2023.12.8

育休明けに転職してもOK!企業の選び方と成功させるためのコツ、注意点

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育休中、転職が頭をよぎる方も少なくないのではないでしょうか。
実際に、ワーキングペアレンツのためのハイクラス転職サービス『withwork』にも、

「現職では、仕事と育児を両立できるイメージがわかない」
「マミートラックに陥り、昇進や昇給が遠のいている先輩や同僚を見てきたので、希望が持てない…」

といった理由から、育休中にご登録&転職相談される方も多くいらっしゃいます。

育休明けの転職は問題ない?マナー違反になる?

まずは、育休が明けてすぐの転職について、押さえておきたいポイントをご紹介します。

法的にはOK

元々は復職するつもりで取得した育休でも、様々な事情で復職が困難になることはありえること。
「同僚たちに申し訳ない…」と後ろめたく感じる方もいらっしゃるでしょうが、法律という観点では問題なく、育休中や明けてすぐの退職・転職は自由に行うことが可能です。

育児休業給付金はどうなる?

雇用保険の被保険者が育休取得時に受け取ることができる「育児休業給付金」は、育休が終了したら元の職場に復帰することを前提とした給付金です。
そのため、育休前から退職を決めていた場合は受け取ることができませんが、受給資格を得た後に退職が決まった場合は原則返還の必要はありません

保育園の入園条件は要確認

自治体によっては、育休明けの復職者は加点が高く保育園に入りやすいことがあります。
元々在籍していた職場に戻らない場合や復職後すぐに転職する場合は再審査が入る可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。

保育園については、制度や条件をしっかり理解した上で転職活動の時期を考慮すると安心です。

保育園事情については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

育休明けに転職を考える理由

育休明けに転職活動に踏み切る方は少なくありません。
よくある転職理由をご紹介します。

仕事と育児の両立が困難

最も多く耳にするのが「現職では、仕事と育児を両立できない」といった理由です。
withworkが行った調査では、「復職後の職場のサポートが不十分だった」と回答した理由に、

「人が不足しており即戦力として働くことを求められた」
「時短勤務者への業務調整はなくフルタイムと同じ業務量」
「休みにくい」
「制度で決まっている時短やリモートワークなどを、事業部長が嫌がるという理由で使わせてもらえませんでした」
「子供が熱を出すことなどに対しての理解がない」

といった声が寄せられました。

復職後の待遇に納得がいかない

育休中に、部署やチームの異動が決まってしまう方もいらっしゃいます。
また、復職後に会社側からの配慮で、サポート的な業務内容を任されるようになったり、昇進や昇給の機会が遠のいてしまったりなど、いわゆるマミートラックに陥る方も少なくありません。

withworkが育休を経験した女性を対象に行った調査でも、

「時短の人は昇進させられないと明確に言われた」
「勝手に担当を変えられそうになり揉めた」
「育休中に人事制度が新たに策定され、策定当時に休業中だったために最低レベルからのスタートになった」
「ポジションが大きく変わったが、納得のいく説明はなかった」
「第一線から退いてあまり当てにされなくなった感が寂しかった」
「仕事の負担は減らしてもらえているが、配慮というより冷遇のように感じる。復職以降ずっと精神的につらく、モチベーションは低下する一方」

といった復職後の待遇への不満の声が多く寄せられました。

子育て社員に対する職場の理解が乏しい

仕事をセーブしたり突発的に休まなければならなかったりする状況をなかなか理解してもらえない・受け入れてもらえないといった理由で、働きづらさを感じる方もいらっしゃいます。
とくに、職場で初めての育休取得者で、周囲に育児を実態として理解してもらうのが難しいケースや、逆に育休復帰後もなんら変わらずハードに働く先輩しかおらず、職場でもそれが当然と思われているケース等、ロールモデルに乏しい環境で抱えがちな悩みです。

育休明けの転職活動、いつから始める?

転職したい時期から逆算して、準備を始めましょう。

パターン①:育休明け、すぐに転職する

復職後すぐに転職する場合は、育休中から転職活動をする形になります。
一般的に、転職活動は2~3ヵ月ほどかかると言われているので、復職予定日から逆算してスタートしましょう。
情報収集も兼ね余裕を持って、半年以上から始める方もいらっしゃいます。
気をつけるべきポイントは、現職の退職日から転職先への入社日まで時間があく場合等、入園予定の保育園の退園事由にならないかしっかりと確認しておくことです。
自治体によって制度が異なり、また改正がある場合もあるため、周りの事例を鵜吞みにせずしっかり確かめたいところです。

その他、育休中の転職活動のポイントは、こちらの記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

パターン②:育休取得後、しばらくして転職する

育休取得後は、新しい生活に慣れるのに大変な時期です。
また、保育園に入園した直後は、いわゆる「保育園の洗礼」という、子どもの体調不良などで保育園からの呼び出しが多い時期でもあります。
保育園の呼び出し頻度や回数は、子どもによっても異なりますが、突発的な早退や休みを余儀なくされ、頭を抱えるワーキングペアレンツも少なくありません。
こうした呼び出しは、一般的には入園後3~6ヵ月ほどで落ち着いてくると言われているので、そうしたタイミングで転職活動を検討するのもオススメです。

育休明けの転職活動を成功させるためのポイント

転職活動を意識し始めた場合、まずはどんなことからスタートすればよいのでしょう。
応募や選考に進む前に整理しておきたいポイントを考えてみます。

転職をしたい理由を明確にする

育休明けに限らず、転職活動を成功させるコツは「なぜ転職したいのか」を自分の中ではっきりとさせておくことです。
そうすることで、同じような要因でまた転職したくなってしまう、という事態に陥る可能性を排除できます。

条件面以外の転職軸を言語化しておく

育休明けの転職で気をつけたいのは、「リモートワークができる」「フレックス制度がある」といった、条件面のみを転職軸に置いてしまうことです。
実際に入社した際に、「柔軟な働き方ができるようになり、条件面はクリアになったけど、仕事内容にやりがいが感じられない…」といったことも起こりうるので、「仕事を通して何を成し遂げたいか」「どんなキャリアを積んでいきたいか」といったこともきちんと言語化し、企業選びの際の指針とすることが大事です。
また、こうした転職軸は、選考でも問われるため、必ず整理しておきたい部分です。

さまざまな選択肢を知り、検討する

「育休明け=時短勤務」と思い込んでいる方は、少なくありません。
実際に、withworkにご相談に来られる方でも、「現職は出社必須なので、保育園の送り迎えのことを考えると、時短勤務が必須。そうすると、給料は大幅に下がるし、昇進も遅れる。でも、リモートワークやフレックス制度を導入している企業であれば、フルタイムで働けることに気づいた」と、おっしゃる方もいます。
また、企業勤めからフリーランスに移行する方もいらっしゃいます。
働き方も多様化した今、さまざまな選択肢を知り、その中で自身のキャリア・ライフプランに合った選択を取っていくことが重要です。

時間の捻出方法を考えておく

いざ転職活動を始め、選考が進むと面接が行われます。
面接の時間に現職の調整が可能か、または子どもをみるのにパートナーや第三者の手を借りることは可能か、といった時間をやりくりする見通しは立てておく必要があります。
職務経歴書の用意や自己分析等、転職活動は労力がかかります。
仕事をしながら、ましてや育休明けだと、より混沌とした状況になり転職活動を諦めてしまうことになりがちです。
自己分析や理想の働き方については、転職が少しでも頭によぎった時点で少しずつ整理を進めておくと良いですね。

育休明けの転職で、気をつけるべきこと

特に育休明けの転職については注意が必要な部分があります。
のちのちの後悔を防ぐため、予め考慮にいれておきましょう。

転職先の制度を使えない可能性がある

入社してすぐは利用できない制度がある可能性があります。
例えば、入社1年未満では時短勤務できないといった企業も多いです。
育休明けの転職者にとって、生活スタイルを大きく左右する時短制度の利用可否や有給休暇の付与については事前に確認しておきましょう。

家族と話し合う

転職することで、何かしらパートナーの生活スタイルにも影響が出ます。
人によっては、最終選考の直前や内定後にパートナーに反対され辞退したという方もいらっしゃいます。
「なぜ転職が必要だと判断したのか」「なぜこの企業に行きたいと思ったのか」「今後、どのようなキャリアを築いていきたいか」などをしっかりと話しておきましょう。

保育園の規則を確認する

とくに現職の退職日から転職先への入社日まで時間があく場合等、退園事由にならないかしっかりと確認しておきましょう。
自治体によって制度が異なり、また改正がある場合もあるため、周りの事例を鵜吞みにせずしっかり確かめたいところです。

現職への伝え方にも配慮を

育休明けどんな理由で転職を決意したとしても、産休・育休中はもちろん、妊娠中も、復職してからも、たくさんの同僚たちが見えない部分でも支えてくれていたことは決して忘れないようにしたいものです。
転職の意志を伝える際は感謝の気持ちも伝えたいですね。
自分の思いだけではなく、どうしても制度や条件の確認が必要になってくるのが子育て中、特に育休明けの転職活動です。
よりよい環境整備のためしっかり気をつけて進めていきましょう。

企業選びのポイント

子育てとの両立を念頭にした転職先を検討するにあたり、どのような点に考慮して企業を選ぶと失敗が少ないでしょうか。

ワークライフバランスに理解のある企業か

転職を決めた理由が何であれ、育休明けであれば育児との両立が可能かどうかは外せない要素になりますね。
育児中の社員だけでなく、介護や傷病等の事情を抱える社員を想定しているかという目線をもつのもいいでしょう。

柔軟な働き方ができるか

育児中かどうかに関わらず、従業員の様々な事情をわかり合える環境があると働きやすいですね。
具体的にはリモートワークやフレックスタイム制、オフピーク通勤等の制度、残業の程度や休暇取得率等はチェックしておきたい内容です。

子育て中の社員が活躍しているか

転職希望先に育児中の社員がいる場合は、どのような働き方をしているかみておくと参考になります。
一見、制度は充実しているようにみえるけど、実際は機能していない」といったケースもあります。
本当にそうした制度を使っている社員がいるか、そして、そうした社員もフェアに評価され活躍しているか、といった視点は大切です。

キャリアとライフをトレードオフにしない転職なら、withwork

転職エージェントを活用するならば、求職者にワーキングペアレンツを想定しているエージェントに登録するのもおすすめです。
企業側から見ても子育て中であることがわかりやすくお互いに条件のすり合わせをスムーズに進められます。
企業の実態を転職活動中に見極めるのはなかなか難しいもの。
子育て世代の転職支援を得意とする転職エージェントには、育児中の社員に理解のある企業の求人が多くあるため、希望とマッチする企業が見つかりやすいと言えます。

たとえば、ワーキングペアレンツの転職支援に特化しているwithworkでは、「キャリアとライフをトレードオフにしない」をコンセプトに、IT/Web業界を中心にリモートワークやフレックス制度など、柔軟に働ける制度を導入している企業を厳選してご紹介しています。
実際に、「育休から復職後、今の職場環境では働き続けられる自信がない」と育休中にご登録される方も多くいらっしゃいます。
「まずは情報収集から始めたい」「孤独な戦いになりがちな転職活動において、一人でも多くの味方が欲しい」という方は、ぜひお気軽にwithworkにLINE登録&ご相談くださいね。

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withworkはそんなビジネスパーソンの想いを全力で応援します。

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まとめ

育休中に感じていた不安が的中してしまい、転職を考えることもあるかと思います。
なかなかまとまった時間の捻出が難しい育休明けに転職活動をする場合は「なぜ転職するのか」「転職することで実現したいのは何か」を軸として持っておくことが成功の鍵といえます。
転職を決意したら、自分と家族の人生のためよりよい決断ができるよう、ポイントを押さえて準備をしていきたいですね。

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監修 / 勅使河原 裕理

大学卒業後から一貫して人材業界に従事。株式会社インテリジェンス(元パーソルキャリア株式会社)にて新規事業関連業務に携わった後、ミドル~ハイレイヤー層特化型エージェントやコンサル業界支援エージェントにて、CxOクラス~若手優秀層のキャリア支援を経験。もっと幸せに働くワーキングペアレンツを増やして、子供たちへ明るい未来を残したいとの想いからXTalent株式会社へ参画。2児の子育て中で、育休中転職の経験もあり。

ライター / 高野 萌乃

ライター・編集として雑誌やweb媒体にて活動。ライフステージの変化とともに働き方を模索しながら、自分らしい生き方を研究しています。withwork magazineでは立ち上げ当初よりライターとして参画中。

この記事の監修者
勅使河原 裕理

大学卒業後から一貫して人材業界に従事。株式会社インテリジェンス(元パーソルキャリア株式会社)にて新規事業関連業務に携わった後、ミドル~ハイレイヤー層特化型エージェントやコンサル業界支援エージェントにて、CxOクラス~若手優秀層のキャリア支援を経験。もっと幸せに働くワーキングペアレンツを増やして、子供たちへ明るい未来を残したいとの想いからXTalent株式会社へ参画。2児の子育て中で、育休中転職の経験もあり。

この記事のライター
高野 萌乃

ライター・編集として雑誌やweb媒体にて活動。ライフステージの変化とともに働き方を模索しながら、自分らしい生き方を研究しています。withwork magazineでは立ち上げ当初よりライターとして参画中。