共働き家庭は年々増加しています。一方で、キャリア形成や家庭内の役割分担、パートナーとの関係性については、表に出にくい悩みや葛藤が存在しています。
ワーキングペアレンツ向け転職サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社は、共働き・子育て世代を対象に、キャリアとパートナーシップの実態に焦点を当てたアンケート調査を実施しました。
<調査結果>
・「ライフイベントがキャリアに与える影響」の調査結果
・「理想の夫婦のあり方と家事育児の納得感」の調査結果
・「パートナーシップと幸福度」の調査結果(★本記事)
<関連コンテンツ>
以下、本調査からみえてきたことをまとめています。
・「夫婦関係が良好な夫婦4パターン」
・「夫婦関係が良好な人の10の具体的行動」
・「男女で異なる夫婦関係を“良好”と感じる基準」
・「夫婦関係を静かに壊す、7つのNG行動」
調査結果(サマリ)
・夫婦関係が良好なほど「時間を取って話し合い、解決策を一緒に考える」
一方で、関係が良好でない層では「衝突を避けて話さない」「先送りにする」といった回避行動がみられた。
・女性は「精神的なセーフティネットとしての実感」、男性は「愛情」「尊敬」
関係が「とても良好」な層では、男女ともに9割以上がパートナーを「信頼」していると回答。女性のパートナーへのポジティブな感情は「困った時の積極的なサポート」といった日々の具体的なアクションで育まれていることが明らかに。一方で男性は「関係性の質(会話・尊重)」を重視する傾向にあった。
・女性の不満は「我慢」「孤独感」、男性は「愛情の枯渇」
関係が「あまり良好ではない」女性において、「我慢している感覚」は100%に達し、男性は「期待をしなくなっている」「生活共同体として割り切っている」という数値が突出した。
・良好な夫婦関係を維持するうえで重要なのは「物理的な時間の確保」と「リスペクト」
関係性を良好に保つために意識していること1位は、「夫婦としての時間(会話・食事など)を大切にする」。2位以下は、「相手への過度な期待を手放す」と同時に、「小さな感謝と言語化を怠らない」という、自律した個同士のリスペクトののベースとなる項目が上位にランクインした。
・建設的な話し合いを支える対話ルール「お互いを対等なパートナーとして扱う」「本音を伝える」
次いで、「相手の立場や状況を想像して話す」「理由や背景も共有する」「完璧を目指さず、折り合いをつける」が上位に。
・幸福度と最も強い正の相関を示したのは、「夫婦関係の良好さ」
次いで「家事育児の納得感」、「キャリアの満足度」に相関がみられた。一方で、「年収」との相関は、「ほとんどない〜非常に弱い」という結果に。また、「子どもの有無」についても相関は見られなかった。
アンケート概要
・調査テーマ:共働き&子育て世代のキャリアとパートナーシップ調査
・調査対象:配偶者がいる男女(※デモグラフィックデータは、本ページ最下に記載)
・調査期間:2026年2月6日〜2025年2月18日
・調査手法:インターネット調査
・有効回答数:436サンプル
・調査主体:XTalent株式会社
<調査協力企業(ABC順)>
株式会社Belong、株式会社Hubble、株式会社カミナシ、株式会社コドモン、ライフイズテック株式会社、株式会社ポピンズシッター、株式会社Schoo、株式会社shizai、株式会社スタディスト、talentbook株式会社、ワンダーファイ株式会社
「パートナーシップと幸福度」に関する調査結果
現在の夫婦関係の良好度について尋ねたところ、男性の84.2%が「良好(とても良好・良好の合計)」と回答したのに対し、女性は73.8%に留まりました。男性の方が約10ポイント高く関係を肯定的に捉えており、夫婦間で「関係性の認識」にギャップがある可能性が示唆されました。また、女性の方が「どちらでもない」という回答が多い傾向にありました(女性:18.4%、男性:9.4%)。【図1】。
また、夫婦間もしくは日常で課題が生じた際の「解決方法」については、関係が良好な層ほど「時間を取って話し合い、解決策を一緒に考える」という能動的な対話を選択しています。一方で、関係が良好でない層では「衝突を避けて話さない」「先送りにする」といった回避行動が40%に達しています【図2、図3】。
【図1】夫婦の良好度:男性と女性で見えている景色が違う?

【図2】夫婦間の課題解決方法1位は「時間を取って話し合い、解決策を一緒に考える」

【図3】夫婦関係が良好なほど「能動的な対話」で解決し、不仲なほど「回避行動」がみられた

夫婦関係を「とても良好」と回答した層が、パートナーに対してどのような感情を抱き、何に影響を受けているのか。その内訳には、男女で興味深いコントラストが見られました。
関係が「とても良好」な層では、男女ともに9割以上がパートナーを「信頼」していると回答しました。しかし、それ以外の項目では明確な差が現れています。
女性の場合、「信頼(96.8%)」に次いで、「安心感(90.3%)」「パートナーとして頼りになる(88.2%)」「一緒にいると心強い(83.9%)」といった、精神的なセーフティネットとしての実感が非常に高いのが特徴です【図4】。
対する男性も「信頼(97.9%)」は極めて高いものの、「一緒にいると心強い」と回答したのは59.6%に留まり、女性と比較して24ポイント以上の開きがありました。男性にとってパートナーは、「愛情(80.9%)」や「尊敬(74.5%)」を注ぎ合う対等な存在としての側面が強いことが伺えます【図5】。
【図4】夫婦関係が良好な女性がパートナーに抱く感情:「頼りがい」「心強さ」
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【図5】夫婦関係が良好な男性がパートナーに抱く感情:「愛情」「尊敬」「価値観の共有」
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では、それらのポジティブな感情は何によって育まれているのでしょうか。
女性が最も影響を受けているのは「困った時の積極的なサポート(69.9%)」でした。日々の実務的な助け合いが、情緒的な信頼に直結していることが分かります。 一方、男性が最も重視しているのは「日常的なコミュニケーション量の多さ(80.9%)」と「お互いを尊重し合えている実態(80.9%)」であり、これらは女性の数値を大きく上回っています【図6。図7】。
「具体的なアクション(サポート)」を重視する女性と、「関係性の質(会話・尊重)」を重視する男性という、パートナーシップに求める優先順位の違いが浮き彫りになりました。
さらに、特筆すべきは、関係が「良好ではない」層における回答です。 ポジティブな感情を支える要因が軒並み0%となる中で、唯一「経済的・生活面で大きな不安が少ない」という項目だけは、関係が良好でない層ほど高くなる(男女ともに60%)という逆転現象が起きています【図6、図7】。
これは、「経済的なつながり」だけでは夫婦の情緒的な良好さは維持できないことを示すと同時に、関係が冷え切っていても生活のために共にいる「仮面夫婦」的な状態を維持する唯一の細い糸が、経済的安定であるという切実な実態を物語っています。
【図6】「具体的なアクション(サポート)」を重視する女性
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【図7】「関係性の質(会話・尊重)」を重視する男性
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また、夫婦関係が「良好ではない」あるいは「あまり良好ではない」と回答した層の感情を分析すると、男女でその「痛みの性質」が異なることが分かりました。
関係が「あまり良好ではない」女性において、「我慢している感覚」は100%という驚くべき数値に達しています。さらに、関係が最悪の状態(良好ではない)になると、「不満(88.9%)」「期待をしない(88.9%)」に加え、「孤独感(77.8%)」が急激に高まります【図8】。
男性の場合、夫婦関係が悪化(あまり良好ではない)すると、「期待をしなくなっている(80%)」「生活共同体として割り切っている(80%)」という数値が突出し、女性よりも早い段階で「心のシャッター」を下ろしてしまう傾向が見て取れます【図9】。
【図8】女性の不満:「我慢」と「孤独」の連鎖
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【図9】男性の不満:愛情の枯渇と「割り切り」への逃避
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女性の場合、要因として最も大きいのは「価値観や考え方の違い(88.9%)」ですが、注目すべきは「感謝や気遣いの不足(77.8%)」や「期待していたサポートが得られない(66.7%)」といった、日常の積み重ねに対する絶望です。 女性にとっての関係悪化は、単なる喧嘩ではなく「自分の存在や努力が無視されている」という深い孤立感へと直結していることが伺えます【図10】。
男性の場合は、関係が悪化する最大の要因は「パートナーからの愛情が減っていると感じること(100%)」という結果が出ました。また女性同様、「価値観や考え方の違い(88.9%)」も高い傾向がみられました。【図11】。
一方で、現在「良好」と回答している女性にも、将来の「ブレーキ」になり得る予兆が見られます。 「とても良好」な層と「良好」な層を比較すると、「仕事や育児で忙しく、心身に余裕がない(良好層:27.4%)」や「家事・育児の負担が偏っている(良好層:20%)」といった項目で数値が跳ね上がっています【図10】。
今は良好であっても、物理的な余裕のなさが対話の時間を奪い、感謝を忘れさせることで、少しずつ「あまり良好ではない」ゾーンへとスライドしていくリスクを孕んでいると言えるでしょう。
【図10】女性の要因:日常の積み重ねに対する絶望
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【図11】男性の要因:パートナーからの愛情の減少
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夫婦関係を「とても良好」に保っている層には、共通する「意識の持ち方」があることが分かりました。
良好な関係を保つために意識していること1位は、「夫婦としての時間(会話・食事など)を大切にする(71%)」でした。物理的な時間を確保することが、すべてのベースになっていることが伺えます。
また、2位以下の「してくれて当たり前」と思わない(60.2%)」「不満を溜め込まず、言葉にして伝える(59.1%)」「完璧な分担や正解を求めすぎない(58.1%)」「相手の価値観やペースを尊重する(51.6%)」は、これらは、「相手への過度な期待を手放す」と同時に、「小さな感謝と言語化を怠らない」という、自律した個同士のリスペクトの重要性が示唆されます。【図12】。
8位にある「自分の機嫌は自分で取るようにしている(43%)」という項目も、現代の共働き夫婦にとって見逃せません。相手に幸せにしてもらうことを待つのではなく、自分自身をケアした上で対話に臨む。この「精神的な自立」が土台にあるからこそ、本音で話し合いつつも、相手を否定しない「対等なパートナーシップ」が成立していると言えます。
【図12】良好な夫婦関係を維持するうえで重要なのは「物理的な時間の確保」と「リスペクト」

さらに、夫婦関係を「とても良好」に保っている層の「対話ルール」を深堀りしました。
課題が生じた際、良好な夫婦が話し合いの場で最も大事にしているのは、「お互いを対等なパートナーとして扱うこと(54.8%)」「本音を正直に伝える(54.8%)」でした。
次いで、「相手の立場や状況を想像して話す(52.7%)」「理由や背景も共有する(46.2%)」が上位にあがりました。
単に「これをやってほしい」という要求をぶつけるのではなく、「なぜそう思うのか(背景)」を共有し、「相手はどう感じるか(想像)」をセットにすることで、対立を「共同の課題解決」へと昇華させています。また、「完璧を目指さず、折り合いをつける(46.2%)」という柔軟性も、持続可能な関係には欠かせない要素であることが伺えました【図13】。
【図13】建設的な話し合いを支える対話ルール

本調査の締めくくりとして、配偶者のいる男女の「現在の幸福度」と、それに影響を与える要因を分析しました。
現在の幸福度について、「とても高い」「高い」と回答した人の合計は、女性が68.1%、男性が74.6%となりました。全体として高い水準にありますが、「とても高い」と回答した割合は男性(27.8%)が女性(16.8%)を大きく上回っています【図14】。
幸福度と各項目の関連性を相関分析したところ、極めて顕著な傾向が見られました。
幸福度と最も強い正の相関を示したのは、「夫婦関係の良好さ(女性 0.63 / 男性 0.55)」でした。 次いで「家事育児の納得感(女性 0.5 / 男性 0.41)」、「キャリアの満足度(女性 0.26/ 男性 0.36)」」と続きます。
一方で、一般的に幸福を左右すると考えられがちな「世帯年収」「自身の年収」「配偶者の年収」との相関は、男女ともに「ほとんどない」か「非常に弱い」という結果になりました。また、「子どもの有無」についても幸福度との直接的な相関は見られませんでした【図15】。
このデータが示しているのは、「どれだけ稼いでいるか」や「家族構成がどうであるか」よりも、「目の前のパートナーとどのような関係を築けているか」の方が、人生の満足度に圧倒的な影響を与えるという事実です。
特に女性において、年収との相関がほぼ0(0.01〜0.09)であるのに対し、夫婦関係との相関が0.63と非常に高い点は注目に値します。女性にとっての幸福は、経済的な条件よりも、パートナーシップにおける「相互理解」や「納得感」に強く依存していることがデータで証明されました。
【図14】幸福度の現状:男女ともに7割が「幸せ」と回答

【図15】幸福度と最も強い正の相関を示したのは、「夫婦関係の良好さ」

調査の総括:不確実な時代の「幸福」は、対等な対話の中にこそある
本調査の結果、共働き世代の「総合的な幸福度」に大きく影響するのは、世帯年収や家族構成といった外的な条件ではなく、「パートナーとの関係性の質」であることが分かりました。
1. 幸福度の源泉は「経済的条件」より「関係性の良好さ」
統計分析の結果、現在の幸福度と最も強い正の相関を示したのは、男女ともに「夫婦関係の良好さ(女性0.63 / 男性0.55)」でした。 一方で、「世帯年収」や「子どもの有無」については幸福度との相関がほとんど見られませんでした。この結果は、「どれだけ稼いでいるか」よりも「誰とどう生きているか」というパートナーシップの質こそが、現代の共働き世代にとっての真の幸福戦略であることを物語っています【図15】。
2. 「対話の量と質」が関係性の格差を生む
夫婦関係を「良好」と捉える層とそうでない層の決定的な違いは、課題に直面した際の「解決プロセス」にありました。 関係が良好な層は、物理的な時間を割いて「解決策を一緒に考える」という能動的な対話を選択しています。一方で、関係が良好ではない層では「衝突回避のための沈黙」や「問題の先送り」が常態化しており、対話の放棄が関係の冷え込み(孤独感・諦め)に直結している実態が浮き彫りになりました【図3、図8、図9】。
相手の立場を想像し、背景を共有し、完璧を目指さず「折り合い」をつけていく。その対話のプロセス自体が、変化の激しい現代を生き抜く共働き夫婦にとって、唯一無二の「資産」となります。XTalentは、こうした「対話の文化」が家庭に根付くことが、個人と社会の幸福を最大化する鍵であると確信しています。
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回答者のデモグラフィックデータ
<女性の回答者(309名)>
・年齢
20~29歳:6.1% / 30~39歳:62.1% / 40~49歳:29.4% / 50~59歳:1.9% / 60歳以上:0.3%
・職業
会社員:89.3% / 自営業 ・個人事業主:3.2% / 会社経営・役員:0.3% / 専門職・士業・公務員:1.0% / 派遣・パート・アルバイト:4.5% / 専業主婦:1.9%
・役職
一般社員:56.3% / リーダー層(主任、課長、係長):30.4% / マネージャー層(部長、本部長):7.8% / 経営層(取締役、役員、代表):0.3% / その他:5.5%
・個人年収
~599万円:60.5% / 600~799万円:23.9% / 800~999万円:8.4% / 1000~1499万円:4.5% / 1500~1999万円:0.6% / 2000万円~:0.3%
・配偶者(夫)の年収
~599万円:25.9% / 600~799万円:24.6% / 800~999万円:16.2% / 1000~1499万円:21.7% / 1500~1999万円:5.5% / 2000万円~:2.3% / わからない:4.2%
・世帯年収
~599万円:25.9% / 600~799万円:24.6% / 800~999万円:16.2% / 1000~1499万円:21.7% / 1500~1999万円:5.5% / 2000万円~:2.3% / わからない:4.2%
・子どもの有無
いる:63.2% / いない:7.3%
<男性の回答者(127名)>
・年齢
20~29歳:0.8% / 30~39歳:60.6% / 40~49歳:33.9% / 50~59歳:3.9%
・職業
会社員:86.6% / 自営業 ・個人事業主:3.9% / 会社経営・役員:4.7% / 専門職・士業・公務員:3.9%
・役職
一般社員:31.5% / リーダー層(主任、課長、係長):47.2% / マネージャー層(部長、本部長):10.2% / 経営層(取締役、役員、代表):9.4% / その他:0.8%
・個人年収
~599万円:18.1% / 600~799万円:32.3% / 800~999万円:24.4% / 1000~1499万円:17.3% / 1500~1999万円:3.9% / 2000万円~:3.1% / わからない:4.2%
・配偶者(妻)の年収
~599万円:18.1% / 600~799万円:32.3% / 800~999万円:24.4% / 1000~1499万円:17.3% / 1500~1999万円:3.9% / 2000万円~:3.1% / わからない:4.2%
・世帯年収
~599万円:2.4% / 600~799万円:6.3% / 800~999万円:15.7% / 1000~1499万円:39.4% / 1500~1999万円:22.8% / 2000万円~:11% / わからない:1.6%
・子どもの有無
いる:90.6% / いない:9.4%









