育休からの職場復帰が多い春。子どもの保育園入園直後から数ヶ月、あるいは数年にわたってワーキングペアレンツを悩ます「保育園からの突然の呼び出し」。
入園して間もない子どもたちは免疫力が少ないため、初めての集団生活で菌やウイルスをもらいやすく、次々と感染症にかかり早退やお休みを繰り返すことから“保育園の洗礼”とも呼ばれています。
共働き&子育て世代向け転職サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社は、親のキャリアやライフにも影響を及ぼす保育園の呼び出しの実態についてアンケートを実施しました。
調査結果(サマリ)
・「呼び出し」は、保育園児を持つ親すべてに発生しうるもの
子どもの入園時の年齢を問わず、入園して半年以内で、78%が「月に1回以上」、10.4%が「月に4回以上」呼び出しを経験。
呼び出しが多かった時期は、1位「冬期」、2位「入園して間もない時期」。子どもの年齢によっては「夏期」が最多だったりと、1年を通して呼び出しは発生。
・仕事ができない日は、「呼び出された日」だけではない
子どもの看護や登園制限などの事情により、半数近くがフルで仕事ができない日が「月に5日以上」と回答。
・夫婦間でお迎え分担に偏りがみられた
分担割合は、1位「母10割:父0割」と母側に負担が偏っていた。
・呼び出し数は、減っていく
約7割が、2歳以上で呼び出し数が減ったと回答。
・大切なのは「職場の理解」
最も辛かったエピソードについて、「仕事がままならない」「職場の同僚に申し訳ない」といった、仕事との両立に関する葛藤がうかがえるエピソードが多数寄せられた。
そして、急な呼び出しへの対応策として取り組んで良かったことの1位は「事前に、上司や同僚の理解を得ておく」と、“保育園の洗礼”を乗り切るうえで、職場の理解促進や調整が重要であることが分かった。
調査結果(詳細データ)
<アンケート概要>
・実施期間:2024年4月19日〜2024年5月6日
・有効回答数:222名
・調査主体:XTalent株式会社
・複数人子どもがいる場合:いずれかに当てはまる子どもについて回答
①保育園に「在籍中」かつ「在籍期間が最も長い」子
②未就学児がいらっしゃらない場合、保育園在籍経験がある子のうち末子
Q1. 子どもの性別と保育園入園時の年齢は?
Q2. 家族構成は?
Q3. 入園して半年以内で、呼び出しはどのくらいありましたか?
(▼入園時の年齢別)
Q4. 入園して3ヵ月〜半年以内で、1ヵ月あたりどのくらいフルで仕事ができない日がありましたか?
(▼入園時の年齢別)
Q5. 呼び出し回数が多かった時期は?(※複数回答可)
(▼入園時の年齢別)
Q6. 多かった呼び出し理由は?
Q7. 一番辛かったエピソードをおしえてください。
【復職して早々の呼び出し】
・「復職日に嘔吐で呼び出しがかかり、ろくに社内挨拶も業務キャッチアップもできなかった」
・「出産3ヶ月後に復帰したが、しばらくはすぐに発熱して夫婦で交代で早退していました」
【まともに働ける日が少ない】
・「入園から7月くらいまで毎月10日ほどしか登園できなかった」
・「発熱でお迎えに行って、帰宅して自宅で熱を測ると解熱しているということが、2週間の間に3〜4回発生した」
【家族でダウン】
・「兄妹で時間差で感染し、自分自身も体力と睡眠不足でダウンした」
・「家族全員体調が悪く、また、近くに親族や頼れる人もいない中で子どもの面倒を見なければいけなかった時が1番辛かったです」
【子どもに申し訳ない】
・「熱が下がらず辛そうな子どもに、仕事に行けない焦りで100%の優しさで接することができなかった」
・「仕事で辛い事があり、さらに子どもも不安定で、母でいること、仕事の責任、で重圧が何倍にも感じました」
【パートナーとの役割分担について】
・「呼び出しがあるが、父母ともに勤務中で抜けることが難しく、夫婦喧嘩にまで発展してしまった。どちらが迎えに行くのか、なすりつけ合いになる」
・「勤務地から保育所に近い妻が優先的に迎えに行くが、仕事を中断せざるを得ない状況になる妻に申し訳ない気持ちになる」
【登園制限】
・「解熱しても感染症の場合は数日休まなくてはいけない」
・「登園許可が病院から出るまで登園できないインフルエンザやRSにかかった時。元気なのに登園できず、仕事ができないことが大変でした」
【仕事ができない】
・「どうしても抜け出せない仕事中での呼び出し」
・「働きたいのに、時短、早退・欠勤が多いためにやる気がないと思われる」
【看護しながらの在宅勤務】
・「永遠と泣き続ける我が子を見ながらの在宅勤務」
・「コロナで1週間閉園の時、2歳児を自宅保育しながら在宅勤務したこと。遠方の両親にも手伝いに行けないと言われてキツかったです」
【職場で周囲からの理解が得られにくい】
・「直属の上司は両親に娘さんを預けられる環境で、毎日の食事作りもご両親がやっている状況でした。そんな中での頻回呼び出し。上司からは「そんなに親族が近くにいるんだから誰か頼れないの?あまり多いと困るんだけど」と言われてしまいました」
・「仕事の繁忙期にたびたび呼び出しがあり、会社の上司に「いいかげんにしてください」と言われた」
・「よく思わない職場の人たちの冷たい態度」
【頼れる人がいない】
・「朝は平熱だか園の検温では37.5℃以上、お迎えにいくと平熱に…が2ヶ月程ほぼ毎日で、祖父母は県外だし、熱がないから病児保育には断られるしで、預け先がなくて困りました。シッターさんを毎日頼んで、働く意味あるかな?と思いながら仕事していました」
Q8. 呼び出し回数が減り始めた年齢は?
(▼入園時の年齢が「1歳以下」の呼び出し回数が減り始めた年齢)
Q9. 呼び出しに対するお迎えについて、祖父母などのサポートはありましたか?
Q10. 【祖父母などのサポートなしの方】父母間のお迎えの分担割合についておしえてください。
Q11. 急な呼び出しへの対応策として、取り組んで良かったことは?(※複数回答可)
(▼「その他」と回答した方の対応策)
・常に前倒しで仕事を進める。常に「明日朝発熱しても大丈夫!」な状態で退勤する
・降格を申し出て急な休みでの職場の負担を少なくした
・リモートワークに切り替える
・お互い協力できそうなママ友を作る
・在宅勤務等の融通の効く会社に転職した
【最後に】先輩ママ・パパからの応援メッセージ&アドバイス
これから保育園への入園を控えているお母さんお父さんへ、アンケートにご協力くださったみなさまから応援メッセージとアドバイスをいただきました。こちらにまとめましたので、ぜひご覧ください。
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応援メッセージ&アドバイス