2024.4.2

産後のマミーブレインで思考力が低下…症状はいつまで?原因と対処法【助産師監修】

#出産
#育休明け
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出産後の女性の身体には様々な変化がみられますが、その1つに「マミーブレイン」という言葉が語られることがあります。正式な医学用語ではありません。
しかし、なかには育休から復職後、些細なミスを繰り返す自分に落ち込み、「早く出産前と同じ状態に戻ってほしい…!」と強く望む女性も少なくありません。

マミーブレインとは

出産後、急激に起こる記憶力や集中力の低下といった、産後特有の変調を「マミーブレイン」、別名「産後ボケ」といいます。
マミーブレインは出産に伴う一時的な症状であり、けっして病気ではなく、全ての女性に起こるものでもありません
そして、症状の程度にも個人差があります。

マミーブレインの症状

マミーブレインは、

  • 物忘れが激しくなる
  • 頭がうまく回らない
  • 人の話を理解するのに時間がかかる
  • マルチタスクができない
  • 仕事でミスが増える
  • 集中力を保てない
  • 会話中、語彙が出てこない

といった症状がみられます。
筆者や周りの育児中女性も、産育休中は頭がぼーっとしてしまい「まるで脳が溶けたよう」とよく話していたのを覚えています。

マミーブレインの原因

マミーブレインの原因はまだ明らかになっていませんが、一説ではホルモンバランスの変化や育児による睡眠不足や精神的・肉体的な疲労といわれています。
女性は出産時に体力を大きく消耗し、日常生活レベルに戻るのは少なくとも1ヵ月以上かかります。
しかしその間もその後も1日中休養することはほぼ叶わず並行して育児を行うことになることがほとんど。
不規則な生活に加えて赤ちゃんに何かあったらという不安感、やりたいことがうまくできないイライラ感で精神的にも疲労が重なり、その結果、集中力や注意力、記憶力などが欠如すると考えられています。

育休明けの職場環境で、さらにストレスが増える女性も

ワーキングペアレンツ向けハイクラス転職サービス『withwork』が育休を経験した女性を対象に行った調査では、「復職後の職場のサポートが不十分だった」と回答した理由に、

「人が不足しており即戦力として働くことを求められた」
「時短勤務者への業務調整はなくフルタイムと同じ業務量」
「休みにくい」
「制度で決まっている時短やリモートワークなどを、事業部長が嫌がるという理由で使わせてもらえませんでした」
「子供が熱を出すことなどに対しての理解がない」

といった声が寄せられました。
マミーブレインで辛い思いをしている中、復職後の職場環境でさらにストレスを感じる方も少なくないのかもしれません。

マミーブレインはいつまで続く?

マミーブレインが継続する期間は症状と同様個人差がありますが、大体の場合はおよそ産後半年〜2年ほどで徐々に症状が軽くなります
赤ちゃんと過ごす生活に身体が慣れ、タイムマネジメント力が上がることで産後直後と比較し気持ちに余裕が出てくる時期と重なるといえます。
とはいえ、育児は毎日の繰り返しでその月齢・年齢ごとの大変さがありますので、しっかり睡眠時間を確保するなどの休養は必須です。

マミーブレインへの対処法

マミーブレインは治療法がないため、日々の工夫が必要となります。
筆者の経験などを元に、日常に取り入れやすい対処法をご紹介します。

頭で覚えようとせず、メモをとる

育児中、考えるのは赤ちゃんのことだけではなく家事や家庭のことなど多岐に渡ります。
マミーブレインで記憶力が低下している間は何でもかんでも頭に入れようとせず、その場で気づいたらメモを取るようにしましょう。
付箋を利用し机や冷蔵庫に貼っておけば、書いたメモがどこに行ったか探す手間も省けますし、終わったものは剥がして捨てれば、必要な情報だけが可視化されて便利です。

カレンダーやリマインダー機能などのツールを駆使する

スマートフォンのカレンダー、メモ、リマインダーアプリでやることリストをこまめに更新したり見直すのもおすすめです。
ちなみに筆者はiPhoneアプリの「リマインダー」で「買い物リスト」「やることリスト」を分け、マミーブレインの症状が緩和された後もこまめに入力するようにしています。

周囲にフォローしてもらう

産後は忘れっぽくなる、今までできていたことができなくなるなどといったマミーブレインの症状は、経験しない限り知られていない場合がほとんどです。
周りが理解していないと必要なフォローもできず、自分も周りも困ってしまいトラブルの原因にもなりますので、できれば産前の精神的に余裕があるタイミングで、産後こうした変化が訪れる可能性があることを家族や周りの人に話しておくと良いでしょう。

こまめに睡眠や休息を取る

環境によってはなかなか難しいことかもしれませんが、夜に睡眠時間をまとめて確保できない場合も日中にお昼寝する、1人の時間を作るなど休憩をこまめに取れるように努めてみましょう。
眠るだけでなく、1人で買い物したり美容院にいくなどの時間も良いリフレッシュになりますよ。
ここでもパートナーや周りの人のサポートが必要不可欠なので、コミュニケーションを取って理解を得ておくようにします。

意識して大人と会話するようにする

産前のように頭が回らないのに、と思われるかもしれませんが、大人と会話したり大人と仕事をすることによって徐々に症状が軽くなることがあります。
赤ちゃんと1対1で過ごしているといつの間にか1日中他の誰とも会話していない、という状態からとりあえず誰かと話してみる。
難しいテーマでなくとも言葉を発して、整理して伝える、相手の話していることを受け止めて考えようとするだけで思考する力が蘇ってくる感覚を筆者自身も実感したことがあります。

家族と生活の時間が合わないといった場合も、自治体の産後ケアサービスや育児コミュニティ、児童館、近所の保育園が地域の人向けに開催している親子イベントなど、家庭外でも市区町村や民間団体がさまざまなテーマでママが参加するイベントや機会を提供してくれています。
日常に無理のない範囲で探して参加してみるのも良いかもしれません。

育休明け、育児と仕事の両立が難しいと感じたら…

前述したように、マミーブレインの原因は、精神的・肉体的な疲労であるといわれています。
もし、「現職では育児と仕事の両立が難しい」「でも、基本的に仕事は好きだし、これまで築いてきたキャリアを大切にしたい」と考えるならば、子育て中の社員への理解があり、柔軟な働き方が可能な企業へ転職するのも1つの手です。

たとえば、共働き&子育て世代の転職支援に特化した『withwork』では、下記のような求人を厳選してご紹介しています。

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「まずは情報収集から始めたい」という方も、ぜひお気軽にwithworkにLINE登録&ご相談くださいね。

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まとめ

産後はどうしても赤ちゃんのことで頭がいっぱいになり、疲労も重なってマミーブレインの症状が出てしまうのは仕方がないことです。
「前はできていたことができなくなった」「こんな状態で仕事に戻れるか不安」といったネガティブな気持ちが沸き起こるかもしれませんが、ほとんどの場合症状は一過性のもの。
「この時期は仕方がないんだ」と割り切り、できる対処をしながら日々の忙しさを乗り越えていきましょう。

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監修 / 筒井 八恵

佐賀大学医学部卒業後、助産師として日本赤十字社医療センターでハイリスク妊産婦や家族への専門ケアを行う。企業の就労環境に課題意識をもったことを機に採用・人事支援ベンチャーを経て、「ママリ」を展開するコネヒト株式会社でアカウントプランナー、アライアンスリード、事業開発等を行う。自治体や大学などの教育機関との共創事業立ち上げや研修講師を経験後、XTalent株式会社に参画。企業のDEI推進事業の立ち上げ後、現在に至る。

ライター / 酒井 梨恵

社会保険労務士。一橋大学卒業後、複数のベンチャーでの経験を経た後、現在はSaas系ベンチャーにて1人目の労務専任として勤務。労務実務の網羅的な経験や従業員へのきめ細やかなフォローを強みとする。社労士の他に第二種衛生管理者、年金アドバイザー3級、障害者職業生活相談員の資格保有。2児の母。

この記事の監修者
筒井 八恵

佐賀大学医学部卒業後、助産師として日本赤十字社医療センターでハイリスク妊産婦や家族への専門ケアを行う。企業の就労環境に課題意識をもったことを機に採用・人事支援ベンチャーを経て、「ママリ」を展開するコネヒト株式会社でアカウントプランナー、アライアンスリード、事業開発等を行う。自治体や大学などの教育機関との共創事業立ち上げや研修講師を経験後、XTalent株式会社に参画。企業のDEI推進事業の立ち上げ後、現在に至る。

この記事のライター
酒井 梨恵

社会保険労務士。一橋大学卒業後、複数のベンチャーでの経験を経た後、現在はSaas系ベンチャーにて1人目の労務専任として勤務。労務実務の網羅的な経験や従業員へのきめ細やかなフォローを強みとする。社労士の他に第二種衛生管理者、年金アドバイザー3級、障害者職業生活相談員の資格保有。2児の母。