2024.5.15

「保育園の洗礼」いつまで続く?突然の呼び出しが多い時期と対応手順、やっておくべきこと

#仕事と育児の両立
#育休明け
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育休から職場復帰し子どもを保育園に通わせ始めると、呼び出しが多くて驚いたという方もいらっしゃるのでは。
当然個人差はありますが、想定以上の多さに「保育園の洗礼」と呼ばれることも…。
本記事では、呼び出しが多い時期やかかりやすい感染症、突然の呼び出しに備えてやっておくべきことについてご紹介します。

保育園の呼び出しはどんな時にくる?

具体例をまじえながらよくあるパターンをご紹介します。

発熱

保育園により異なりますが、基本的には厚生労働省や子ども家庭庁の感染症ガイドライン(参照)にのっとり、「37.5度以上」もしくは「38度以上」の発熱があった場合に呼び出しがくる場合が多いです。
withworkで行った調査アンケートでは、94.1%の方が「最も多かった呼び出しの理由」として「発熱」と回答しています。

嘔吐・下痢

嘔吐・下痢で呼び出しをされる場合も多いです。
先ほどの調査アンケートでは、「2番目に多かった呼び出しの理由」として、「嘔吐・下痢」と回答している方が約半数を占めていました。

原因不明の発疹

発疹ができ、それが時間の経過とともに増えている場合は保育園から呼び出しがくることが多いです。
子どもの発疹は、例えば、突発性発疹やあせも、じんましんなど種類は様々ですが、病院を受診しないと原因がわからないことも多々あります。

集団感染の疑い

コロナウイルスやインフルエンザなどの集団感染の疑いがある場合には、自身の子どもが元気であっても呼び出しが来る可能性があります。
また、集団感染を広げないために、クラス単位で学級閉鎖になったり、数日間、保育園を閉園することもあります。

ケガ

保育園にもよりますが、多少の擦り傷やたんこぶだけでは、呼び出しがされることは少ないです。
骨折や捻挫など、病院を受診しなければいけないほどのケガの場合は、もちろん呼び出しがあります。

災害

地震や台風などの災害時にも、呼び出しがあります。
どの程度の災害があった場合に呼び出しがくるかは各保育園で事前に決められていますが、厚生労働省により基準を統一する動き(参照①参照②)があります。
また、災害の規模によっては避難所へお迎えに行くということもあるでしょう。
通園している保育園の避難所がどこなのか、あらかじめ確認しておく必要がありますね。

子どもの主な感染症

子どもは大人に比べて免疫力が低く、様々な感染症に感染します。

感染性胃腸炎

ウイルスや細菌に感染した場合に起こる病気です。
ウイルス性は、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなど、細菌性は、カンピロバクターやサルモネラ菌などがあります。
ウイルス性は冬に、細菌性は夏に流行しやすいと言われています。
症状は、発熱、下痢、嘔吐、腹痛などです。
症状がおさまれば登園できますが、便の中にはしばらくウイルスや細菌が残っているため、移らないように注意が必要です。

インフルエンザ

38度以上の発熱や、関節痛、倦怠感などの症状が起こります。
気温が低く、空気が乾燥している冬場に流行します。
大人よりも重症化しやすいため、早めの受診が必要です。
文部科学省の学校保健安全法によると、インフルエンザで保育園を欠席する場合は、発症後5日を経過し、かつ解熱後3日間は登園できないことになっています。

手足口病

症状として、口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹ができることが特徴で、発熱することもあります。
ウイルスが活発になる夏場に流行します。
明確な登園停止期間の基準はないため、発熱がなく、全身の状態が安定し、食欲もあるのであれば、登園を可能とする保育園が多いでしょう。

ヘルパンギーナ

ウイルス性咽頭炎の一種で、喉に小さな水ぶくれができて、発熱の症状が起こります。
初夏から秋にかけて流行しやすい病気で、いわゆる「夏風邪」と言われます。
症状がおさまれば登園できますが、便の中にしばらくウイルスや細菌が残るため、移らないよう注意が必要です。

RSウイルス

呼吸器の感染症で、症状としては、発熱や鼻水などが数日続きます。
とても感染力が強いため、大人も移らないように注意する必要があります。
流行時期は従来秋から冬にかけてが中心でしたが、近年では夏季から秋にかけての早期流行が目立っています。
子ども家庭庁の感染症ガイドラインでは、登園の目安について「呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと」としています。

マイコプラズマ肺炎

こちらも呼吸器の感染症のひとつです。始めは頭痛や倦怠感が起こり、発熱を伴う場合もあります。
少し遅れて、頑固な咳が続くのが主な症状です。
年間を通じて発症しますが、とくに冬場に感染しやすい病気です。
発熱がなくなり、激しい咳がおさまれば登園可能とするところが多いです。

呼び出し回数が増える時期

これまで、保育園からの呼び出しの理由や子どもの主な感染症ついてお伝えしました。
それでは、保育園からの呼び出しが増える時期はいつなのでしょうか。
アンケート結果を踏まえてお伝えします。

入園して間もない時

まず入園して間もない時は、呼び出しがくる回数が多い傾向があります。
理由は、新しい環境に慣れるまでに子ども自身が時間がかかり、体調不良になりやすいこと、初めての集団生活で病気をもらってくる機会が増えることが考えられます。

冬(12~2月)

呼び出しが多かった時期として、最も多く回答されていたのが冬場です。
アンケートでは、約半数の方が「冬場が最も呼び出しが多かった」と回答しています。
インフルエンザやマイコプラズマ肺炎など、多くの感染症の流行時期と重なるためだと考えられます。

夏(6~8月)

6月から8月にかけて呼び出しが多かったと回答している方も多くいらっしゃいました。
この時期は、手足口病やヘルパンギーナの流行時期とも重なるため、感染症にかかりやすい時期であると考えられます。

呼び出し後の対応手順

それでは、実際に保育園から呼び出しをされた時にはどのような対応をすれば良いのでしょうか。
具体的に手順を追って説明します。

誰が迎えに行くか、その後の対応を決める

保育園から呼び出しがあった場合、まずは誰が迎えに行くかを決めます。
アンケート結果では、半数近くの方が「ほぼ母親が迎えに行く」と回答していますが、父親や祖父母、それ以外の方が迎えに行ける場合は、誰が迎えに行ってその後の対応を行うかを決める必要があります。

上司や同僚に報告する

続いて、迎えに行く方は上司や同僚に早退の報告をしたり、仕事の調整をします。
緊急の業務があるか、ある場合は上司に対応を相談、依頼も必要になりますね。
また、次の日もお休みをする可能性があるため、次の日に緊急の業務があるかまで確認しておくと良いでしょう。
迎えにいかない方も、早めに帰宅できるのか、次の日の予定はどうなっているのかを確認しておきます。

移動

報告や仕事の調整が終わったら、職場から保育園へ向かいます。

病院の空き状況の確認

例えば、移動が電車の場合、時短のため移動中に病院の空き状況の確認をする方が多いようです。
お迎えの時間帯によってはかかりつけの病院の診察時間が終わっている可能性があるため、緊急度に応じて、夜間救急も視野に入れて調べましょう。

お迎え

病院を受診するかどうかを決めて、受診する場合、予約可能であれば済ませておき子どもを保育園で引き取ります。

病院の受診

必要に応じて子どもと一緒に病院を受診します。
薬が必要な場合は処方箋を受け取って薬局で薬をもらい帰宅します。

帰宅&子どものケア

帰宅したら、必要に応じて子どもに薬を飲ませたり、塗り薬を塗ったりします。

明日以降の準備

次の日も登園できない可能性がある場合は、仕事の調整を行う必要がありますね。
夫婦で次の日の予定を確認し、仕事を休むことができない場合は、祖父母やベビーシッターなど、預かり場所の確保等を行います。

突然の呼び出しに備えて、やっておくべきこと

突然やってくる保育園の呼び出しに備えるために、どんなことをやっておくと良いでしょうか。

職場に事情を説明する

子どもの体調不良で突発的に早退やお休みをする可能性があることは、事前にお伝えしておくと良いですね。
普段から同僚や上司と信頼関係を築いていると、突発的な早退やお休みにも理解を示してもらいやすくなるでしょう。
また、職場の上司や同僚があまり呼び出し時の大変さについての理解が深くない場合は、あまり快く思ってもらえないこともあります。
その場合は、客観データもまじえながら説明するとよいかもしれません。

  • 子どもの入園時の年齢を問わず、免疫力の低い保育園児は感染症にかかりやすく、とくに入園して間もない頃や冬場は呼び出し数が多い
  • ただし、子どもの年齢が上がるにつれて、呼び出し数は減っていく
  • たとえ子どもが元気になったとしても、登園制限などにより、自宅保育しなければいけないこともある

夫婦で役割を決めておく

夫婦で役割を決めておくことも一案です。
どちらか片方に負担が偏ってしまわないように、事前に話し合いをしておくと良いですね。
実感値として、最近は父親が迎えに来ることも増えましたが、まだ母親がお迎え担当のご家庭が多いようです。
片方に負担が偏っている場合は、例えばその日の家事はもう片方が担当したり、次の日は仕事を休むなど、柔軟に対応できると良いですね。

朝食時など、夫婦でスケジュールを共有しておく

子どもの体調が不安定なときには特に、呼び出しがあった場合どうするのか事前に夫婦間でスケジュールを共有しておくとよいでしょう。
具体的には朝食時などに、どうしても抜けられない会議の時間帯や、その日は帰宅が何時になりそうかなど、情報共有をしておくと良いでしょう。

保育園の先生から情報を得る

保育園で休みの子が増えてきたな…と感じたら、先生に「今何流行ってますか?」とリサーチしておくのもおすすめです。
感染症の流行状況に応じて、いつ登園制限が発生したり、子どもが感染症にかかっても対応できるよう、仕事を詰めすぎないよう調整しておくことができます。

かかりつけ医を決めたり、オンライン診療サービスを検討しておく

子どもはよく病院を受診するので、かかりつけ医を見つけておくことが必須です。
かかりつけ医は1つだけではなく、休診日が異なる病院や夜遅くまで受診ができる病院など、複数あると望ましいです。

また、最近は自宅での往診やオンライン診療のサービスもありますので、併せて登録することも検討しましょう。
実際に我が家は自宅での往診やオンライン診療を利用したことがあります。
病院に子どもを連れて行かずに済むため、親子ともに負担が軽減されるためおすすめです。

祖父母など、身近で頼れる人がいないか探しておく

夫婦2人だけでは対応が難しい場合は、祖父母など身近で頼れそうな人がいないか探しておきましょう。
いざという時に頼れる候補があると、時間的、精神的、体力的に余裕が生まれるので、ぜひ探しておくと良いですよ。

感染症が流行りやすい時期などを把握しておく

先ほどお伝えした通り、感染症が流行りやすい多くの時期は冬場で、一部の感染症は夏場にかけて起こりやすいです。
また預け始めた最初の頃も呼び出しが多いということがわかっています。
このようにお迎えの可能性が高い時期を事前に把握しておき、仕事の量などをコントロールできないかどうか、検討してみてはいかがでしょうか。

病児保育やベビーシッター、ファミリーサポートに登録する

病児保育やベビーシッター、ファミリーサポートは、調べるだけでも一苦労なので、事前に登録しておくと良いですよ。
登録だけであれば無料なものもありますので、使うかどうかは後で判断すれば良いと思います。
いざという時に本当に助けになりますし、精神的な余裕にもつながります。

すぐにお迎えにいけない場合は?

突然の保育園からの呼び出しに備えていても、すぐにお迎えに行けない場合もあると思います。
そういった場合にはどうすれば良いのでしょうか。いくつかご提案します。

第三者にお願いする

1つ目は、祖父母やファミリーサポート、ベビーシッターなどに頼むことです。
夫婦2人だけで対応するのはどうしても難しい場合もあるでしょう。
そういった場合に、夫婦以外の人に頼んで乗り切ることも必要になってくるのではないでしょうか。

柔軟な働き方が可能な、部署へ異動 or 企業へ転職する

どうしても現職では難しい場合は、柔軟な働き方が可能な部署への異動も検討してみましょう。
それも難しい場合は、フレックスやリモートワークが使え、突発的な保育園の呼び出しにも対応しやすい企業への転職を視野に入れてもいいかもしれません。
また、柔軟な働き方が可能な企業は、子育て世帯が集まりやすく、急な保育園からの呼び出しにも理解される環境が整っている場合が多いです。
共働き&子育て世代の転職支援に特化したwithworkでは、そういった柔軟な働き方が可能な企業への紹介を行っています。
「働き方を見直したい」「まずはどのような企業があるか知りたい」という方は、ぜひお気軽にLINE登録&ご相談くださいね。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
保育園からの呼び出しの理由やその頻度、保育園の呼び出しのための事前の対策や、当日の対応までご説明しました。withworkの調査アンケートでは、これから保育園の入園を控えているお母さんやお父さんへの応援メッセージをたくさんいただいています。

「ご自身も労わりながら親子で乗り越えていってください!」
「気負わずに保育園生活、職場復帰を楽しんで下さい」

子育てしながらの仕事は思い通りにいかないことも多く、大変な思いもされることもありますよね。
我が家にも3歳と1歳半の子どもがおり、他人事ではありません。
ですが、いつか「あんな時もあったよね」と思える日が来ると思うので、一緒に乗り切っていきましょう!

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監修 / 吉田 智恵

大手小売企業に入社後、店舗の経営者として全国各地の店舗課題解決や人材育成に携わる。複数地域で、累計300名以上の幅広い年齢層の社員のマネジメントやキャリア相談にのる。産後、ハードワークな職場環境に、家庭を犠牲にせざるを得ない働き方に悩んだ原体験から、こういった社会問題を解決していきたいと、withworkへ参画。丁寧なヒアリングと、書類添削から面接対策まで細やかなサポートを得意としております。2児の育児中。

ライター / なかむら あお

大学院で心理学を修了した元臨床心理士。異業界・異職種への転職を経験。現在週4会社員の傍ら、noteやブログを書いたりアクティブに活動中。著書に「子育てのイライラ、便利家電で解決できます!」がある。男女年子の2児の母でもあり、「育児中でも心に余裕のある暮らし」をモットーにしている。 好きな食べ物はからあげとチャーハン。

この記事の監修者
吉田 智恵

大手小売企業に入社後、店舗の経営者として全国各地の店舗課題解決や人材育成に携わる。複数地域で、累計300名以上の幅広い年齢層の社員のマネジメントやキャリア相談にのる。産後、ハードワークな職場環境に、家庭を犠牲にせざるを得ない働き方に悩んだ原体験から、こういった社会問題を解決していきたいと、withworkへ参画。丁寧なヒアリングと、書類添削から面接対策まで細やかなサポートを得意としております。2児の育児中。

この記事のライター
なかむら あお

大学院で心理学を修了した元臨床心理士。異業界・異職種への転職を経験。現在週4会社員の傍ら、noteやブログを書いたりアクティブに活動中。著書に「子育てのイライラ、便利家電で解決できます!」がある。男女年子の2児の母でもあり、「育児中でも心に余裕のある暮らし」をモットーにしている。 好きな食べ物はからあげとチャーハン。