2024.12.23

3分に1組が離婚?!夫婦間の関係悪化を予防するアプリ「ふたり会議」に込められた想い

#パートナーシップ
#夫婦円満
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こんにちは!ワーキングペアレンツのための転職サービス『withwork』です。
日々、キャラトラのリスナーさんから寄せられる、パートナーとのコミュニケーションに関する様々な悩み。
その解決のためのヒントを、『株式会社すきだよ代表のあつたゆかさんに伺ったので、全3回にわたりお届けしていきます!

前編となる本記事では、創業するに至るまでの経緯やFamily Techアプリ『ふたり会議』に込められた想いなどをお聞きしました。

・前編:3分に1組が離婚?!夫婦間の関係悪化を予防するアプリ「ふたり会議」に込められた想い →★本記事
・中編:悩み相談①「妻の機嫌が悪い」「スキンシップを拒否される」
・後編:近日公開予定

<スピーカープロフィール>

カップル間のコミュニケーションも、異文化コミュニケーションの1つ

金城:
withworkでキャリアアドバイザーをしている金城です。
あつたさん、今日はよろしくお願いします。
まずは、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。

あつた:
カップルTechのスタートアップ『株式会社すきだよ』の代表を務める、あつたゆかと申します。夫婦間の対話を促進して関係性悪化を予防する、Family Techアプリの運営をしております。今、日本では3分に1組の方が離婚していると言われています。それを予防したい!ということで、テクノロジーの力を使いながら、夫婦間やパートナー間の関係性を変えていくという大きなチャレンジをしています。

金城:
3分に1組が離婚って、結構な数になりますね!

あつた:
インパクトのある数字ですよね。よく「結婚は人生の墓場」なんて言われたりますが、なんでそういう言葉があるんだろうと思って調べたことがあるんです。そしたら、日本では3分に1組が離婚しているというデータに行き着いて。

子育て中の世帯の6割以上が夫婦関係が悪化しているというデータもあります。産後クライシスという言葉もあったり、離婚まではいかないけどうまくいっていない夫婦が多いんです。多くの人が抱えている身近な課題であり、かつペインの深い課題でもあるということで、解決するために創業しました。

金城:
創業に至るまでのご経歴を教えていただけますか?

あつた:
学生時代はコミュニケーション学を専門にしていて、アメリカに留学してカップル間のコミュニケーションを研究していました。卒業後は『サイボウズ株式会社』に入社して、BtoBのマーケティング担当としてWeb施策や、電車・新聞・テレビ広告などに携わりました。その後、『株式会社すきだよ』を創業しました。

金城:
学生時代からカップル間のコミュニケーションに興味があったんですね。

あつた:
元々は異文化コミュニケーションといって、「異なる文化を持った人とどうコミュニケーションをするのか」というところに興味を持っていたんです。研究するうちに、カップル間のコミュニケーションも異文化コミュニケーションだなと気付いて。

ちょっとニッチな話になりますが、アメリカって告白文化がないんですよ。

金城:
え、付き合う前に告白しないということですか?

あつた:
例えば、パーティーとかで知り合ってキスから始まるんですけど、告白がないので付き合ってるのか、そうじゃないのかわからない曖昧な期間がすごく長いんです。それに対して女性はどう思っているのか、というのを調査していました。

金城:
おもしろそうですね!

一社目では“自分らしく生きる人を増やす”ため、「職場」の課題にアプローチ

金城:
卒業後はサイボウズさんでご活躍されていたとのことですが、その後なぜ創業に至ったのでしょうか?

あつた:
そもそもなぜサイボウズに入社したかというと、まず私のビジョンとして「自分らしく生きる人を増やしたい」というのがあります。自分らしく生きるために大切なものは2つあって、1つは職場、もう1つは家庭だと思っているんです。

職場に関しては、例えばすごくブラックな労働環境だったり、子育て中だと働きづらいような会社だったりと、なかなか自分らしく働けていない方もいらっしゃいますよね。なので、職場を働きやすくするツールを提供しているサイボウスで働くことで自分らしく働ける人を増やせるのではと思い、入社しました。

金城:
まずは「職場」からアプローチしたんですね。

あつた:
サイボウズ自体が日本一働きやすい会社と言われていますし、大好きな会社だったんですけれども、働き方改革が進んだり、他社からもBtoBのSaaSがたくさん出てきたりして、今後は働きやすくなる会社が増えるだろうと思う機会が増えてきました。そこで、次は「家庭」の改善だなと思い、創業することにしました

金城:
「職場」の方は改善の兆しが見えてきたので、次は「家庭」ということですね。

あつた:
サイボウズ時代に、ベビーシッターや家事代行のマッチングサービス『キッズライン』で副業していたんです。そのときに、妻はベビーシッターを利用したいのに夫が反対しているという事例を多く目にし、家庭をよりよくするサービスやツール、便利家電などがあっても、夫婦間で合意がとれないと導入に至らないということがよくわかりました。そのときに、「これは夫婦間のコミュニケーションの問題だ!」と気付いたことも、創業を後押しするきっかけになりました。

テクノロジーの力でカップル間の対話を促進し、関係性の悪化を予防

金城:
先ほど自己紹介いただいた際に、「Family Tech」「カップルTech」という言葉が出てきましたよね。そもそも「Family Tech」「カップルTech」とは何ですか?

あつた:
企業向けのTechツールというと、グループウェアやスケジュールなどいろいろなツールを多くの方が思いつくと思います。わかりやすく言えばその家庭版、家族全般を便利にするテクノロジーのことを「Family Tech」と呼んでいます。その中には、育児Techや、家事分担を助けるテクノロジー、夫婦間のコミュニケーションを良くするテクノロジーなどが含まれます。最近少しずつスケジュールやアルバムなど、家庭向けのTechツールも世に出てきてはいますが、まだまだ発展途上というのが実情です。

金城:
なるほど、ではカップルTechはそのカップル版ですか?

あつた:
そうです、私たちはFamily Techの中の「カップルTech」という領域で事業をしています。「大切な人とうまくいかない」という人類が何百年も前から悩んできた課題に対して、テクノロジーの力を使って「こういう風に会話してみては?」と提案したり、モニタリングしたりすることで、カップル・夫婦の仲を良くしていこうとするものです。海外では、1,000万ダウンロード以上のアプリも出てきているのですが、国内だとまだ全然ない領域です。

金城:
『ふたり会議』というアプリを提供されているんですよね。

あつた:
カップル・夫婦間の対話を促進して関係性悪化を未然に防ぐサービスです。先ほどお伝えした通り日本では3分に1組が離婚しているのですが、離婚を予防するためには何が大事だと思いますか?

金城:
やはりコミュニケーションでしょうか?

あつた:
そうなんです、コミュニケーションや話し合いが関係性悪化予防に非常に重要であるということが様々なエビデンスからわかっています。話し合いが大事というのはみなさん想像できると思うのですが、実際にちゃんと会話ができているカップル・夫婦って全国で1~2割くらいしかいないんです。

金城:
えー!思った以上に少ないですね。

あつた:
大事だとわかってるのに難しいんです。キャリアについて本当はこう考えているとか、育休を取りたいけど職場の雰囲気的に取りづらいとか、セックスの頻度とか、パートナーが大事だからこそ言いづらいこと、どう切り出したらいいかわからないことってたくさんあるじゃないですか。なので、カップルにとって大事な話し合いの場が持てるような質問を代わりにアプリがする、というサービスをやっています。

7割がアプリ使用後に「パートナーと初めてお金やセックスについて話し合えるようになった」

金城:
カップルカウンセリングは思いつきますけど、アプリでやるというのは新しいですね。

あつた:
日本ではカウンセリングが全く浸透してないというのもあります。カップルカウンセリングって、2人で90分やったらいくらくらいかかると思いますか?

金城:
1万円くらいでしょうか?

あつた:
最低2万円、高くて10万円くらいかかるんです。産後、ちょっとパートナーとギスギスしているな、くらいのときに2〜10万払ってカップルカウンセリング行こう!とはなかなか思えないですよね。だったら、関係性悪化する前の仲の良い時期から、アプリが自分の価値観やふたりの価値観を聞いてくれて「ここ違うから話し合った方がいいよ」と提案してくれたら便利だな、と思ったところから発想しました。

ちなみに『ふたり会議』の調査では、「今まで全くパートナーと大事な話し合いをしたことがない」というカップルのうち73%の方が、アプリの使用後に「パートナーと初めてお金やセックスについて話し合えるようになった」と回答してくださっています。これはとてもすごいことだと思っています。

金城:
というと?

あつた:
私はカウンセラーとしてカップルカウンセリングをすることもあるんですが、今まで話し合いをしたことがないカップルに自力で話し合いをするように促すのはすごく難しいんです。カウンセラーという初めて会った第三者に対して、例えばセックスの話題など、なかなか自分開示するのって難しいですよね。でも、相手が人ではなくアプリだったら、アンケート形式で楽しく質問が届いて打ち明けることができるんです。人ではなくテクノロジーが介在することで本音が出しやすくなるのではないかと思っています。

金城:
直近では資金調達もされたということですが、今後の事業やサービスの展望を教えていただけますか?

あつた:
海外ではカップルTech領域が注目市場になりつつあることもあり、今後はグローバルに向けたアプリ開発を加速していきたいと思っています。採用にも力を入れていて、過去に事業開発したことがある方、UIデザインできる方、カップルTechスタートアップで世界を変えたい方などいらっしゃいましたら、是非お気軽にカジュアル面談にご応募いただければと思います。カジュアル面談は私が担当しています。

金城:
カップル・夫婦間のコミュニケーションという社会課題については原体験をお持ちの方もたくさんいらっしゃると思いますので、たくさんのお問い合わせがあるといいですね。

あつたさん、ありがとうございました。
次回からは、パートナーとのコミュニケーションに関するお悩みに答えていきます!

・中編:悩み相談①「妻の機嫌が悪い」「スキンシップを拒否される」
・後編:近日公開予定

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