仕事を始めよう、転職しようと検討しようにも、キャリアに空白期間(ブランク)があるとネガティブな印象を企業に与えてしまうのではないか。
採用しようと思ってもらえないのではないか。
そういった不安により、積極的に求職活動ができていない方もいらっしゃるでしょう。
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本記事では、不利になるケースとならないケース、中途面接時の伝え方のポイントをご紹介します。
空白期間(ブランク)は転職活動において不利になるのか?
たしかに、ブランクが採用において不利な要素になるケースはあります。
しかし、実は一概に「ブランクあり=採用されない」とは言い切れないものなのです。
というのも、同じブランクであってもその長さやその期間どう過ごしていたかによって企業が受ける印象は変わります。
また、企業や面接官によってもブランクの捉え方は異なります。
1~2ヵ月程度のブランクでも選考に不利となるケースもあれば、数ヵ月以上であっても、その理由次第では選考にさほど影響しないケースもあります。
ブランクの理由・過ごし方例
一口にブランクと言っても、その事情は人それぞれです。
たとえば、代表的な理由や過ごし方は、こちらです。
- 病気/体調を崩した
- パートナーの転勤、海外赴任に帯同
- 育児に専念
- 家族の介護や看護
- リスキリング(資格取得、スクール、留学、進学)
- 個人事業主をしていた
- 旅行などリフレッシュをしていた
- 転職活動が長期化した
なぜ企業はブランク理由を聞くのか?空白期間に対する企業の懸念点とは
履歴書の職歴に期間の空きがあると、ほとんどの場合、面接官からはブランクの理由や背景を聞かれることになります。
面接官は、どのような意図があり質問をするのでしょうか。
ブランクの原因を確認したい
なぜ求職者が仕事から離れたのか、どのような思考の過程の結果離職の意思決定をしたのかを把握したうえで、求職者の人柄や価値観、人生観を見ようとしています。
たとえば、健康上の理由や家庭の事情であれば不可抗力であると納得できますし、自己成長のための活動(リスキリングや資格取得など)といった理由であればキャリアに対する姿勢を印象付けることもできるかもしれません。
その期間にどのような活動をしていたのか知りたい
面接官は、求職者がブランク期間中に何をしていたかを確認することで、その人の学習意欲や就業意欲、マインドセットを知ろうとしています。
たとえば、ブランク期間中に通学や留学をしていた、資格の勉強をしていた、スキルアップのための学習や自己研鑽に努めていたことをアピールできれば、そのブランクは前向きに評価されるでしょう。
逆に、何もせずにただ時間を過ごしていたとなれば、キャリアへの意欲に対して懸念を抱かれる可能性があります。
入社後のキャッチアップがどの程度早くできそうか
専門性が高い職種や技術職の場合は、ブランク期間中にその技術や知識が衰えていないかを確認したいと採用側は考えます。
長らく実務から遠ざかっていた場合は、最新の知識や技術を個人でキャッチアップしているか、入社後に勘を取り戻すのにどの程度時間がかかりそうかが懸念されるポイントです。
中長期的に就業してくれるかを見定めたい
ブランクが複数回あると、「採用してもすぐに辞められてしまうのではないか」「また同じような理由で退職するのではないか」と懸念される可能性があります。
職場で長く活躍してもらえそうかを確認するため、就業意欲を確認しようとブランクに至った理由を確認しているのです。
ブランク期間はどのくらいからマイナスになる?
職務経歴に空白期間があると一口で言っても、その期間によっても得られる印象は異なります。
具体的にはどの程度の期間ブランクがあると転職面で不利になるのかは応募しようとしている業界や業種、その企業や面接官の価値観によってまちまちであるため明確には示しづらいものです。
目安としては、数年単位のブランクはネガティブな印象を与える傾向にありますが、3ヵ月、6ヵ月という具体的な期間で不利になる度合いが大きく変わるわけではありません。どちらかというとブランクが発生した理由や背景、その間の活動内容の方が重視される傾向にあります。
効果的なブランクの伝え方は?
ここからは、少しでも転職活動時にブランクがネガティブな印象に繋がらないような伝え方をご紹介します。
応募職種に理由を記載する
前述したように、ブランクの捉え方は企業や面接官によって異なります。書類選考の段階で落ちるリスクを減らすためにも、長期間や複数回のブランクがある場合は、職務経歴書等になぜこの期間がブランクだったのかを添えておきましょう。また、キャリアにおいてブランクという言葉はマイナスのイメージを与えやすいため、言い回しを変えて経歴書では「キャリアブレイク」というワードを使用するのもオススメです。
仕事に対する意欲が強いことをアピールする
過去のブランクをなかったことにすることはできません。
そのうえで、今は強い意欲を持って求職していること、将来に向けて長期的に頑張りたい旨を熱意を込めてアピールしましょう。
ポジティブな表現で、正直かつ誠実に伝える
キャリアの空白期間があることは客観的な事実である以上、ごまかしたり隠そうとする態度は信頼感を損ねます。
正直にブランクがあることを伝えましょう。
その際、なるべくポジティブな表現や態度で伝えると悪印象を与えにくくなります。
長期のブランクがある場合は、期間中の取り組みをアピールする
例えば1年以上の長期間のブランクがある場合、その期間どのように過ごしていたかをアピールしましょう。
採用では働く意欲や学習意欲を見られるので、資格の勉強をしていた、業務委託で仕事をしていた、スキルを磨いていた等キャリアに役立つ取り組みをしていたならしっかりと伝えましょう。
転職エージェントにフォローしてもらう
転職エージェントを介して転職活動を行う場合は、応募先の企業にエージェントから補足して説明してもらいましょう。
理由ごとの伝え方のポイント紹介
ここでは具体的に、上記のブランクの効果的な伝え方に沿って、理由ごとの伝え方のポイント例をご紹介します。
ケース①:育児や介護で離れていた
育児や介護など家族をケアしていた期間を「ブランク」として一口に説明するのではなく、その期間で得たスキルや意識的に取り組んだこと、人との関わりを通して学んだことを伝えましょう。
たとえば、「資格取得」や「オンラインセミナーの受講」など、仮に一時的なものや細々としたペースで行っていることであっても「大したことではない」と引っ込めずアピールしましょう。
また、家族との生活の中で身に付いた「タイムマネジメント力」「問題解決力」など、実際に仕事に活かせるスキルにも言及すると良い印象を与えることができます。
たとえ小さな行動例であっても、そのエピソードを通して前向きな姿勢や復帰に向けた意欲をしっかり伝えることが大切です。
ケース②:キャリアアップやリスキリングをしていた
キャリアアップやリスキリングのために仕事から離脱していた場合は、何を学んでいたか、どのように学んでいたか、何のために学んでいたか、その結果どんな成果を得られたかを伝えます。
資格を得たり課程を修了している場合は履歴書に記載した上で、その内容を就業先でどのように活かせるかを極力具体的に話しましょう。
実際の業務でどのようにそのスキルや知識が応用できそうかがイメージできるように伝えることができれば、採用担当者にポジティブな印象を与えられるチャンスです。
ケース③:個人事業主をしていた
個人事業主として活動していた期間がある場合、なぜ退職して個人でやる必要があったのか、どのような活動をしていたかを伝えます。個人事業主の経験は、自立心や責任感、自己管理能力などアピールすることができますし、職種によっては成果物を見せることで企業側にとってもそのスキルや経験がどのように今後の仕事に役立つのか関連付けしやすくなります。
その上であえて再び企業で働こうとしている理由や、培ってきた自身のスキルを今後どう活かしたいかについて言及することで、企業側はその人の社内で活躍する姿やキャリアパスを想像しやすくなります。
とくに、個人事業主として得たスキルを使ってどのように組織に貢献できるかを具体的に示すことができるとベターです。
ケース④:転職活動が長引いた
転職活動が長引いているためにブランクが生じた場合、なるべく前職の退職理由や求職期間の過ごし方をポジティブに話すことが大切です。
単なる「就活失敗」や「停滞」ではなく、将来のキャリアに対して真剣に向き合い、慎重に現時点のスキルや目標に沿った職場を探しており、長期的に働きたいことを伝えましょう。
また、もし転職活動期間内に取り組んでいる勉強や活動があれば具体的に伝え、キャリアに対してひたむきな姿勢であることをアピールできると良い印象を与えられるでしょう。
ブランク後の転職活動に不安を感じたら…
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まとめ
ブランクはどうしてもネガティブなものに捉えられがちではありますが、必要以上に自信喪失したり就職を諦める必要はありません。
同じ空白期間でもどう過ごしてきたか、これからはどうしていきたいのか、そしてそれをどのように伝えるかによって得られる印象や結果は変わってきます。
諦めず、キャリア再開への道を探しましょう。