの対策を考えてみましょう。

何をすれば良いのか分からない

妻側からすると「は? 何言っているの?」という気持ちですね。
家事をしたことがない男性の場合は教える必要がありますが、今は一人暮らし経験のある男性も多いです。家事経験ゼロという人も少数派ではないでしょうか。
では、なぜ「何をすれば分からない」状態になってしまうのか…。

ここで思い返していただきたい。家事の基準が、妻側の価値観になっていませんか?
忘れてはいけないのが、妻と夫は育った環境が違うということです。

たとえば、

  • バスタオルは毎日洗濯
  • 水回りの掃除は父親担当
  • 日曜日の床掃除は父親担当

という家庭で、妻が育ったとします。

そして夫は、

  • バスタオルは数日同じものを使う
  • 水回りの掃除はすべて母親担当
  • 曜日関係なく床掃除は母親担当

という家庭で育っていたとしたら、どうでしょう?

妻側に「バスタオル洗濯してよ」「水回りの掃除やってよ」「日曜日くらい床掃除してよ」という気持ちが芽生えそうな気がしませんか? 
でも、心の中にそれをしまっていたとしたら…? 
一生分かり合えません。
つまり、「妻側の基準が分からない=何をすれば良いか分からない」という事が起きそうです。

まずは、夫に何を分担してほしいのか、明確に伝えましょう。
夫側に「これは自分の仕事」と意識づけできれば、率先して動いてくれる可能性もありますね。

家事をやっても細かく指摘される

妻側の不満にあった「夫に任せても、希望通りにできていない」の裏返しですね。
せっかくやった家事についてあーでもない、こーでもないと小言を言われたら、それは嫌になります。
お互い、どんな言葉をかけ合う必要があるでしょうか。

とある夫婦と親子の実話を参考に、考えてみましょう。

(▼夫婦のはなし)

洗濯物を畳むのが苦手な妻。それでも頑張って夫の服を畳んでわたしたところ…。無言で畳み直されてしまいました。その時の妻の気持ちは「もう夫の服は畳まない!」だったそうです。「せめてお礼を言ってよ…。畳み直すなら、見ていないところでしてよ…。」と思いませんか?

(▼親子のはなし)

ある日、洗濯物が残っていることに気づいた子ども。いつも忙しい母親のために、洗濯しよう!と思い立ちます。残っている洗濯物を、洗濯機でガラガラと回しました。洗濯を干していると、母親が向かって来ました。子どもは内心「褒めてくれるかな?」とドキドキしています。そこで母親が子どもに言った言葉。「この服、洗濯機で回しちゃったの!?クリーニングに出そうと思ってたのに!あ〜素材がボロボロ。なんで、いつもはしない余計なことしたの?信じられない!」子どもの心は折れました。もう2度と手伝わないと心に誓いました。

いかがでしょうか?
怒りに任せた態度や言葉は、相手の心を折ってしまいます。
そして、する側も注意が必要。良かれと思ってやったことも、相手にとっては“してほしくないこと”かもしれません(いつもやらないことは、特に注意)。
2つの例に足りないのは、どちらもコミュニケーションだと思いませんか?

仕事が忙しくて疲れている

この例は、ひと言で片付けられます。
「仕事が忙しくて疲れているのは、妻も一緒です!」
以上。

いやいや、稼ぎが違うから…。
いやいや、妻の方が早く帰っているし…。

そんな声が聞こえてきそうです。
「家事=無償労働」といわれていますが「労働」であることはかわりありません。
さらにいうと、無償だからといって価値がないわけではありません。

もしも、今と同じ環境で妻側の方が稼ぎがよかったら、夫側が家事のすべてを担うのでしょうか? 
稼ぎ云々ではなくて、女性がするものという価値観を持っていませんか? 
家事を分担できたら、妻はもっと働きたいと思っているかもしれません。

もう一度言います。
「仕事が忙しくて疲れているのは、妻も一緒です!」

夫婦で家事分担することで得られる効果

夫婦で家事を分担することで得られるメリットについて、紹介します。

負担が偏っている側のストレスが減る

多くの場合、妻側が家事の負担を請け負っていると思います。
洗濯は夫、料理は妻など分担できれば、それだけで気持ちが軽くなりますね。
空いた時間「子どもと向き合う時間が増える」「家事のことを考えず仕事に集中できる」など、メリットしかありません。

会話やコミュニケーションのきっかけになる

お互い不満を貯めこまないためには、コミュニケーションが必須です。
家事分担をすることで共通の話題ができ、会話のきっかけになります。
分担をたまに交換しておくと「今日はあれやっておいたよ」「今週忙しいから、やっておいてくれる?」など、お互い臨機応変な対応ができそうです。

お互いに感謝の気持ちが芽生える

妻側は自分の負担だった家事を手分けできてありがたいな、という気持ちが芽生えます。
夫側も、自分が担当することでそれまで妻がやってくれていたことに気づけますね。
自然に感謝の言葉が飛び交う家庭、素敵です。

共働き夫婦が円満に家事分担をするコツ

実際に家事分担をするにあたって、どう割り振ればお互い納得できるでしょうか?
円満に分担するコツをお伝えします。

少し前にメディアやSNSで飛び交っていた「名もなき家事」というワード。
「ゴミ捨て」という家事ひとつとっても、「ゴミ箱から袋を外して結ぶ」「ゴミ箱を拭く」「新しい袋をつける」「ゴミ捨て場に捨てる」という作業が発生します。
どの家事についても、この一連の作業をすべて書き出して見える化することが、家事分担の第一歩です! 
どんなに小さなことでも洗い出して、すべての作業について誰が担当するか決めましょう。

「ゴミ捨て場に捨てる」だけを夫の分担にするのもアリですが、その場合でも「この一連の動作すべてがゴミ捨てという家事だよ」と伝えましょう。
夫側の「ゴミ捨ては自分がやっている」という気持ちが「一部を担っている」に変化すると、妻側の負担を理解してもらいやすいです。

面倒ですが、最初頑張ればあとはリスト通りに分担するだけ。
やってみて、それでも負担に差がある場合は、ときどき見直すといいですね。

家事を相手がしたときは感謝をする

家事は、その家に住む全員が快適に過ごすために必要なことです。
たとえ小さなことでも、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
どんなことでも「ありがとう」と言われたら嬉しいものです。
多少至らない点があっても、まずは感謝を忘れずに。

相手の家事のやり方に細かな口出しをしない

相手の気持ちになって、かける言葉を考えましょう。

「不得意だけど、家族のために頑張ってくれた。」
「たとえ失敗しても、いつもは気づかない部分をやろうとしてくれた。」

そう考えると、細かいことよりも感謝の気持ちの方が大きくなりませんか?
相手には相手のやり方があります。その方法にどうしても納得できない場合は、怒りの感情を抑えて、冷静に話し合いましょう。

それぞれが得意な家事を担当する

家事といっても幅広いですよね。それぞれが得意な家事を分担するとスムーズです。
ただ、妻側に負担が偏ってしまっては元も子もないので、お互い納得できる範囲で決めましょう。
それこそ“名もなき家事”を夫担当にするのもいいですね! 
どんどん妻側の負担を手放していきましょう。

そもそも家事に割ける時間がない場合、どうする?

夫婦ともにフルタイム。残業も多くて、お互い家事に割ける時間がない…という場合もあるでしょう。
そんなときは、下記の方法を試してみてください。

やらなくても良い家事がないか考える

潔くやめられる家事はないか? 
考えてみましょう。

たとえば、洗濯物を畳むこと。
これは必ずしも必要かといえば、そうではないですよね。

  • すべて吊るす収納に変える
  • 下着や靴下など小さいものは畳まない!

という選択で「畳まない」は実現可能です。

休日などにまとめてやる

平日は家事をしない!と割り切ってしまうのも、ひとつの方法です。

  • 掃除・洗濯は週末にまとめる。
  • 料理は週末に作り置きをしておく。

など工夫して、仕事で忙しく時間がない平日の負担を減らしてみましょう。

便利家電を活用する

「週末にまとめても結局負担は同じだし、そもそも家事をすること自体が面倒!」
「自分の手を空けたい!」
という方もいるでしょう。
そんな方には留守の間でも勝手に家事をしてくれる便利家電をおすすめします。

代表的なものは、

  • 掃除機機能・床拭き機能のついたお掃除ロボット
  • 素材を放り込んでおくだけで出来上がる調理家電
  • 干す手間を削減できる洗濯乾燥機
  • これらを取り入れるだけでかなり時短になりそうです。

仕事している間に掃除・洗濯・料理が終わっているとしたら…。
かなりハッピーではないでしょうか?

家事代行サービスを利用する

「お掃除ロボットは、家が片付いていないと稼働できない…。」
「調理家電は、結局素材を切る手間がかかる…。」
「洗濯乾燥機にいれたくない服ばかり…。」
という方もいるのではないでしょうか?

そんな方はロボットではなく「人の手」を借りましょう!
家事代行サービスを利用すれば、プランに合わせて家事を依頼できます。
掃除だけでなく、料理を1週間分作ってもらえるサービスなどもあるので、負担になっている家事から依頼してみるといいですね。

プライベーも両立できる企業へ転職する

家事は自分たちでやりたいけど、どうしても時間がない…。
そんな場合は、ワークライフバランスを根本から見直してみましょう。
プライベートと仕事を両立できる企業への転職も、ひとつの手です。
私たちwithworkでは、共働き&子育て世代の仕事と家庭をトレードオフにしない、新しい働き方を支援しています。
キャリアも、家庭も大事にしたい方に徹底的に寄り添い、その方に合わせた柔軟な働き方が可能な企業を厳選してご紹介しています。
ぜひお気軽にLINE登録&ご相談くださいね。

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まとめ

「家事=女性」という価値観は捨て去りたいもの。
心地よく暮していくために、夫婦で価値観を共有しながら、それぞれのカタチを創り上げてください。
夫側が家事を担当することで、無意識に持っている女性への価値観を見直すことにもつながりそうです。
家事を担う男性が増えることで、家庭だけでなく会社や組織にとっても、いい影響になることを願っています。

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監修 / 吉田 悠平

クリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社へ入社。NPOへの転職を経て出戻り、IT・ベンチャー領域のビジネスパーソンのキャリア支援を担当。web3ベンチャー企業で採用人事を担ったのち、withworkへ参画。withworkでチームリーダーとして従事。デザイナーのポートフォリオ添削や、ITベンチャー領域のBizやクリエイティブに関わっている方のご支援を得意としています。共働きで、1児の父。

ライター / 川瀬 美智子

フリーランス編集&ライター。新卒で一般企業の経理職に就くが、何か合わない…と転職して雑誌編集者に。出版業界で約14年間働き、2023年独立。経験社数4社ということもあり、転職は大賛成派。ジェンダーギャップに敏感で、まずは家庭内男女平等を目指して奮闘中。趣味は旅行でフットワーク軽めの1児の母。

この記事の監修者
吉田 悠平

クリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社へ入社。NPOへの転職を経て出戻り、IT・ベンチャー領域のビジネスパーソンのキャリア支援を担当。web3ベンチャー企業で採用人事を担ったのち、withworkへ参画。withworkでチームリーダーとして従事。デザイナーのポートフォリオ添削や、ITベンチャー領域のBizやクリエイティブに関わっている方のご支援を得意としています。共働きで、1児の父。

この記事のライター
川瀬 美智子

フリーランス編集&ライター。新卒で一般企業の経理職に就くが、何か合わない…と転職して雑誌編集者に。出版業界で約14年間働き、2023年独立。経験社数4社ということもあり、転職は大賛成派。ジェンダーギャップに敏感で、まずは家庭内男女平等を目指して奮闘中。趣味は旅行でフットワーク軽めの1児の母。