2024.7.29

妻からみた男性育休の実態調査(満足度、家事育児の分担割合)〜とるだけ育休を防ぐには〜

#育休
#調査レポート
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近年、男性でも育児休業を取得することが当たり前になりつつあります。
一方で、「とるだけ育休」といった、父親側が育休を取得したにも関わらず、取得期間が数日と短かったり、育児や家事に関わる時間が少なかったりと、「育児をする」という本来の目的を十分に果たせていない状況を指す言葉を耳にする機会も増えてきました。

共働き&子育て世代向け転職サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社は、そうした「育休の中身(=質)」にフォーカスし「育休取得経験のある夫」を持つ女性を対象にアンケートを実施しました。

※「育休取得経験のある男性」を対象にした調査結果は、こちら

調査結果(サマリ)

・夫の育休取得前、5割が「3ヵ月以上」の取得を希望
理由として、産褥期の体の回復や、新生児との生活が落ち着くまでの期間を目安としている声が多数寄せられた。一方で、4割が「2週間~3ヵ月未満」を希望しており、「夫の無理のない範囲で希望したから」「あまりに長いと夫のキャリアに影響があるかもしれない不安があった」といった、夫の仕事やキャリア面を考慮した理由があげられた。
・「5日未満」の取得に、妻の6割が不満
「満足」と答えたのは、「2週間〜3ヵ月未満」で64%、
「3ヵ月〜6ヵ月未満」で75%、「6ヵ月~12ヵ月未満」で89%と、取得期間が長いほど妻の満足度は高まる傾向にあった。
・妻の満足度が高まるのは、家事育児の分担割合「夫が5割以上」
「満足」と答えたのは、分担割合が「夫3~4割」だと30%であるのに対し、「夫5割」で85%と大きく向上。「夫婦でフェアな状態」が分岐点となることがわかった。さらに、「夫6~7割」で95%、「夫8割以上」で100%と、夫の分担割合が多くなるほど高まる傾向にあった。
・妻が求めるものは、1位「家事育児への主体性」、2位「妻の休息時間の確保」
「何も言わずとも自分事として当たり前に取り組んでいて、素晴らしい夫だと思います」「私がまとまって眠れることを優先してくれた」といったコメントからもうかがえるように、妻は家事育児といった物理的な援助と主体性をより重視することがわかった。

調査結果(詳細データ)

<アンケート概要>
・実施期間:2024年6月18日〜2024年7月14日
・アンケート対象者:育休取得経験のある夫を持つ女性
・有効回答数:140名
・調査主体:XTalent株式会社
・複数回育休を取得している場合は、【直近の育休】について回答
・本アンケートの育休の定義は、【育休の状態を指す(=法律で定められた育休、会社の制度としての育休、有給など)

【調査協力企業】(ABC順)

株式会社Antway

株式会社ケップル

株式会社スタディスト

セーフィー株式会社

株式会社MFS

株式会社PR Table

READYFOR株式会社

株式会社Rehab for JAPAN

 

夫が育休取得した際の、あなた自身(=妻)のご状況について教えてください。

夫が育休取得した際の、夫側のご状況について教えてください

【育休取得前】に関する質問

夫の育休取得について、あなた自身の意向を教えてください。

上記の理由は?

【取得してほしかった】
・「産後、自分の身体がボロボロなタイミングで家事育児をお願いしたかった」
・「子育てに専念できる期間を作ることで、サポーターではなく育児の主体者になってほしい」
・「なるべくフェアに育児をしたかった」
・「自分の会社が創業2年目で出産したので、仕事を休めなかった」
・「私(産休・育休を取得した妻)がフルタイムで復帰するため」
・「私が4月復帰のため、慣らし保育をしてほしかった」
・「自身とバトンタッチして取得してもらい、ブランクを半減させたかった」

【どちらでもない】
・「育休を取得すると世帯年収が劇的に下がるため、ROIを考えるとどちらでもよかった。」
・「育児休暇を取得するかは夫の意志に任せようと思っていた」
・「男性が育児をするイメージがなかった。職場や親から男性が何をするのと言われた」

【取得してほしくなかった】
・「育休というより遊ぶことのほうが多いだろうと思っていたので」
・「給与が減るため」
・「会社のススメで育休を取得した夫は、育休期間に海外旅行を計画し、私も幼な子を連れて同行することに。授乳育児中の自分の時差ボケと子供の時差ボケで旅行中ほとんど不眠不休となり、死ぬかと思いました」

【取得期間】に関する質問

取得前にあなた自身が希望した夫の育休取得期間と、実際の夫の育休取得期間を教えてください。

希望の育休取得期間について、その理由は?

【5日未満】
・「役所周りなどをお願いしたかったから」
・「必要最低限」

【5日〜2週間】
・「産後パパ育休の14日間+適宜有給休暇を想定していた。辛ければ追加で取得を依頼しようと思っていた」
・「あまり休めないと聞いていたため」

【2週間〜3ヵ月未満】
・「2人目は上の子の世話もあり数週間ではまったく足りない。最低でも1ヶ月は取得してほしい」
・「1週間で何が育休じゃい、だから」
・「夫の無理のない範囲で希望したから」
・「あまりに長いと夫のキャリアに影響があるかもしれない不安があった」
・「産褥期のサポートを主にしてほしく、2〜3ヶ月が妥当だと考えていたから」

【3ヵ月〜6ヵ月未満】
・「最初の3ヶ月が産後の身体がしんどく、睡眠時間も取れず、大変だと聞いたため」
・「産後の体のことを考え、なるべく長くいてもらいたかった」
・「3時間おきの夜中の世話が大体6ヶ月ほどで落ち着くため」
・「なるべく長くとってほしいが、給付金が減るタイミングのバランスとの兼ね合い」
・「自分も半年で復職予定だったので」
・「私が育休を取らず産休のみで復帰する予定だったため、下の子が保育園に入れる生後半年まで見てほしかった」
・「子供を育てている周囲の知人の意見を聞き、3カ月で一度落ち着くタイミングがくるという意見が多かったので」

【6ヵ月〜12ヵ月未満】
・「私と同じ期間育休を取得することで、常にどちらでも子供の対応ができる状態にしたかった」
・「子どもの生活とのリズムを作るのに半年程度は必要と感じたので」
・「出来るだけ長く取得することで育児を我が事として理解し、夫婦で育児能力に差が出ないようにしたかった」

【12ヵ月〜18ヵ月未満】
・「1歳までは変化も大きく、離乳食なども一緒に相談したかったから」
・「子どもの成長を一緒に見てほしかったし、自分に自信がなかったから」

【18ヵ月以上】
・「できるだけ長い方が、自分は働ける、夫は休める、で希望が合致していたため」
・「夏生まれの子供が生まれてから1歳4月の入園と慣らし保育が終わるまでの期間」

【取得を希望していない】
・「
休んで家にいても役に立たないどころか夫の世話が増えて大変になるから」
・「希望する前に、本人からできるだけ長く育休を取得したいと話があった」

実際に夫が取得した期間について、あなたの満足度は?

上記の理由は?

【5日未満】
▼不満足
・「1日だけ育休をとり、その会社の育休取得100%達成しないといけないから」
・「育児を一緒にしたというよりただの夫の少し長い休日で終わった」

【5日〜2週間】
▼満足
・「里帰り中(2週間弱)に上の子のお世話や家のことを安心して任せられた」
▼どちらでもない
・「結局、夫はあまり積極的に乳児の世話や家事などをしなかったためいても役に立たなかった」
▼不満足
・「まだ私の体も回復せず、子どもの世話もうまく回っていない状態での復帰となったため」

【2週間〜3ヵ月未満】
▼満足
・「大変な時を二人で対応することができたから」
・「上の子の世話と家事を任せて下の子の世話に専念できた」
・「余裕をもって育児のある生活のリズム・体制を整えることができた。 一方で、仕事がなく夫婦で共同生活を送る時間が長くなると、日常の小さな衝突が増えたりもしたので、3ヶ月未満という期間は長すぎずちょうどよかった」
・「乳児のお世話だけでなく家事育児全てをやってくれたので、産後1ヶ月は大変ありがたかった」
▼どちらでもない
・「当初は不満だったが、長く取得すると年収が下がるのが現状なため、
現実的な落とし所かと思った」
▼不満足
・「1ヶ月ほど育休という名の有給を取得してくれたものの、結局在宅で頻繁な会議や仕事で育児をあまりしていなかった」
・「一ヶ月取得したのですが、一ヶ月だと体調が戻り切らなかった」
・「もっと長期間取得して欲しかった」

【3ヵ月〜6ヵ月未満】
▼満足
・「4ヶ月は新しい生活にも慣れ、難産だった自分も元気になり、新しい家族の形が定着するベストな長さだった」
・「家のことを一通りできるようになった。今では夫と子ども2人で過ごせるし、外出も不安なくできる

・「心身共に回復するのに十分、有意義な家族時間を持てた」
・「貴重な時間を過ごし夫婦ともに同じレベルで育児に携われた」
▼どちらでもない
・「まだまだ手のかかる時期だったため」
▼不満足
・「夫が家にいるのに大して家事育児をしてくれないことによるストレスが大きかったため」

【6ヵ月〜12ヵ月未満】
▼満足
・「夫が育休を取って、心身共にだいぶ楽になった」
・「出産後、自分の仕事の時間も取れたためすぐに社会復帰できた」
・「結果として合計10ヵ月取得。現状では同じ目線で育児ができることはもちろん、育児でどちらかしかできない、というタスクは存在しません」
▼どちらでもない
・「後半は早く復帰したそうにしていてイライラしたから」

【12ヵ月〜18ヵ月未満】
▼満足
・「仕事に集中できたから」
・「夫婦で1年育児に専念できて良い思い出。数年経ったが子どもたちもパパに懐いている」
・「サポート側ではなく「自分ごと」として育児に取り組んでくれてる」
・「子どもにベストな環境を与えてあげられた。戦友になれた」

【18ヵ月以上】
▼満足
・「育休を丸々家族で過ごせ、一番大事な家族と人生で一番ともにいられた」
・「同じ目線で子どもの成長を見守ることができ、一緒に悩んだり喜んだり、かけがえのない時間を過ごせた」

【共働きの方への質問】あなた自身は、育休を取得しましたか?

上記「取得した」と回答した方へ。あなたが復職したタイミングは?

【育休の取り方】に関する質問

【共働きの方への質問】あなた自身の産休中(=出生後8週間まで)に、夫は育休を取得しましたか?

【共働きの方への質問】当てはまる育休のタイプに近いものを教えてください。

夫の育休取得タイミングについて、あなたの満足度は?

上記の理由は?

【夫婦同時型】
▼満足
・「私は育児、夫は家事という役割分担ができていたので、休みたい時に休めて寝ることもでき、体力の回復も早かった」
・「一番手のかかる新生児期を乗り越えたことで結束感が生まれた」
▼どちらでもない
・「産後すぐと離乳食が2回、3回になって忙しくなった頃の2回でとりたいと思った」
・「本来ならばスイッチ型が良かったが、後からの育児能力キャッチアップや当事者意識を持つという面で難しいと思い、夫婦同時型にした」
▼不満足
・「交互に育休を取れば良かった。無理矢理ワンオペ状態にしたら少しは育児をやったはずだから」

【妻とスイッチ型】
▼満足
・「私が復職した後に夫が育休取得(その間はまだ保育園に預けず)。復職後しばらく、家事育児を全て任せて仕事のキャッチアップが出来たことは良かったし、夫も子どもとどっぷりの生活を楽しんでいたので」
・「夫婦共に育児ができるようになった。自分のキャリアブランクも最低限に抑えられた」

【夫のみ育休取得型】
▼満足
・「産んですぐに仕事復帰したかったから」
・「産後でも気兼ねなく仕事ができた」

【夫婦同時型+妻とスイッチ型】
▼満足
・「夫の方が融通の利く職場だったので、有給休暇を使わずに慣らし保育を任せられて良かった」

【育休中の過ごし方】に関する質問

夫の育休期間中の役割分担や過ごし方について、事前に夫と話し合いましたか?

「育休取得前」「取得中」「取得後」の夫婦間の家事・育児の分担割合は?

育休期間中の分担割合について、あなたの満足度は?

上記の理由は?

【夫0割】
▼不満足
・「夫は自室でゴロゴロするだけで、私と祖母が家事育児をしていた。自分のためだけに仮面育休を取った。腹立たしい」

【夫1~2割】
▼不満足
・「一日で何が育休だ」
・「育休ではなく結果的に夫のただの休暇になった」
・「育休中は資格勉強がメインだった」

【夫3~4割】
▼満足
・「細かいことは気づかないが、主体的に家事育児に関わってくれていた」
・「やれることをやってくれている感じ。仕事もしなければいけないのもわかるので、これ以上望めないし望むと家計が死ぬ」
▼不満足
・「なぜ常に妻の方が家事を頑張らないといけないのか意味がわからない」
・「本音はもっとやってほしかった」

【夫5割】
▼満足
・「当事者意識がより定着し、こちらが指示しなくても動いてくれる場面が格段に増えた」
・「頼んだことはなんでもやってくれたし自主性も感じられた」
・「お互いの得意・不得意を補い合って上手く生活を回せた」

【夫6~7割】
▼満足
・「退院直後は身体もまだ回復しておらず、家事を全面的にしてもらって助かった」
・「母体を休むことに専念させてくれたので、大変助かりました」
・「復帰と共に転職したこともあり、家事はほとんどお任せできたので仕事に集中できた」

【夫8~9割】
▼満足
・「仕事で家を空けていても心配ならないくらいやってくれていた」
・「育休中、毎日3食ご飯を作り、ほぼ全部やってくれた」
・「授乳以外ほとんどやってくれ、かつ授乳にいい食べ物まで考えてくれた」

【夫10割】
▼満足
「期間中は不満も言わずに家事育児をしてくれた。終わってから、「実は大変だった…」と言っていた」

夫の育休中、夫が行った家事は?(※複数回答可)

夫の育休中、夫が行った育児は?(※複数回答可)

夫の育休中、夫の言葉や行動で嬉しかったことがあれば教えてください。

【言葉】
・「子どもと1日中2人っきりでいるのはしんどいね。ママの体力が回復するまでは、家事はやらなくていいよ」
・「こんなに可愛い時期に一緒に過ごせてよかった」
・「いつもありがとう」
・「一緒に頑張ろう」
・「生んでくれてありがとう」
・「子供を育てるのはとても大変な仕事。次の未来を担う人を育てる仕事なんだから。仕事してないなんて思わず、むしろ堂々としていたらいいんだよ。仕事よりよっぽど大変なことを、担ってくれてるんだから」

【行動】
・「今回は夜泣き対応もする!と宣言し、自ら隣に寝てくれ夜中起きてミルクをあげてくれた」
・「ずっと側にいてくれた」
・「言葉はなくとも行動が全てと感じました。何も言わずとも自分事として当たり前に取り組んでいて、素晴らしい夫だと思います」
・「私一人の時間をくれた」
・「私がまとまって眠れることを優先してくれた」
・「こちらが言う前に本を読んだりして小児科の病気や離乳食について勉強しており母より詳しくなっていた」
・「常に妻の身体をいたわり、家事でも育児でも「よりしんどいほう」を率先して引き受けてくれた」
・「妻ファーストで過ごしてくれた」
・「かわいいかわいいと子どもを永遠に可愛がってくれた」
・「子どもの夜泣き等で夜眠れない時に一緒に起きて、私の気持ちがリフレッシュできるように色々対応してくれた」

夫の育休中、夫の言葉や行動で不満に感じたことがあれば教えてください。

【言葉】
・「産後の疲れっていつ頃回復するものなの?」
・「子は親の鏡だよ」
・「いつも綺麗でいてほしい」
・「周りにあまり迷惑かけないようにね」
・「父親の出番は3歳から10歳らしい」

【行動】
・「ちょっと1人時間がほしいと1人で出かけて、半日帰ってこなかった」
・「片手間で仕事をしていた(しなくちゃいけない、ではなく本人がやりたいだけに見えた)のがめちゃくちゃ腹が立ちました。私だって仕事がしたいのに、妊娠産後で、ままならない、PCも会社に返却しているのなに。夫にもう少しキャリアを継続したい女性への配慮をしてほしかった」
・「ホルモンの関係なのか、産後イライラしているときに、気の利かない言葉をかけられた」
・「言われないとやらない。進んで育児や家事をしない」
・「育児をする気が感じられなかった」
・「仕事仲間などには「育休(という名の有給)を取得して家事育児をしています」とFacebookで見せていたものの、実際のところ全く家事育児をしていないのが非常に不満でした」
・「寝不足がひどくなると不機嫌になり、気を遣わなければいけなかった」
・「飲みに行く」

【育休取得後】に関する質問

夫の育休中の行動について、あなた自身の満足度に影響を与えた【上位3つ】の要素は?(※3つまで選択ください)

次に、夫が育休取得する機会があったら取得してほしいですか?

上記の理由は?

【取得してほしい】
・「育休で子どもとしっかり接する時間ができたおかげか、その後も子育てに積極性を感じる」
・「第一子に比べ、育休を取得した第二子の産後の方が圧倒的にゆとりを持てたため」
・「家事育児を一緒に頑張ってくれて嬉しかったから」
・「次に育休があるなら、私と同時に育休をせず、私が仕事復帰した後にぜひワンオペ育児を半年くらい経験してもらいたい」

【どちらでもない】
・「もともとリモートやフレックスで家庭尊重の勤務スタイルをしてくれたので、育休があえて必要とは思いませんでした」
・「育休じゃなくて良いので時短してほしい」

【取得してほしくない】
・「休みを取っても私の仕事が増えるだけなので」
・「家にいるのに何も手伝ってくれない方が孤独感が強まるため」
・「主体性がなく役に立たない」

夫の育休中、夫にしてほしかったことがあれば教えてください。

・「1人になる時間が欲しかった」
・「期間延長して、夜間担当」
・「精神的にもう少し支えてほしかった」
・「育児について学び、主体的に取り組む姿勢が見たかった」
・「もっと家事育児のスキルを上げて欲しかった」
・「遊んでおいでよ!と背中を押して欲しかった」

夫の育休中、あなた自身がしたかったことはありますか?

・「ゆっくり寝る」
・「ひとりになりたかった」
・「夫と2人で短時間出かける」
・「美容院に行く」
・「骨盤矯正」
・「リスキリング」
・「仕事」

【最後に】夫側の調査結果について

育休取得経験のある男性を対象にした調査結果は、こちらにまとめました。
ぜひ合わせてご覧ください。

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